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相棒16「サクラ」は、交番から持ち去られた拳銃「通称”サクラ”」による銃撃事件から始まるストーリーです。強大な権力に銃を向けて罪を背負った少年に、杉下右京は、彼がこれから腐らず生きていけるよう精一杯の言葉を贈ります。上条喬樹がラスボスに怒りをぶつけるシーンは、涙なしではみれない神回です。
一方でストーリーの合間には、社美彌子のヤロポロク問題、甲斐峯秋と衣笠藤治の対立、稀によくある大河内監察官と特命係の協力展開、珍しく謙虚な青木、「劇場版Ⅳ」のキャラの再登場、後の月本幸子の卒業への伏線、冠城亘が社マリアを初めて気にかける様子など、ファン向けのマニアックな要素も盛りだくさんでした。
この記事ではこうした要素をわかりやすく解説しながら「サクラ」の名ストーリーを振り返ってみたいと思います。
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「サクラ」の概要
放送日
2018年1月1日
主な出演者
【行方不明の少年】
上条喬樹/伊藤健太郎
椎名智弘/小原唯和
富樫航太/山下真人
【内閣情報調査室】
有馬武人/鶴見辰吾
安田英治/梶原善
広瀬篤/石原良純
【その他】
椎名春子/島かおり
小島麗華/草刈麻有
折口洋介/篠井英介(劇場版Ⅳから)
【警視庁】
石川大輔/林泰文(劇場版Ⅳから)
谷崎莊司/柴木丈瑠
相棒のレギュラー
杉下右京
冠城亘
月本幸子
伊丹憲一
芹沢慶二
角田六郎
青木年男
大河内春樹
益子桑栄
内村完爾
中園照生
甲斐峯秋
社美彌子
衣笠藤治
大木長十郎
小松真琴
脚本
太田愛
監督
内片輝
「サクラ」のあらすじ
雨の夜、内閣官房副長官の山脇が、同じく副長官の折口洋介に公衆電話から電話をかけた。
「折口くん、君も気をつけろ」と告げて電話を切った山脇は、カバンを残して橋の上から姿を消し、翌日に遺体で発見される。この件は橋から川に誤って転落した事故死として処理された。
それから3か月後、クリスマスの日の午後。
客で賑わう都内のイベント会場で、フードを深くかぶった若い男が、スーツ姿の男性に向けて拳銃を発砲した。
現場はたちまちパニックとなり、その隙に銃撃犯は逃走。そしてなぜか撃たれた男性も姿を消した。
発見された弾丸を発見した鑑識の益子桑栄は、ひと目で「サクラ」が使用された可能性に言及する。「サクラ」とは制服警察官に支給される拳銃の通称名。直ちに警視庁全体で拳銃の点検が開始された。すると無線で何度呼んでも応答しない交番が見つかる。署員が向かうと、交番員の風間が拳銃自殺をしていた。すでに事切れた状態で執務机に伏しており、その手にあるはずの拳銃は見当たらなかった。
そして警視庁による記者会見中、「QTES689」というハンドルネームの何者かが、緊急災害速報メールの発信元をハッキングし、交番内のWebカメラの映像が拡散される。杉下右京はこの一連の状況から、交番から拳銃を奪った人物とイベント会場での銃撃犯は同一人物であり、交番の映像を拡散した「QTES689」は犯人の仲間だと考えた。
そのころ、現場から姿を消した被害者を探す冠城亘の前に、当の本人が現れる。安田と名乗るその男は、冠城亘を脅し、この事件の捜査情報を流すことを要求した。脅迫のネタは冠城の「大切な人物」に関するものだった。
「サクラ」の見どころ
劇場版Ⅳからの再登場①:折口洋介
内閣官房副長官として登場した折口洋介(篠井英介)は、劇場版Ⅳからの再登場です。
劇場版Ⅳでは、国際犯罪組織バーズが日本人の少女を人質に、官公庁のサーバーをハッキングして日本政府に身代金を要求する事件が発生します。その際、従わなければ「日本人の誇りが砕け散る」という犯行声明もありました。
副総理はこれをテロ予告であるとし、テロに屈しない強い国家をアピールするため要求を無視する方針をとろうとします。その際、人質の少女の命に言及し、「相手が身代金目的の犯罪組織なら金さえ払えば助けられる」とただ一人、意見したのが折口洋介でした。
今回は亡くなった山脇から、死の直前に「君も気をつけろ」という電話を受ける謎めいたシーンから始まります。

