【相棒16】第10話元旦SP 「サクラ」の見どころを解説

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相棒16「サクラ」は、交番から持ち去られた拳銃「通称”サクラ”」による銃撃事件から始まるストーリーです。強大な権力に銃を向けて罪を背負った少年に、杉下右京は、彼がこれから腐らず生きていけるよう精一杯の言葉を贈ります。上条喬樹が事件の黒幕に怒りをぶつけるシーンは、涙なしではみれない神回です。

一方でストーリーの合間には、社美彌子のヤロポロク問題甲斐峯秋と衣笠藤治の対立、稀によくある大河内監察官と特命係の協力展開珍しく謙虚な青木、「劇場版Ⅳ」のキャラの再登場後の月本幸子の卒業への伏線冠城亘が社マリアを初めて気にかける様子など、ファン向けの要素も盛りだくさんでした。
この記事ではこうした要素をわかりやすく解説しながら「サクラ」の名ストーリーを振り返ってみたいと思います。

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「サクラ」の概要

放送日

2018年1月1日

主な出演者

【行方不明の少年】

上条喬樹/伊藤健太郎

椎名智弘/小原唯和

富樫航太/山下真人

【内閣情報調査室】

有馬武人/鶴見辰吾

安田英治/梶原善

広瀬篤/石原良純

【その他】

椎名春子/島かおり

小島麗華/草刈麻有

折口洋介/篠井英介(劇場版Ⅳから)

【警視庁】

石川大輔/林泰文(劇場版Ⅳから)

谷崎莊司/柴木丈瑠

相棒のレギュラー

杉下右京

冠城亘

月本幸子

伊丹憲一

芹沢慶二

角田六郎

青木年男

大河内春樹

益子桑栄

内村完爾

中園照生

甲斐峯秋

社美彌子

衣笠藤治

大木長十郎

小松真琴

脚本

太田愛

監督

内片輝

「サクラ」のあらすじ

雨の夜、内閣官房副長官の山脇が、同じく副長官の折口洋介に公衆電話から電話をかけた。

「折口くん、君も気をつけろ」と告げて電話を切った山脇は、カバンを残して橋の上から姿を消し、翌日に遺体で発見される。この件は橋から川に誤って転落した事故死として処理された。

それから3か月後、クリスマスの日の午後。

客で賑わう都内のイベント会場で、フードを深くかぶった若い男が、スーツ姿の男性に向けて拳銃を発砲した。

現場はたちまちパニックとなり、その隙に銃撃犯は逃走。そしてなぜか撃たれた男性も姿を消した。

発見された弾丸を発見した鑑識の益子桑栄は、ひと目で「サクラ」が使用された可能性に言及する。「サクラ」とは制服警察官に支給される拳銃の通称名。直ちに警視庁全体で拳銃の点検が開始された。すると無線で何度呼んでも応答しない交番が見つかる。署員が向かうと、交番員の風間が拳銃自殺をしていた。すでに事切れた状態で執務机に伏しており、その手にあるはずの拳銃は見当たらなかった。

そして警視庁による記者会見中、「QTES689」というハンドルネームの何者かが、緊急災害速報メールの発信元をハッキングし、交番内のWebカメラの映像が拡散される。杉下右京はこの一連の状況から、交番から拳銃を奪った人物とイベント会場での銃撃犯は同一人物であり、交番の映像を拡散した「QTES689」は犯人の仲間だと考えた。

そのころ、現場から姿を消した被害者を探す冠城亘の前に、当の本人が現れる。安田と名乗るその男は、冠城亘を脅し、この事件の捜査情報を流すことを要求した。脅迫のネタは冠城の「大切な人物」に関するものだった。

「サクラ」の見どころ

劇場版Ⅳからの再登場①:折口洋介

内閣官房副長官として登場した折口洋介(篠井英介)は、劇場版Ⅳからの再登場です。

劇場版Ⅳでは、国際犯罪組織バーズが日本人の少女を人質に、官公庁のサーバーをハッキングして日本政府に身代金を要求する事件が発生します。その際、従わなければ「日本人の誇りが砕け散る」という犯行声明もありました。

副総理はこれをテロ予告であるとし、テロに屈しない強い国家をアピールするため要求を無視する方針をとろうとします。その際、人質の少女の命に言及し、「相手が身代金目的の犯罪組織なら金さえ払えば助けられる」とただ一人、意見したのが折口洋介でした。

今回は亡くなった山脇から、死の直前に「君も気をつけろ」という電話を受ける謎めいたシーンから始まります。

折口さんの活躍はラストになるよ!

