不安で誰も信じられないとき、暗くて何もないところに鬼の幻を見る「疑心暗鬼」という四字熟語があります。
season24最終話「暗闇の鬼」もまた、何もないところに鬼の姿を見て、なりふり構わず攻撃して自滅、あるいは、身近に潜んでいた本当の鬼に気づかずやられてしまうという、教訓のようなストーリーになっています。
サブスクで観るなら!
「暗闇の鬼」の概要
放送日
2026年3月11日
主な出演者
岩橋虔矢/石黒賢
叶恭次/堀部圭亮
馬場立裕/渡辺大
春日居太郎/川島潤哉
桐畑さら/山崎真実
相棒のレギュラー
杉下右京、亀山薫、小出茉莉、亀山美和子、伊丹憲一、芹沢慶二、角田六郎、出雲麗音、土師太、内村完爾、中園照生、甲斐峯秋、社美彌子
脚本
輿水泰弘
監督
橋本一
「暗闇の鬼」のあらすじ
27年前、亀山薫よりも前に杉下右京のもとで特命係に在籍していた男、岩橋虔矢(石黒賢)。
捜査一課から左遷され、特命係に入って半年ほどで警察官を辞職していた。
その後、退職金で立ち上げたIT関連企業が上場。現在は株式を売却して経営から離れ、悠々自適な生活を送り、趣味で私立探偵事務所を運営していた。
その岩橋が、警察庁警備局長の叶恭次(堀部圭亮)に接触する。左遷される前、捜査一課の管理官としてやってきた叶に、岩橋が激しく叱責されたときの録音テープを聞かせるためだ。罵声の内容はパワハラ・モラハラに該当する罵詈雑言であった。
叶はすでに次の警視総監に内定している。
そのため、総理秘書官の春日居太郎(川島潤哉)と内閣情報官の社美彌子が動き始めた。
そして叶が春日居に相談して間もなく、岩橋の自宅を含む4件の空き巣事件が世田谷区で同時発生する。南麻布にある岩橋の事務所も立て続けに被害に遭った。
岩橋は当初、盗まれたのは事務所のパソコンのみであり、自宅からは何も盗まれていないと警察に話していた。犯人が叶なら、警察に被害を訴えても無駄だと思ったからだ。
しかし、杉下右京に再会し、岩橋は自宅から録音テープが盗まれたことや、そのテープに叶のパワハラ音声が入っていたことを語る。権力への忖度などと無縁の杉下右京を信じたのだ。
いっぽう、叶は、岩橋が録音を複製しておりマスコミに提出するのではないかと疑心暗鬼になる。春日居が手を打ち録音テープを回収したにもかかわらず、叶の岩橋に対する恐れはむしろ強まるばかりだった。
「暗闇の鬼」の見どころ
特命係の岩橋虔矢(いわはしけんや)とは

岩橋は、亀山薫が7人目の特命係としてやってくる前の、辞めていった6人のうちの1人なんだ!
特命係の前身は、外務省高官の邸宅における人質籠城事件の対策チームとして非公式に組織された「緊急対策特命係」。
リーダーは小野田公顕、作戦参謀が杉下右京であり、Season1の15年前の出来事になります。
この「緊急対策特命係」は任解後も「特命係」という窓際部署として存続し、杉下右京もここに左遷されます。
すると、杉下右京の部下として特命係に配属された警察官が次々に自主退職するため、警視庁は不要な人材を特命係に送り込むようになりました。
そこから「人材の墓場」という不名誉なあだ名も生まれました。
初めて杉下右京と長く続いたのが7人目の亀山薫であり、そこから神戸尊、甲斐享、冠城亘、そして亀山薫(再)と繋がっていきます。
岩橋は、亀山がやってくる前の6人のうちの1人という設定です。

左遷される前、岩橋は捜査一課に所属しており、ここでは何と亀山や伊丹の後輩として刑事をしていたんだ
亀山によれば有能な新人だったとのことだよ

なんで岩橋は、亀山が伊丹と一緒に来たことに面食らったんだろう?
捜査一課にいたころの亀山と伊丹は、お互いに敵意むき出しで、相手を出し抜いてでも手柄をあげようという雰囲気でした。
そのことを知っていたため、二人で一緒に被害者(岩橋)に聞き込みに来たことが予想外だったのでしょう。

