【相棒16】300回記念スペシャル 第13・14話「いわんや悪人をや」の見どころを解説

相棒300回記念スペシャルとして制作された本作は、相棒7で逮捕された瀬戸内米蔵(津川雅彦)と相棒14で失脚した片山雛子の再登場、相棒15から謎のままだった日下部彌彦の部下と社美彌子のヤロポロク問題の決着、その他懐かしい面々の回想など、相棒ファンにとっての「知りたかった」がたくさん詰まった、まさに記念にぴったりな内容となっています。

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「いわんや悪人をや」の概要

放送日

2018年1月24日(前篇)
2018年1月31日(後篇)

主な出演者

瀬戸内米蔵(津川雅彦)

片山雛子(木村佳乃)

蓮妙(高橋惠子)

常盤臣吾(矢野聖人)

風間楓子(芦名星)

【回想】

亀山薫/寺脇康文

雀蓮/高橋由美子

小松原(片山の秘書)/中村方隆

坊谷一樹/蔵原健

音越永徳/西村和彦

田臥准慈/田辺誠一

小野田公顕/岸部一徳

相棒のレギュラー

杉下右京

冠城亘

月本幸子

伊丹憲一

芹沢慶二

角田六郎

青木年男

益子桑栄

大河内春樹

大木長十郎

小松真琴

内村完爾

中園照生

日下部彌彦

衣笠藤治

社美彌子

甲斐峯秋

脚本

輿水泰弘

監督

兼﨑涼介

「いわんや悪人をや」のあらすじ

2016年、桜の舞う夜。

アパートの一室で、何者かが一枚の写真を見つめている。写っているのは娘と幸せそうに微笑む警視庁広報課長の社美彌子だった。

時は流れて2018年1月。

横領の罪で服役していた元法務大臣の瀬戸内米蔵が仮出所の日を迎えた。僧侶でもある瀬戸内は、兄弟弟子の蓮妙に迎えられ、実家の「徹正院」へ約10年ぶりに戻る。

その後、住職の帰宅を知った常盤臣吾が徹正院を訪れた。

彼は寺の檀家総代の息子であり、瀬戸内や蓮妙は、彼を幼い時からよく知っていた。常盤は定職についておらず、住職不在の間に荒れた境内の清掃を手伝い始める。

ところが墓地を掃除していたところ、常盤は白骨遺体を掘り当てる。

警視庁は死体遺棄事件として捜査本部を設置するが、身元を特定できる所持品がなく、捜査は難航していた。

そのような時、社美彌子から遺体の身元について、公安調査庁の坊谷一樹(ぼうやかずき)の可能性があるとの情報がもたらされる。坊谷は一昨年に行方不明届がなされており、DNA鑑定の結果、遺体は確かにその人物であることが判明した。

社美彌子にこの情報をもたらしたのは、ある手紙だった。

その手紙とは「ヤロポロク・アレンスキー」を名乗る人物が、彼女に宛てた直筆のものだった。

「いわんや悪人をや」の見どころ

瀬戸内米蔵の出所

瀬戸内米蔵は、相棒2「私刑」で法務大臣として初登場した元衆議院議員です。
相棒7「還流」で日本からサルウィンへの支援物資を横流しした罪で10年服役しました。

自分の利益のためじゃなくて、腐敗政治によって支援物資が必要な民に届いていない事態を何とかしたい気持ちでやったことなんだ

横流しした利益はサルウィンのために活動するNGOに寄附していたんだよね

服役中の相棒12「プロテクト」では、小野田公顕による証人保護プログラムが絡む事件で、超法規的措置により一時釈放され、一般人の代わりに人質となりました。

今回はそんな瀬戸内米蔵の再登場回となっています。

寺の墓地から白骨遺体が発見される

瀬戸内とともに墓地の清掃をしていた常盤臣吾が、墓地の一角に草花の発育がよい場所があることに気づき、スコップで掘り返して人骨を発見します。
発見までの状況があまりに不可解であるため、思わず学者かと尋ねる伊丹。
すると常盤は「海外を放浪中、内戦地域で反政府軍の傭兵として働いていた」「仲間の兵士から遺体の上で植物がよく育つと聞き、実際に現地でそうした場所を掘ってみたら百発百中で遺体が見つかった」と、かなり特殊な経験を語ります。