最後まで信念を感じさせてくれる人だったな

劇場版Ⅳからの再登場②:石川大輔

ストーリー中盤で、公安部から広報課に、被疑者に関する報道内容への指示が行われます。

しかし、内容は被疑者である少年を素行不良者であると印象づけるためのデタラメ。

こんな憶測で発表してはならない」と先頭に立って社美彌子に意見を述べていた人物は、社美彌子の部下である石川大輔です。

石川大輔は劇場版Ⅳで登場した社美彌子の部下の広報課員だよ

ドラマシリーズではこの「サクラ」が初登場になるんだ

このあと、一部の新聞で「社美彌子が外国人スパイと通じていた」と報じられ、広報課員が社美彌子に疑いの目を向けますが石川大輔だけはいつもどおり社美彌子に接します。

石川は相棒20からは、社美彌子とともに内閣情報調査室にもついていくよ!

まさに「社美彌子に選ばれた男」なんだ!

大河内監察官との協力回

交番で自殺した警察官の風間が最近、刑事課から交番へと異動していたことから、杉下右京は首席監察官の大河内春樹を花の里に呼び、この異動について何か事情を知らないかと話を聞きます。
大河内の話によると風間は刑事の時、内閣官房副長官の門脇の事故死に疑問を抱いていました。
その理由は、警察が臨場する少し前に、転落現場の橋に残された山脇のカバンから、何かを持ち去る男を見たという住民の証言があったためです。しかし、その住民はまもなくその目撃証言を撤回しました。
この不自然な状況から、風間は山脇と親しかった折口洋介にしつこく面会を求めるなどしたことで問題となり、異動させられたのでした。
大河内の話を聞き、目撃証言を撤回した男性のことが気になる杉下右京。
前に大河内が関わる事件解決に協力したことを持ち出し、目撃証言を翻した人物の情報を調べてほしいと頼みます。

前に協力した件というのは、たぶん「ジョーカー」でのことだね

半年前から行方不明の少年3名

イベント会場での銃撃事件のニュースを見て「撃たれた男を見たことがある」という女性があらわれます。
彼女の名は小島麗華

警視庁前でうろうろしていたため、冠城亘が声をかけました。
麗華によると、撃たれた男は半年前、彼女の隣の家に住む椎名智弘という高校生に話しかけていたそうです。
その後、智弘は切羽詰まった様子で何かに悩んでおり、やがて失踪しました。
特命係が智弘について調べると、さらに智弘の友人である上条喬樹(かみじょうたかき)と富樫航太(とがしこうた)が同時期に失踪していることが判明します。

この3名は、2017年にバグハンターコンテストで優勝した少年ハッカーでした。

脅迫された冠城亘

冠城亘は撃たれた男の足取りを単独で追っていたところ、この男に出くわし、捜査情報を流すよう脅されていました。

男は「安田」と名乗り、協力しなければ冠城にとって大切なある人物(本人は「大切」というのは誤解を招くのでやめてほしいと訂正)が二度と警察にいられなくなるとします。

これ杉下右京のこと?