折口さんの活躍はラストになるよ!
最後まで信念を感じさせてくれる人だったな
大河内監察官との協力回
杉下右京が最初に調べ始めたのは、交番で自殺した警察官の風間です。
風間は最近、刑事課から交番へと不自然な異動をしていました。
杉下右京は首席監察官の大河内春樹を花の里に呼び、この異動について何か事情を知らないかと話を聞きます。
大河内の話によると風間は刑事の時、内閣官房副長官の門脇の事故死に疑問を抱いていました。
その理由は、警察が臨場する少し前に、転落現場の橋に残された山脇のカバンから、何かを持ち去る男を見たという住民の証言があったためです。しかし、その住民はまもなくその目撃証言を撤回しました。
この不自然な状況から、風間は山脇と親しかった折口洋介にしつこく面会を求めるなどしたことで問題となり、異動させられたのでした。
大河内の話を聞き、目撃証言を撤回した男性のことが気になる杉下右京。
前に大河内が関わる事件解決に協力したことを持ち出し、目撃証言を翻した人物の情報を調べてほしいと頼みます。

前に協力した件というのは、たぶん「ジョーカー」のことだね
半年前から行方不明の少年3名
イベント会場での銃撃事件のニュースを見て「撃たれた男を見たことがある」という女性があらわれます。
彼女の名は小島麗華。警視庁前でうろうろしていたため、冠城亘が声をかけました。
麗華によると、撃たれた男は半年前、彼女の隣の家に住む椎名智弘という高校生に話しかけていたそうです。
その後、智弘は切羽詰まった様子で何かに悩んでおり、やがて失踪しました。
特命係が智弘について調べると、さらに智弘の友人である上条喬樹(かみじょうたかき)と富樫航太(とがしこうた)が同時期に失踪していることが判明します。この3名は、2017年にバグハンターコンテストで優勝した少年ハッカーでした。
銃撃犯は上条喬樹
銃撃犯の身体特徴は、失踪した少年の一人である上条喬樹のものと似ていました。
そこから杉下右京は、上条喬樹ならば交番のWebカメラをハッキングし、遺体から拳銃を盗んで逃走できると推理します。また銃撃が行われる前の映像を見ると、どうやら喬樹は、撃たれた被害者の男に追われていたようです。
また、「QTES689」として交番の映像を拡散した行為は、逃走中の喬樹には不可能であるため、真意はわからないものの智弘や航太が行ったのではないかと考えます。
脅迫された冠城亘、久々の二重スパイ
冠城亘は少し前、撃たれた男の足取りを単独で追っていたところ、この男に出くわし、捜査情報を流すよう脅されていました。
男は「安田」と名乗り、協力しなければ冠城にとって大切なある人物(本人は「大切」というのは誤解を招くのでやめてほしいと訂正)が二度と警察にいられなくなるとします。

これ杉下右京のこと?

実は違うんだ、後でわかるよ
この脅迫にしたがい、冠城亘は杉下右京の「上条喬樹、犯人説」を安田に報告します。

後でバレたときに本人も言っているけれど、右京さんならこのくらいのハンデがあっても大丈夫だろうという気持ちだったみたい

冠城亘は初登場時からこういう二重スパイみたいな立ち回りがうまいよね
安田は、特命係が上条喬樹の存在にたどり着いたことを、ボスである内閣審議官・有馬武人に報告します。内閣情報調査室ナンバー2の地位にある男です。
有馬はすぐに、警視庁副総監の衣笠藤治に連絡をとりました。
有馬とつながっていた衣笠藤治
翌日、捜査本部にやってきた衣笠藤治は、銃撃犯として上条喬樹を手配するよう指揮を執ります。