なるほど!
「ずいぶん仲良くなったんですね」みたいな感じかな
岩橋が受けたパワハラ発言
岩橋が叶から浴びせられたパワハラ発言は、次のような内容です。
「高卒が偉そうに、この俺に意見か」
「立場をわきまえろ」
「低学歴の無能が」
「とっととやめちまえ」
「俺の代わりはいねえけどお前の代わりなんか掃いて捨てるほどいるんだからな」
後に音声を聞いた社美彌子も「聞くに堪えない」とテープを止めてしまうほどのものでした。
岩橋虔矢のプロフィール
作中に示された、岩橋の経歴です。
生年月日:昭和45年(1970年)1月24日生まれ
経歴
1994年 採用
1996年 巡査部長
1998年 捜査一課
2000年 特命係
同年辞職

どうでもいいけど、叶恭次は「高卒」って言ってるけど大卒なのか

巡査部長に2年で上がってるからね…って、本当にどうでもいいよ
岩橋が杉下右京に抱いていた気持ち
岩橋は特命係にいた短い間のことを振り返り、「杉下の顔を見るのも嫌だった」「特命係に追いやられ平然としている杉下右京を軽蔑していた」と話します。

時が経ってちゃんと言えるのはいいね
キャリア官僚でありながら出世に頓着せず、上の顔色をまったく気にしない杉下右京。
一見カッコいいですが、組織の一員としては評価されません。
若かった岩橋は、そんな上司のもとでは永久に刑事に戻れないと考え、警察を去る決断に至ったのではないでしょうか。
いっぽうで、出世に興味のない杉下右京になら、叶警備局長とのトラブルを話してもいいと思えたのでしょう。

当時は嫌いだった部分が、今はむしろ信頼できるっていうのに変わっている感じがいいね
岩橋と叶恭次の因縁
26年ほど前、叶が警視庁捜査一課の管理官として赴任してきたことで、叶は岩橋の上司となりました。
若かった岩橋は、キャリア官僚でありながら捜査に口出ししてくる叶に「現場を知らないくせに」という気持ちで反発していたといいます。
それにより叶に目をつけられ、日々罵倒され、最終的に特命係に左遷されました。
つまり叶は、岩橋が刑事として生きる道を失うきっかけをつくった人物なのです。
ただ謝ってほしかっただけの岩橋
岩橋は、今になって録音テープを叶に聞かせた理由として、叶に何の見返りも求めていなかったと話します。
悠々自適な生活を送る中、録音テープが出てきて当時のことを思い出した岩橋ですが、特にそれで叶を陥れるつもりなどありませんでした。
強いて言えば、叶がただ謝ってくれて、自身も「昔のことだから」と気持ちよく水に流し、テープを叶に渡す。そんな温かい展開になればと密かに期待していたようです。

岩橋は「刑事の夢の続き」として探偵事務所をやっているほど、純粋に警察のことが好きなんだ
ふと蘇った嫌な思い出を、今の自分なら変えられると思ったんじゃないかな
叶が警視総監に内定したことなど外部の岩橋の知るところではなく、偶然このタイミングになってしまったのでした。
疑心暗鬼に襲われる叶
岩橋の行動は、警視総監に内定したばかりの叶にとって恐ろしいものでした。
叶は岩橋に狙いがあると決めつけ、岩橋に何度も面会を求めては、彼の気持ちなどお構いなしで「要求は何か」と尋ねます。