実は違うんだ、ストーリーの最後でわかるよ

この脅迫にしたがい、冠城亘は杉下右京の「上条喬樹、犯人説」を安田に報告します。

後でバレたときに本人も言っているけれど、右京さんならこのくらいのハンデがあっても大丈夫だろうという気持ちだったみたい

安田は、特命係が上条喬樹の存在にたどり着いたことを、ボスである内閣審議官・有馬武人に報告します。内閣情報調査室ナンバー2の地位にある男です。
有馬はすぐに、警視庁副総監の衣笠藤治に連絡をとりました。

衣笠藤治、有馬とつながっていた

翌日、捜査本部にやってきた衣笠藤治は、銃撃犯として上条喬樹を手配するよう指揮を執ります。

これまで全く捜査線上になかったのに…

衣笠は、今年5月に警察庁のサーバーに不正アクセスした容疑者が上条喬樹であることから、静脈パターンを照合した結果、彼が今回の銃撃犯であることを突き止めたと説明します。

また、上条喬樹が抵抗した場合の発砲許可も捜査員に与えました。

右京さんは後で、半年前の事件の犯人の身体特徴を衣笠が覚えていて、今回の銃撃犯の映像と結びつけたのはさすがに不自然って言ってる

杉下右京なら覚えていても自然だけど、衣笠藤治なら確かに不自然だな!

杉下右京は衣笠に、上条喬樹を含む少年3名が行方不明になっており、彼らが何らかのトラブルに巻き込まれている可能性があることを進言します。
すると衣笠は「待っていました」と言わんばかりに、「情報をこれまで捜査本部に意図的に隠匿していた」とし、その場で二人を停職処分とします。

衣笠は有馬から(冠城→安田→有馬→衣笠の順で)聞いて、右京さんたちがこの事実を突き止めているのを知っているんだね

だね
罠にはめられたってことだね

謙虚でしおらしい様子をみせる青木年男

今回、上条喬樹らにハッキングされた交番のパソコンを進んで解析しようとし、盛大に失敗した青木年男

彼らが仕込んだ消去プログラムを踏んでしまい、痕跡をすべて消されてしまいました。
おかげでサイバー課に居場所をなくし、自信も失くしてしまった様子です。

衣笠藤治が捜査本部にやって来た時にサポートしていたのも谷崎君だったし、これはダメージ大きそう

青木は特命係に顔を出し、「何か手伝いたい」としおらしく申し出ます。

青木は名誉挽回したくて来たんだね

普段の青木はこのような人物ではありません。

特命係にはもっとつらくあたる一方で、もっと有能です。

青木の捜査クオリティは知ってほしい!

社美彌子、ヤロポロクとの娘の件で脅迫される

安田たちの脅迫は、警視庁広報課長の社美彌子にも及びます。

朝、社の自宅に届いた新聞に「指示を実行すれば娘の秘密は守られる」というメモが挟まっていました。
その後、社美彌子が出勤するとこのタイミングで公安部から広報課に、上条喬樹の報道内容についての具体的な指示があります。

指示の内容は、上条喬樹が非常に危険な人物であると、世間に印象づけるためのデタラメでした。

課員たちに猛反発を受けながら、メモの意味を理解して困惑する社美彌子。

そんな状況の広報課に、特命係がやってきます。
社美彌子は杉下右京たちと別室に入り、かつて警視庁上層部にヤロポロクからの(虚偽の)性被害を申告したことをついに打ち明けます。

ちょっとややこしいけれど、この被害は社美彌子のウソなんだよね?

そうだね

杉下右京も見抜いているけれど、この件は社美彌子がマリアと引き離されないようにするための嘘なんだ

ヤロポロクと娘マリアをめぐる社美彌子の一連のストーリーは、相棒13から始まっています。

全ストーリーはこちらの記事でまとめているよ

智弘を保護~月本幸子の家へ

少年たちの隠れ家を発見した杉下右京。
さっそくその場所に向かうと、ちょうど安田たちも乗り込んできたところでした。
特命係はギリギリのところで、智弘のみ保護することに成功します。
しかし警視庁で保護すると公安部から安田たちに情報が筒抜けとなるため、やむをえず月本幸子を頼ります。

幸子は発熱した智弘を看病しながら、「自分は人殺しだ」と罪の意識に苛まれる智弘の心を、自身の経験を踏まえてケアしました。
相棒17では、智弘との出会いから、後に幸子は少年たちを支える仕事につきたいと思うようになります。