これまで全く捜査線上になかったのに…
衣笠は、今年5月に警察庁のサーバーに不正アクセスした容疑者が上条喬樹であることを、サイバー捜査官の谷崎にすでに特定させていました。
そして今回の銃撃犯と上条喬樹の身体特徴が似ていることから、静脈パターンを照合した結果、上条喬樹が銃撃犯であることを突き止めたと説明します。
また、喬樹が抵抗した場合の発砲許可も捜査員に与えました。

右京さんは後で、半年前の事件の犯人の身体特徴を衣笠が覚えていて、今回の銃撃犯の映像と結びつけたのはさすがに不自然って言ってる

杉下右京なら覚えていても自然だけど、衣笠藤治なら確かに不自然だな!
杉下右京は衣笠に、上条喬樹を含む少年3名が行方不明になっており、彼らが何らかのトラブルに巻き込まれている可能性があることを進言します。
すると衣笠は「待っていました」と言わんばかりに、「情報をこれまで捜査本部に意図的に隠匿していた」とし、その場で二人を停職処分とします。

衣笠は有馬から(冠城→安田→有馬→衣笠の順で)聞いて、右京さんたちがこの事実を突き止めているのを知っているはずだよね

だね
罠にはめられたってことだね
民間人を脅迫する安田
停職処分の正式な通知を受けるまでの間とし、大河内は特命係に、山脇の件で目撃証言を撤回した男性の情報を提供します。
目撃者は「田中」という、橋の近くに住む人物でした。
話を聞きに行くと、やはり田中もまた安田から脅されていたことがわかります。
脅しのネタは、大手企業への就職が決まったばかりの息子のことでした。
安田は、息子の昔の友人に難癖をつけ、せっかく決まった息子の就職先で、あれこれ聞いて回ろうとしていることを匂わせます。

田中さんは怖くなって、「やっぱり何も見ていない」と証言を撤回したんだね
田中を脅しに来た時、安田は警視庁公安部の刑事を伴っていたことが判明します。
公安刑事を自由に動かせることから、安田の背後にいるのは内閣情報調査室の上層部であり、安田の正体は内調のケースオフィサーあることも見えてきます。
冠城亘が安田に脅されていることを見抜く杉下右京
田中への聞き込みの際、安田に脅されているのではないかと先に質問したのは冠城亘でした。
また、上条喬樹の件があまりに早く漏れたことから、杉下右京は冠城亘もまた安田に脅されていると見抜きます。
冠城亘は潔く認めますが、何について脅されていたかは「内緒」とします。

右京さん、こういうの全然怒らないよね

冠城亘の自由な振る舞いにもう慣れてるんだろうね
謙虚でしおらしい様子をみせる青木年男
今回、上条喬樹らにハッキングされた交番のパソコンを進んで解析しようとし、盛大に失敗した青木年男。
彼らが仕込んだ消去プログラムを踏んでしまい、痕跡をすべて消されてしまいました。
おかげでサイバー課に居場所をなくし、自信も失くしてしまった様子です。

衣笠藤治が捜査本部にやって来た時にサポートしていたのも谷崎君だったし、これはダメージ大きそう
青木は特命係に顔を出し、「何か手伝いたい」としおらしく申し出ます。

青木は名誉挽回したくて来たんだね
社美彌子も安田に脅迫される
安田たちの脅迫は、警視庁広報課長の社美彌子にも及びます。
朝、社の自宅に届いた新聞に「指示を実行すれば娘の秘密は守られる」というメモが挟まっていました。
その後、社美彌子が出勤するとこのタイミングで公安部から広報課に、上条喬樹の報道内容についての具体的な指示があります。
指示の内容は、上条喬樹が非常に危険な人物であると、世間に印象づけるためのデタラメでした。
課内から猛反発を受けながら、メモの意味を理解して困惑する社美彌子。
そんな騒動の中にある広報課にやってきたのが、特命係でした。
社美彌子は杉下右京たちと別室に入り、かつて警視庁上層部にヤロポロクからの(虚偽の)性被害を申告したことをついに打ち明けます。
犯人が示した「娘の秘密」とは、おそらくこのセンシティブな内容であり、公になれば娘のマリアを傷つけてしまう事態となります。
そのため、社美彌子としては何としても避けたいことでした。

ちょっとややこしいけど、この性被害は社美彌子のウソなんだよね?