そんな叶を見て、岩橋は和解なんて諦めちゃったんだ…
いっぽう「叶がやたら一般人と密会を重ねている」という情報が、総理秘書官の春日居太郎と、内閣情報調査室トップの社美彌子のアンテナにかかってしまいます。
叶を守らなければならない役人たち
警視総監になるには、内閣総理大臣の承認が必要です(警察法第49条)。
警視総監に内定したということは、総理大臣はすでに叶という人間を認めた状態といえます。
総理のために働く春日居や社美彌子は、叶の不祥事が明るみに出るような事態は防がなければなりません。
また、叶ほどの官僚の不祥事は、警察組織そのものの威信も失墜させます。このことから、警察庁の甲斐峯秋や警視庁の衣笠藤治にとっても、叶は表向きには守るべき存在です。
先陣を切って動いたのは、総理秘書官の春日居太郎でした。
春日居は叶に、岩橋とこれ以上会わないよう釘を刺した上で「あとはこちらで対処する」とし、裏仕事を引き受けます。

そして間もなく、岩橋の自宅から録音テープが再生機器ごと盗まれる事件が発生するんだ
被害申告をしなかった岩橋
事件は、岩橋の家を含む隣家4軒に対する侵入窃盗事案でしたが、録音テープが盗まれたことにより、岩橋だけは叶が絡んでいることがすぐにわかりました。
「相手が叶であれば、被害申告などしても意味がない」と、元ノンキャリアらしいといえる発想で、岩橋は警察に「侵入はされたが盗難被害はなかった」と申告しました。
これにより、世田谷で同時発生した4件の侵入窃盗事件のうち、1つだけ未遂に終わるという不自然な状況が生まれます。
これが杉下右京のアンテナにかかり、岩橋との再会に至ったのです。

ちなみに、南麻布にある事務所の被害は従業員が先に被害に気づいて警察に通報しちゃったから、仕方なく被害申告してる感じに見えたよ
叶がさらなる疑心暗鬼に
盗難被害を申告しなかった岩橋のこの態度は、疑心暗鬼となった叶をさらに刺激します。

岩橋の「諦めた態度」が、叶には「余裕の表れ」に見えてしまったんだね

「あいつは音声を複製しているに違いない。いつ週刊誌に送るか分からない」って妄想して焦ってしまうんだ
この時の叶の状況を、総理秘書官の春日居は「地雷原はわかっているのに、そこに地雷がいくつ埋まっているかも、いつ爆発するかもわからない状態」と説明しています。まさに叶にとってはこの心境だったことでしょう。
叶の疑心暗鬼はもはや病的で、岩橋をかつてちょっとだけ褒めたことのある衣笠藤治と再会した時にも、「お前の差し金か」と疑いを向けてしまいます。

内定のお祝いの席を設けた衣笠副総監なんだけど、急に叶が怒り出してシンプルに困惑してるよ
複雑な3つの事件とその犯人たち
岩橋から録音データを奪うため、春日居が工作員の馬場立裕を使って起こした事件は、次の3つです。
第一事件:世田谷4件の窃盗(空き巣)
「イナズマ急便」(オレンジ色)と「リフォームセンター健」(灰色作業着と青色キャップ)という業者を装った闇バイトによる犯人グループが、白昼堂々、岩橋邸やその隣家に、ピッキングまたは窓を割って侵入し、貴金属などを盗みに入ります。
犯人たちは業者を装ったトラックで現場に乗り付け、まずオレンジ色のメンバーがトラックを降り、社名入りの段ボールを台車に載せて各家の前に運びます。
この段ボールの中身は犯行用具(ピッキング用具、窓を割るためのハンマー、着替え用の作業着)です。
そして灰色のメンバーは防犯カメラつぶし用のスプレーと、盗品を入れるための「黒い袋」を持ち、解錠後にすばやく侵入します。
解錠後はオレンジ色も、段ボールに入った灰色の作業着に着替えて窃盗に加わる段取りになっているようです。

犯行用具や脱いだ作業着の入った段ボールを家の前にそのまま残しているけど、これは何?

亀山薫が「犯行声明」と推理しているね
たぶん闇バイトたちが報酬をもらうために「この家、自分たちがやりました」って示すよう指示があったんじゃないかな?

目的はおそらく最後に全部の罪をきせるため、証拠を現場に残してほしかったんじゃないかな?

なるほど!
あの脱いだ作業着と帽子、汗とか髪の毛がついてそうだね
犯人は、闇バイトの少年11名でした。
どのようにして特定されたかは不明ですが、防犯カメラの映像や現場に残した作業着などが決め手になったのではないでしょうか。

現場にいたのはオレンジ4名、グレー7名は確認できたので人数も合ってる!