その後は安田たちから智弘と幸子を守るため、角田課長の部下である大木と小松が護衛にやってくるよ

甲斐峯秋VS衣笠藤治

行方不明となっている上条喬樹を追う杉下右京と冠城亘。

彼が現れる可能性のある、内閣府の年末御用納め式の会場に到着しますが、停職中であるため警察手帳を持っておらず、身分を証明できないため中に入れません。

そこに甲斐峯秋が現れ、二人は自分の連れであるとして会場内に入れるよう取り計らいます。

それを見ていた衣笠藤治がすかさず、「会場内で何かあれば甲斐さんが責任をとってくれるということですね」と念を押していきました。

一体どこから見ていたんだ…

有馬に完全協力するなら、真相を知る特命係は会場に近づけないのが正解

それよりもここで特命係が失敗して、甲斐峯秋を失脚させる材料にしたほうが得だなって思ったんだろう

こんなところまで抜け目がない…

杉下右京による名シーン

上条喬樹が有馬に銃を向けたため、二人の間に杉下右京が立ちはだかります。

すでに警察が上条喬樹に発砲すべき要件はそろっていますが、衣笠藤治が無線でそれを止めます。
杉下右京に交渉失敗の責任を負わせ、甲斐峯秋の失脚を狙ったからです。

しかしこれにより、杉下右京は上条喬樹を説得する機会を得ます

しんとした会場内で有馬に銃を向けたまま上条喬樹は、半年にわたり自分たちが有馬や安田からそのような仕打ちを受けたのかを語りました。

御用納めに集まった職員たちは、喬樹の話に聞き入っているよ

杉下右京は、智弘と航太の無事と安全を落ち着いた声で伝え、心こめて上条喬樹を説得します。

この説得シーンから事態の収集まで、呼吸をわすれるくらい緊張して観てたよ…

冠城亘の脅しのネタ

事件解決後、ラストシーンでは、冠城亘が何をネタに安田に脅されていたのかについて、杉下右京は、社美彌子のことだったのではないかとします。

理由は、冠城亘が広報課の動向を気にしていたためです。

安田は同じネタで2人脅してたんだね
なんかずるいぞ!

また、もし社美彌子の(虚偽の)被害の話が広まれば、もっとも傷つくのは社マリアであることから、安田が脅しのネタにしたのは母の方ですが、冠城亘が本当に守ろうとしたのは社マリアだったのではないかともいいます。

冠城亘と社マリアの話が次にでてくるのは相棒20。

二人は姫と家来になっているよ

どういうことなの…

「サクラ」の感想

上条喬樹が有馬に怒りをぶつけるシーンから、杉下右京が上条喬樹を説得するシーンが何度観ても泣ける回です。

逮捕された上条喬樹に対し、杉下右京が贈った言葉も素敵でした。

普段は、法を犯したのであれば強者も弱者も公正に罰を受けるべきとする杉下右京。

一方で、今回のように強者にねじ伏せられて罪を犯すしかなかった者にはやさしく寄り添うこともあり、本当に魅力的な主人公だと思います。

捜査の展開もわかりやすく、また、ファンにとっては嬉しい甲斐峯秋VS衣笠藤治の確執、ヤロポロク問題、たまにある大河内春樹の協力など嬉しい要素もあり、ずっと楽しいスペシャル回でした!

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「サクラ」とあわせてお勧めしたい回

・相棒17第18・19話「漂流少年」

 サクラで登場した椎名智弘と月本幸子のほほえましい交流が続いていることがわかります。この出来事が幸子にある重大な決意をもたらす回です。

・相棒15第13・14話「声なき者」、相棒16第19話「少年A」、相棒20第11話元旦SP「二人」

 サクラの他にも、相棒にはとんでもない知恵や行動力や発揮する子どもが時々登場します。「サクラ」のストーリーが好きなら、サクラの脚本家である太田愛さんの相棒15「声なき者」相棒17「漂流少年」相棒20第11話「二人」、それから徳永富彦さんの相棒16「少年A」、輿水泰弘さんの相棒1「目撃者」など、まだ観ていない作品があればぜひ!

相棒16「少年A」の少年は、相棒23「警察官A」相棒24「警察官B」でも再登場してるよ

相棒15「声なき者」のラスボスとの戦いは劇場版Ⅳに持ち越しだったね

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