今回の遺体も、この経験から掘り当てることができたのでした。

いきなりすごいやつが出てきたね…

仮にそれを知ってても「じゃあ掘ってみよう」ってならないよな

しかも傭兵って…

ちょっと人生観が違いすぎるなあ

社美彌子にヤロポロクを名乗る2通目の手紙が届く

警視庁広報課長の社美彌子に、ヤロポロク・アレンスキーを名乗る2通目の直筆の手紙が届きます。

1通目は、相棒15第「守護神」で届いたやつだね

今回の手紙も1通目と同じで、ロシア語講座の国内郵便物に忍ばせたものでした。

ヤロポロクとは対日工作員であり、社マリアの父親です。
社美彌子は娘が生まれた経緯を「ヤロポロクに乱暴されて生まれた子である」として警察組織に通してきました。しかし杉下右京は相棒16「サクラ」にて、これは社美彌子がマリアと離れたくないがための嘘であると見抜いていたことが明らかになっています。

でもヤロポロクは2014年にアメリカに亡命しているから日本にはいないはず

国内郵便で手紙を送ることはできないんだ

しかも2通目の内容は、さすがの社美彌子も無視できないものだったんだ

以下、ロシア語で書かれた手紙を社美彌子が翻訳したものになるよ

親愛なる美彌子へ 坊谷一樹は君の身辺を嗅ぎ回っていたから、こうなったのだ。自業自得だ。しかし、気の毒ではある。彼を供養して家族の元へ帰してやって欲しい。宜しく頼む。僕はいつも君のそばにいる。Y.A

坊谷一樹」という初めて聞く男の名を、社美彌子は警視庁のデータベースで調べます。
すると、2016年に警視庁で行方不明届が受理されていた公安調査庁の職員であることが判明しました。

遺体の身元が坊谷一樹であることが判明する

坊谷一樹といえば、相棒15「守護神」で何者かに殺害されて、山みたいなところに埋められて謎のままになっていた男の人だよね

まさかあの場所が瀬戸内米蔵のお寺だったとは…

社美彌子から相談を受けた冠城亘は「杉下右京の推理」と嘘をつき、伊丹たちに坊谷一樹の自宅から採取したDNAを白骨遺体と照合させました。

冠城亘いわく、「杉下右京ブランド」らしい

結果は手紙のとおり、白骨遺体の正体は坊谷一樹であることが判明します。
さすがに手紙を放置できないと判断した社美彌子は、2通の手紙を持参し、首席監察官の大河内春樹に報告します。

日下部彌彦VS特命係

ところでヤロポロクの手紙に「坊谷一樹は君の身辺を嗅ぎ回っていた」って書かれてるね

手紙の内容から、遺体で発見された坊谷一樹が生前に社美彌子を監視していた疑いが浮上しました。
冠城亘もかつて日下部彌彦より同じ命令を受けていたことから、真相を確かめるべく日下部彌彦のもとを訪ねます。
日下部彌彦は、坊谷一樹に社美彌子の監視を密かに命じていたことを認めました。

回想シーンで坊谷が「信用できますか?」と言っているのは法務省を辞めて警察官になった冠城亘のことだね

特命係が退席しようとしたとき、日下部彌彦は「これは捜査なのか」と尋ねます。l

これに対し、冠城亘は「今怖い人に目をつけられている」「われわれ捜査なんてできませんから」と返しています。

どういうこと?

「怖い人」とは目の前の日下部彌彦のことだよ
特命係と日下部彌彦は、前シーズンの途中から対立しているんだ

最近も、特命係に捜査権がないことで検察側から検挙しようと画策していたんだ

怒りの眼差しで杉下右京たちを見つめる日下部彌彦。
日下部彌彦と特命係の対立の理由については、こちらの記事で解説しています。

ヤロポロクが日本にいる可能性が浮上

遺体が坊谷一樹であったことにより、一つ大きな謎が浮上します。
手紙のとおり、ヤロポロクが坊谷一樹を殺害したのなら、ヤロポロクは国内に潜伏している可能性があるということです。

もっとも、これについて大河内春樹は、亡命した人物が国内にいるとは考えにくいため、アメリカから送られた手紙を誰かが日本で受け取り、国内郵便に忍ばせて社美彌子に送っているのではないかという「仲介者説」も成り立つとします。

①ヤロポロクによる犯行なのか、②国内の協力者の犯行なのか、それとも③ヤロポロクではないのか…この3通りがあるね

社美彌子は花の里で「彼に人殺しはできない」って話しているからなあ…

甲斐峯秋の懸念

甲斐峯秋は入国管理局やアメリカに問い合わせ、「ヤロポロクが日本に再入国した記録はない」との公的な回答を得ます。
なぜ自発的にこの件を調べているのか疑問を抱く特命係ですが、甲斐峯秋は「特命係は捜査情報が得にくい立場にあるだろうから」と誤魔化します。

しかしその一方で、この件については状況を逐一報告するよう命じ、明らかに気にしている様子です。

どうしてここまで気にするの?