数えたのか…
11名のうち、リーダー格の少年2名がスマホで指示を受けていました。
相手の顔は「イケメン」や「熟女」に加工されていたといいます。

この少年窃盗団が逮捕される直前、バイク集団による別の犯行シーンが挟まるから、そっちが捕まったのかと思っちゃった!
この少年窃盗団は、あくまで世田谷4件の空き巣の実行犯です。
第二事件:南麻布の窃盗(事務所あらし)
岩橋の探偵事務所が何者かに侵入され、パソコンが盗まれた事件です。
杉下右京は、探偵事務所と同じビルにある「ムー情報サービス」という会社に早々に目をつけます。
この会社は、事件の数日前にビルに入ってきて、事件後すぐに退去しました。
その後、伊丹は「ムー情報サービス」の情報を特命係に持ち込みます。
親切心で南麻布署に情報を渡したところ、内村部長らに告げ口され、これ以上捜査ができなくなったためでした。

「恩をあだで返された」と言っているやつのことだね!
伊丹らの捜査の結果、「ムー情報サービス」の代表は早田大善という目の不自由な男性。
目元がまったく見えない濃いサングラスを掛けています。

まさかこのサングラスが視聴者をだますアイテムだったとは…

これ、いろんな人を連想させる設定のせいで、サングラスに違和感がないんだよな…
その後、早田大善の自宅を南麻布署が捜索したところ、岩橋の事務所のパソコンが初期化された状態で見つかります。
これにより早田は警察で取り調べを受けることに。
しかし、目が不自由なため指示役の姿を見ることはできていません。
また、目の見えない早田を介助する闇バイトも捕まりましたが、犯人からの指示はすべてスマホであり、相手の顔は「太ったスキンヘッドの男性」に加工されていたといいます。
第三事件:岩橋邸前での路上強盗
車で自宅に入ろうとした岩橋が、門の前でバイクに乗った集団に囲まれます。

「バイク強盗」って表現されてるから「バイクも盗んだのか?」と思ってしまったけど、たぶん「バイクに乗った強盗」ということだね
その場で身体を拘束されますが、岩橋が無抵抗で財布を差し出したため、怪我はありませんでした。
この犯人たちも闇バイトですが、今度は岩橋のスマホのデータを消去することが目的のようです。
スマホを奪い去れば、岩橋は遠隔操作でデータを消去せざるを得なくなります。
それを狙い、犯人は岩橋のポケットからスマホを奪ったのです。

財布やスマホを奪われ、腹の虫が収まらない様子の岩橋は再び杉下右京に連絡します
路上強盗の犯人は、闇バイトで犯行を請け負った馬乃糸とその仲間たちです。
スマホで指示を受けており、相手の顔は「馬」に加工されていたといいます。
亀山薫は土師太を通じて、この事件の被疑者である馬乃糸の情報を伊丹に渡します。
通常なら、特命係から捜査一課に情報を上げることはありませんが、岩橋が正式な被害申告をしないため、このような情報ルートになりました。
強盗であれば捜査一課の強行犯係の仕事なので、伊丹たちでも関与できます。
伊丹からは早田大善についての情報をもらっていたため、亀山からの恩返しとなりました。
これにより、捜一トリオは馬乃糸の逮捕に至ります。

出雲が馬乃糸に対してバイク乗りの風上にも置けないと言っているけど、出雲は元白バイ隊員なんだ

そういえばそうだったね!
キーパーソンは馬場立裕(ばんばたつひろ)
3つの事件の仕掛け人は早田大善だった?
岩橋が馬乃糸による強盗に見舞われた夜、杉下右京と亀山薫は岩橋邸を訪問します。
さすが成功者の邸宅といった感じで、たくさんの部屋が並び、侵入された日は15分で警備員が駆けつけたといいます。
それにもかかわらず、犯人たちは録音テープを的確に持ち去っていました。
このことから、この空き巣事件には、邸宅内の間取りや大切なものを保管する場所を知り尽くした人物が関わっていると杉下右京は推理します。
そして浮上したのが、岩橋の元妻・桐畑さらです。
桐畑さらは、空き巣を仕掛けた人物と対面で接触したことを認めます。
彼女の証言に基づき、犯人の似顔絵が作成されました。

出来上がった似顔絵の人物にサングラスをかけると、ムー情報サービスの早田大善にそっくりだったんだ!
目の不自由な社長・早田大善は、春日居の工作員である馬場立裕が別人になりすましていただけでした。

サングラスに視線が集中しちゃって、全然わからなかった…

なんでなりすましたの?
馬場立裕が早田大善になりすました理由
理由は「依頼が急すぎた」ためです。
岩橋の事務所から録音データを探すため、馬場は同じテナントビルに入り込める「雇われ社長役」を捜しますが適任者が見つかりません。
やむなく自分がサングラスをかけて、実行役の一人を演じたのです。

なんでそんなに急な依頼になったんだろう?

叶が疑心暗鬼になっているからだろうね
しかも、空き巣と事務所あらしは、同じ日にやらなきゃいけなかったんだと思う

えっなんで?

もし、自宅に録音テープの原本、事務所に複製がある状況だったら、自宅に泥棒が入った時点で事務所のデータはどこかに隠されちゃうでしょ?

なるほど…疑心暗鬼になっていたらそう考えるね

「バイトが見つからないんで事務所のほうはちょっと遅れます」なんてことを言ったら、「はあ?一斉にやらなきゃ意味ねえだろ無能が!」って叶なら絶対言ってくるだろうし…

叶の罵詈雑言への理解度が高いな!
甲斐峯秋が早田の身柄を移送
岩橋の事務所のパソコンが早田の自宅から発見されたため、南麻布署で取り調べを受けていた早田大善。
その身柄を、警察庁の甲斐峯秋が警視庁本部に移送します。
思わぬところで自分たちの「ボス」の名前が出てきたことで、驚きを隠せない杉下右京。
さっそく甲斐峯秋に事情を尋ねると、その男は早田大善ではなく馬場立裕であり、4件の空き巣の首謀者として自首したと強調します。

ん?どういうことなの?

推測になるんだけど、早田大善と4件の空き巣が結びつくと、叶を守ろうと動いてきた勢力にとって都合が悪かったんだと思う
早田大善なんていなかった、いいね?

甲斐峯秋は社美彌子の依頼を受けて、表沙汰になっている4件の空き巣のみ馬場立裕による犯行とし、それ以外の事件については静かに幕引きを図る手伝いをしているんだ
馬場立裕は、南麻布署にて現在「早田大善」として事務所荒らし(岩橋の探偵事務所への侵入窃盗)で取り調べられています。
そこに甲斐峯秋が出向いて早田を引き取り、馬場として自ら警視庁に「闇バイトを使って4件の空き巣を働いた」と自首するストーリーで事態を収束させようとしたのです。

でも事務所荒らしも検挙しないと不自然だよね?

盗品のパソコンも押収されてるし、本来ならそうなるね
でも、早田大善が表にでてくるといろいろまずいんだ
岩橋の元妻の証言に基づく似顔絵により、「早田大善」と「世田谷の4件の空き巣」が結びつきます。
この2つが結びつくと、空き巣や事務所あらしの真の狙いは最初から岩橋であると気づく者がでてくるはずです。

4件の空き巣は「お金持ちの家を狙った泥棒」で通用するけど、早田大善は個人事務所を狙い撃ちしてるからか!
その状況でもし岩橋が一連の経緯をマスコミに訴えれば、官僚のパワハラを揉み消すため、国家が犯罪者を使って隠蔽を企てたという今回の計画が表に出る可能性があります。

もし大騒ぎになったら、この件で叶のために動いた全員に責任が及ぶ最悪のシナリオって感じだね

まあそれだけ皆で悪いことをした結果だと思うんだけど…
この最悪のシナリオを回避するため、甲斐峯秋は「早田大善」を警察署から連れ出し「馬場立裕」として警視庁本部に行かせ、馬場を空き巣の罪のみで検挙しようとしたと考えられます。