ヤロポロクが警視庁に捕まったら、甲斐峯秋にとってかなりまずいんだ…


甲斐峯秋は、相棒15「悪魔の証明」で社美彌子を守るために、ヤロポロクからの嘘の性被害の「証人」として、衣笠藤治らの前で証言した立場です。


もし何かの間違いで本当に日本にヤロポロクが潜伏しており、警視庁に逮捕されてあれこれ調べられたら、当時の嘘が発覚する可能性があります。

なるほど

もしヤロポロクが捕まって社美彌子との本当の関係をしゃべったら、甲斐峯秋も終わりなんだ

だから珍しく逐一報告するよう命令したんだね

杉下右京、柔軟な発想で冠城をびっくりさせる

甲斐峯秋や大河内春樹は、ヤロポロクが亡命した上で日本にいるかどうかを考えますが、杉下右京は「最初からアメリカに入国していないのではないか」という仮説を立てます。

でも相棒13「ファントム・アサシン」ではヤロポロクが大使館に逃げ込んでいる場面があったんだよね!?

相棒13では、冒頭で間違いなくヤロポロクが在日米国大使館らしき場所に逃げ込んでいます。

そうなんだ

しかもこの時、アメリカがヤロポロクから聴取した情報を内閣情報調査室に提供しているんだけど、その情報が相棒13の事件の発端になっているからね

うーん…それを疑うのかあ…

さすがにこの発想には、冠城亘もびっくりしています。

ところが、杉下右京のこの説を聞いた社美彌子は、在日米国大使館の内部にいる協力者を通じて、今度は「ヤロポロクが日本から出国したかどうか」を確認します。
すると驚くべきことに「ヤロポロクは日本を出国していない」ことが判明しました。

杉下右京の考えたとおりだったのです。

甲斐峯秋が得た回答の「日本に再入国した記録はない」ってのは、そもそも「日本から出てない(ことになってる)よ」ってことだったのか…

とんちみたいなことを仕掛けやがって…

それではヤロポロクは一体どこにいるのか、そして、本当に坊谷一樹を本当に殺害したのか。社美彌子にとってつらい結末が待っています。

タイトル「いわんや悪人をや」の意味

いわんや悪人をや」とは親鸞の教えを説いた「歎異抄」にて、浄土真宗の悪人正機(あくにんしょうき)を説明する一節で用いられるフレーズです。

善人なほもて往生をとぐ、いはんや悪人をや」というもので、「善人でさえも極楽往生できるのだから、ましてや悪人が往生できないわけがない」という意味になります。

どういう意味なの?

・阿弥陀仏への信仰(他力本願)は悪人(基本的に全員該当)が成仏するためにあるもの

(救いのターゲット層から外れてる)善人でも極楽に行けるのだから、(救いのメインターゲットである)悪人が行けないなんてことあるわけない!

…ってことみたい

タイトルの「いわんや悪人をや」の「悪人」については、今回の事件の犯人を指していると考えられます。

犯人はこれまでに多くの人間を殺害しているようですが、最近までそれに罪悪感を感じることがなかったそうです。

瀬戸内米蔵は、この事件の犯人に「服役したあとはかならず訪ねて来るように」って伝えているね

タイトルから考えると、こうした悪人こそ神仏が救うべき存在だという教えを、まるで現世で体現しようとしているみたいだ

ストーリー以外の見どころ

片山雛子が出家する

相棒14で議員を辞職した片山雛子が再登場します。

出所した瀬戸内米蔵の寺を訪ね、自身の得度を願い出ました。

得度(とくど)とは出家することだよ

つまり片山雛子が尼さんになるんだ!

剃髪した尼僧姿もあるよ!

うつくしすぎる!

片山雛子は、瀬戸内米蔵の盟友・片山擁一の娘であり、瀬戸内にとって雛子は幼いころからよく知る人物です。

瀬戸内米蔵との回想シーンしているのは、片山雛子が、片山家に仕えてきた秘書の小松原を死に追いやったときの話だね

片山雛子のこれまでの波乱万丈な出来事は、こちらの記事で解説しています。

ところで、なぜ片山雛子は寺の白骨遺体のニュースを見てニヤリとしていたの?

片山雛子にとって、出家はあくまでパフォーマンスなんだ

片山雛子にとって今回の出家への決意は、政界へ返り咲くための話題づくりにすぎません。

偶然にも寺から白骨遺体が見つかったため、集まった記者が寺に出入りする片山雛子を見つけて、記事にしてもらえると考えての「にやり」だったのでしょう。

世間からは「反省が足りない」とかで騒がれるんだけど片山雛子は「悪名は無名に勝る」とし、まさに計画どおりって感じだよ

そういうことなんだ…

でも瀬戸内米蔵は、本当はそんな下心があって出家することを知ってるの?