甲斐峯秋「早田大善なんていなかった、いいね?」
南麻布署員「…アッハイ」
ってことか…
これは社美彌子の発案であり、甲斐峯秋は社美彌子からの頼みを引き受ける形でこの行動をとりました。

この二人の絆はやっぱり強いんだね
甲斐峯秋と衣笠藤治が結託
甲斐峯秋が社美彌子の頼みを実現するには、馬場立裕を空き巣のみで警視庁に送検してもらうことが必要です。
そこで甲斐峯秋は、宿敵である警視庁副総監の衣笠藤治と手を組んだものと考えられます。

よりにもよって、なんで?
甲斐峯秋と衣笠藤治が警察組織を守るために結託して特命係を出し抜いたのは、初めてではありません。
season17最終話「新世界」では、特命係が追っている東国の工作員について、大使館に連絡して東国に便宜を図りました。

東国との関係を悪化させたくない政府の意向に逆らわないための判断なんだ

なるほど…警察の立場を守ることにおいては利害が一致するんだね

それじゃあ結局、社美彌子・甲斐峯秋・衣笠藤治の警察キャリア3人組で、身内の叶恭次を力を合わせて守ったって話なの?

いや…ここからが本番なんだ
叶恭次は、ノンキャリの岩橋だけでなく、キャリアたちからもまあまあ嫌われていたんだ

えぇ…
衣笠は「警察官のトップに傷がつくような事態は避けなければ」とし、甲斐は「27年前の音声でというのはフェアじゃない気がする」として、お互いに表向きは叶を守ろうとしていました。しかし腹の中には別の思惑があったのです。
警察キャリア官僚の裏切り
春日居と社美彌子の対話
馬場立裕に罪を着せ、最小限の事件のみの検挙で幕引きを図ろうとする社美彌子。
社美彌子はこのことを総理秘書官の春日居には相談せず、独断で進めていました。
これにより「馬場をいけにえにした」と、自分の工作員を警察に売られた春日居からは軽く嫌味を言われてしまいます。
しかし、他に打つ手がなかったのも事実であり、春日居はそれ以上は社美彌子を責めませんでした。

そもそも馬場と早田の一人二役がバレて計画が崩れたんだから、こればかりは社美彌子を責められないでしょ!

しかも「ムー情報サービス」であのビジュアルは怪しまれるだろ!
社美彌子は、「我々(警察サイド)はやるべき以上のことをやった」とし、叶の件からさっさと手を引きたい様子を見せます。
総理秘書官の前で、彼らのミスをカバーしながら、良い働きをしてみせた社美彌子。
叶を守ったという、これ以上ない完璧なアリバイができました。
社「ゾクゾクするわ」亀山「変態だな」
馬場立裕を首謀者として幕引きを進めた社美彌子に対し、杉下右京と亀山薫は苦言を呈します。

いつものやつだ!
「仕事とはいえ、叶を守ることをどう思うのか」と亀山に問われた社美彌子は、「ゾクゾクするわ」と返します。
亀山薫はこれを「興奮を覚えたときのゾクゾク」と解釈し、部屋を出たあとに「変態だな、社美彌子!」と言っていますが、本当は「叶への嫌悪感」によるゾクゾクでした。
パワハラ音声が週刊フォトスにリークされる
週刊フォトスに叶恭次のパワハラ疑惑を報じる記事が出ます。
総理大臣の判断で、叶恭次の警視総監への人事は白紙となりました。
「警察キャリア官僚の耳を疑うパワハラ、モラハラ発言」
「叶恭次警備局長の本性を暴く」
「さらにセクハラ疑惑も浮上」

これがフォトスの見出しかあ!
風間楓子っぽい洒落たコピーがないのがさみしいね

風間楓子のコピーを評価してきた社美彌子が一番そう思ってるよ、きっと
社美彌子には、週刊フォトスの記者である風間楓子によるキャッチコピーを、ちょっとだけ気にする妙なこだわりがありました。
容疑者は警察内部
社美彌子・甲斐峯秋・衣笠藤治の3名は、表向きは叶を守るため働きました。
しかし、社美彌子と衣笠藤治は、叶に警視総監になどなってほしくありません。
社美彌子は、叶に大阪府警時代にセクハラを受けていました。
衣笠藤治は、表向きは叶を祝福する席まで設けるほど好意的に接していたものの、腹の中ではまったく納得していません。叶のパワハラ音声をスマホからSDカードにコピーし、「所詮、お前など警察官トップの器じゃない」とつぶやきます。
では、フォトスにリークした人物は一体誰なのでしょうか。

えっ衣笠藤治じゃないの?

たぶん衣笠藤治もリークするつもりだったんだろうけど、先に動いたのは社美彌子。
正確には社美彌子の依頼を受けた甲斐峯秋がリークしたんだ

今回の甲斐さん、社美彌子の頼みとはいえ下働き的なものが多いような?

作中でも言われているけど、「特命係のボスだから」ね

それに被疑者(早田大善)をいなかったことにするなんてかなり無理があることだから、甲斐峯秋が直々に出向いてギリ行けるかどうかくらいの話だったんじゃないかな
叶が乱心
警視総監の人事が白紙となり、叶はついに乱心します。
射撃訓練場から拳銃を持ち出し、岩橋を撃ちに行くのです。
結局、岩橋に拳銃を奪われて攻守逆転となりますが、特命係がそれを止めに入ります。
叶は杉下右京から、リークしたのは岩橋ではなく警察内部の人間だと冷静に説明され、敵が岩橋ではなかったことに初めて気づき愕然とします。
特命係と社美彌子の対話
今回のリークが社美彌子によるものだと、杉下右京は気づいていました。
社美彌子のもとに再び訪れ、過去に叶からセクハラ被害に遭っていた可能性に言及します。

フォトスの見出し「セクハラ疑惑も」がヒントになったのかな
しかし杉下右京のことですから、それはそれ。
事件については、馬場立裕だけでの幕引きはさせないと伝えます。
特命係と甲斐峯秋との対話
フォトスにパワハラ音声を持ち込んだのは、社美彌子の頼みを引き受けた甲斐峯秋でした。
甲斐峯秋は、「これは一般論」としながら「嘆かわしいことに、上に行くほど正義は二の次。真実が歪められ闇に葬られることも多い。ならいっそのこと公にして、一般大衆の審判を仰ぐのもありじゃないかね?」と話します。

甲斐峯秋は、叶に個人的な恨みはなさそうだね

でも、こんな隠蔽体質な人が警視総監になったら、甲斐峯秋が目指す風通しのよい組織とは離れてしまうからね
甲斐峯秋は隠蔽体質のある警察を、少しでも組織の風通しをよくしたいと意気込んでいました。(season22「無敵の人」)

それに岩橋や社美彌子のようなパワハラ・セクハラの被害者はまだまだいるだろうし…

甲斐峯秋にとっても好ましい人物ではなかったんだろうね
まとめ
叶のパワハラがきっかけで特命係に左遷され、27年前に警察を去ることになった岩橋。
叶に再び接触した岩橋は、過去の恨みを晴らすためではなく、ただ一言の謝罪を求めていただけでした。
その思いが叶に伝わることはなく、疑心暗鬼に陥った叶は自ら破滅の道へ進んでいきます。
27年間、自分の人生をしっかりと歩み、成功を収めた岩橋。
それでも探偵事務所を始めたのは「刑事の夢の続き」とし、ただ純粋に警察が好きだったことがわかります。
ロクに話もできないまま別れた相手が、今も警察を好きでいてくれ、充実した人生を送っていることに、杉下右京の心もどこか安心できたのではないでしょうか。
サブスクで観るなら!
わかりにくかったシーンを考察
53分の最終話でしたが、本当は2話構成だったのではないかと思うほど、話の展開が早く感じました。ちょっとわかりにくかったシーンを当サイトなりに考察します。
角田課長「袋が最初は9個、後に12個」
角田課長が杉下右京に「被疑少年らが“犯行後の帰りのトラック内で黒い袋は9個しかなかった”と話している」「しかし、世田谷署が押収した袋は12個だった」と、まるで算数の問題のようなことを言い出します。

やめてくれー!