もちろん、瀬戸内米蔵は最初からお見通しだよ

出家を願い出た片山雛子が寺から帰ったあと、瀬戸内は蓮妙に、雛子について「長らく見ねえうちに、すっかり薄汚れちまった」とさびしそうにいいます。出家したい理由を「過去の反省」と説明した片山雛子ですが、瀬戸内米蔵はこれがパフォーマンスであると最初から気づいていました。

それでも瀬戸内米蔵は片山の願いを聞き入れます。
瀬戸内のもとで出家し、名実ともに「師弟」となった二人。瀬戸内も少し安心したようでした。

そっか…片山雛子のことが心配だったんだね

片山雛子と風間楓子の関係

週刊フォトスの記者・風間楓子は、片山雛子からの情報により、瀬戸内米蔵の出所から片山雛子の出家までを独占スクープにできるはずでした。
しかし、寺の敷地内で白骨遺体が発見されたことにより、報道機関が集まり始め、片山雛子の出家に関する情報が他誌に抜かれてしまいます

これはちょっと風間楓子がかわいそう…

そのため片山雛子は、本堂で行われる得度式の撮影については風間のみ許可を得られるよう瀬戸内に取り計らいました。

事件解決後、片山雛子は尼僧姿で風間楓子のインタビューに応じているよ

しかし風間楓子は政治にそれほど興味はないようで、明らかに白骨遺体の事件の話を聞きたそうにしていました。

その後も二人の付き合いは続いており、相棒18「アレスの進撃」では、北海道洞爺湖で、風間楓子が片山雛子を現地取材しています。このときの風間楓子は片山雛子と、大衆のデモ活動と法規制について意見を交わしており、片山雛子に「いくらか勉強したようね」と褒められています。

この2人の関係、ちょっと好き

青木が映像で特命係に協力

特命係から、常盤臣吾に関する捜査を頼まれた青木年男

その報告を、青木は録画映像を使って行います。

どういうことなの…

杉下右京たちが青木との待ち合わせ場所に行くと、そこには1台のビデオカメラが。

ビデオに録画された映像を再生すると、青木がミッション・インポッシブルのBGMで、今回の捜査結果を軽快に報告し始めます。

待ち合わせ場所はオープンカフェなんだけど、杉下右京と冠城亘がソファに隣同士に腰掛け、ひとつのイヤホンを片耳ずつシェアして聞き始めたから、店員が二度見しているよ

遊び心いっぱい演出ですが、内容はさすがの青木クオリティ
常盤臣吾の経歴、渡航歴、ロシアでの拘束事実の確認結果、帰国後の行動の変化などを詳細に報告します。

サイバー捜査官の役割をいつも超えてくる、信頼と実績の青木クオリティだよね

しかも杉下右京の捜査の意図をちゃんと汲んで調べてくれるからな…

社美彌子と月本幸子

ヤロポロクについての情報を特命係に伝えるため、社美彌子が花の里に来店します。
三人のただならぬ様子から、気を利かせて買い物に出かけると言い出す幸子ですが、社美彌子はそれを止めて、杉下右京が信頼している人物なら信頼するとします。


社美彌子は、杉下右京と初めて出会った事件で、杉下右京とともに月本幸子の過去を調べ、幸子に前科があることを杉下右京の弱点であるかのように扱ったこともありました。

「ファントム・アサシン」のときだね

あの時の社美彌子は感じ悪かったからなあ…

そんな社美彌子が、花の里で杉下右京や幸子たちと安心できる時間を過ごしています。

社美彌子が警視庁に出向してきてしばらく経つけど、ようやく特命係との関係がよくなってきた感じがする

「いわんや悪人をや」を観るなら

テレビドラマ相棒の全シーズンは「TELASAの見放題プラン」やAmazonプライムビデオのサービス「TELASA for Prime Video」にて有料配信されています。

TELASA for Prime Video」は時々体験キャンペーンをやっているので、チェックしてみてくださいね!

「いわんや悪人をや」と一緒に観たい回

・season7第1・2話「還流」

 瀬戸内米蔵が服役するきっかけになった回

・season3第19話「異形の寺」

 派手な車を飛ばす美しい尼僧・蓮妙さんの過去回

・season14第10話「英雄」

 片山雛子が議員を辞職するきっかけとなった回

・season13第1話「ファントム・アサシン」、season15第18話「悪魔の証明」、season16第10話「サクラ」

 社美彌子とヤロポロクの関係回

・season15第1話

 坊谷一樹の登場回

サブスクで観るなら