やめてくれー!
(解説)
この増えた3個の袋は、岩橋邸から盗んだ金品が入っていたもので、録音テープのみ抜き取られたものとなります。
ここから整理してみましょう。
4件の空き巣犯の数は、少年11名によるもので、1軒あたり3名3袋(どこかの家のみ2名3袋)で犯行にあたるという計画だったと考えられます。
そのうち、本命の岩橋邸に入ったグループは、書斎から録音テープを盗み出す別命があり、おそらくそのグループの袋のみ別の車両で持ち帰られ、録音テープを抜いた後に、9個の袋と合流させられたことになります。
土師太が捜査一課に持ち込んだ書類は何?
岩橋から財布とスマホを強奪した、馬乃糸会斗(ばのしかいと)らの犯行グループの情報です。
岩橋が警察に被害申告をせず、個人的に杉下右京らに被害を打ち明けたため、亀山薫から捜査一課に持ち込まれました。

土師太を使者とした理由は、亀山薫のお茶目な演出です。
馬乃糸の書類がなぜ捜査一課への恩返しになるの?
土師太を使者にし、捜査一課に馬乃糸会斗(ばのしかいと)の情報を提供した亀山薫。
この情報提供について、亀山は伊丹に「恩は恩で返す」と表現しています。
一体何が恩返しなのかというと、伊丹が少し前に「南麻布署の手には余る」と言い、ムー情報サービスの早田大善の情報を特命係に渡したことに対する恩返しです。

伊丹たちは、南麻布署が告げ口したせいで内村部長らに注意され、岩橋の事務所あらしの捜査ができません。
そのため集めた情報を特命係に託したのです。
そのお返しとして亀山は、岩橋から相談された強盗事件(伊丹たちが堂々と捜査できる事件)の情報を提供した形になります。
なぜ甲斐峯秋は早田大善(馬場立裕)を警視庁本部に移送した?
表沙汰になっている4件の空き巣の首謀者を馬場立裕とし、事件の幕引きを図るためです。
その際、南麻布署で「早田大善」として拘束されている馬場を一旦施設外に連れ出し、「馬場立裕」として警視庁本部に出頭させる必要がありました。

無茶だけど、甲斐峯秋が直々に迎えに行ったからこそ通ったんだと思う
なぜ甲斐峯秋は衣笠藤治と結託したの?
甲斐峯秋が社美彌子の頼みを実現するには、馬場立裕を空き巣のみで送検する必要があり、それには警視庁の協力が不可欠です。
そこで宿敵である警視庁副総監の衣笠藤治と手を組んだと考えられます。
衣笠藤治はパワハラ音声データをどうやって手に入れたの?
これはわかりません。
ただ、音声を複製して保存できる人物は、春日居と社美彌子くらいでしょう。
社美彌子がもし犯人捜しが始まった場合に備えて、衣笠藤治など複数名の人物に渡していた可能性はあると思います。

もしかすると青木年男のしわざかもしれない…

証拠の音声データを社美彌子から奪ったってこと?
聞いたことのある話だな…(season21「大金塊」)
衣笠藤治は音声をコピーして何をしようとしたの?
然るべきところに提出し、叶の人事を白紙に戻すつもりだったと考えられます。
しかし、ひと足早く甲斐峯秋がフォトスにリークしたという展開になりました。
週刊フォトスとは何?
相棒の世界に登場するゴシップ誌です。
かつて風間楓子(芦名星)という記者がおり、社美彌子は自身のヤロポロク問題をわざと記事にさせたり(season15「悪魔の証明」)、衣笠も関わった政府の隠蔽を彼女にこっそりリークしたことがありました(season17「新世界」)。
今回は社美彌子が(甲斐峯秋に依頼して)久々にフォトスを使い、警察の不祥事をリークした形となります。
ちなみに衣笠藤治はフォトスをあまりよく思っておらず、リーク先には選ばなかったのではないでしょうか。
サブスクで観るなら!