そうだね
相棒13に始まったヤロポロク問題のストーリーが関係しているんだ
ヤロポロク問題に関する展開はこちらの記事でまとめているよ
このあと、社美彌子にさらなる圧をかけるため、一部の新聞で「社美彌子が外国人スパイと通じていた」と報じられてしまいます。

もうちょっとで、マリアの報道もされるところだったんだ…
しかし、いくら娘を守るためとはいえ、社美彌子は報道の改変に踏み切れる人物ではありません。
覚悟を決めた社美彌子は、マリアを抱きしめて「パパとママに愛されて生まれてきたことを信じて欲しい」と伝えます。
これについて事件解決後、杉下右京に「われわれが事件を解決しようとしまいと、あなたは脅しに屈しなかった」と言われた社美彌子は、少し嬉しそうにしています。

これめちゃくちゃかわいいんだよな…

何気に、杉下右京が社美彌子を警察官として認めている唯一のシーンだと思う
劇場版Ⅳからの再登場②:石川大輔
上条喬樹に関する公安部から広報課への指示に対し、「こんな憶測で発表してはならない」と先頭に立って社美彌子に意見を述べていたのは、社美彌子の部下である石川大輔です。
このあと、一部の新聞で「社美彌子が外国人スパイと通じていた」と報じられ、広報課員が社美彌子に疑いの目を向けますが石川大輔だけはいつもどおり社美彌子に接します。

石川大輔は劇場版Ⅳで登場した社美彌子の部下の広報課員だよ
ドラマシリーズではこの「サクラ」が初登場になるんだ

相棒20からは、社美彌子とともに内閣情報調査室にもついていくよ!
少年たちの失踪の真実に杉下右京が気づく
ついに杉下右京は、3人の少年ハッカーたちと安田の関係に思い至ります。
安田たちが何かをさせるために人を脅す手口を一貫して用いること、3人には優れたハッキングの能力があること、上条喬樹の遺留品のパーカーが比較的新しいことから、3人は安田たちに脅され、どこかで軟禁され、ハッキングをさせられていたと推理します。
少年たちが安田に軟禁されるきっかけとなったのは、遊び半分で5月に警察庁のサーバーをハッキングしたことでした。

無邪気すぎて逆にこわい…

この事件で少年らを「使える」と考えた安田は、1人ずつ接触して脅すんだ
安田は「君たちが見たものは特定秘密にあたる」「10年以下および1,000万円以下の罰金刑にあたる」「犯罪者になったら人生が終わる」「罰金は君たちの代わりに家族が借金をして支払うことになる」など嘘を話して1人ずつ脅します。
そして「1年間働けば罪をチャラにする」として彼らを唆し、家出をさせてアジトで軟禁したのです。
ちなみに、特定秘密保護法において、少年たちのような民間人が「10年以下及び1,000万円以下」に問われる可能性があるのは「外国の利益若しくは自己の不正の利益を図り、又は我が国の安全若しくは国民の生命若しくは身体を害すべき用途に供する目的で」人を欺いたり脅迫したり、不正アクセスをしたりする等の行為で「特定秘密を取得する行為」とされています。(同法第24条)

ってことは、少年たちをここまでの罪には問えないよね?
おのれ安田め!

そうだね
不正アクセス禁止法違反(3年以下の拘禁刑または100万円以下)にはなるけど…

それは仕方ないけど…重みがちがうよ!
むしろ国を思いどおりにするため人の秘密を覗いて脅迫してるのは安田たちだ!
安田から3人に与えられた仕事は、政治家や官僚といった要人のPCやスマホをハッキングするというものでした。
3人は食事と寝る時間以外、安田の部下に見張られながらハッキングをさせられます。
安田たちの目的は、これにより政治家や官僚のスキャンダラスな情報を入手してそれをネタに脅して、有馬武人の思いどおりに操ることにありました。
橋から転落して亡くなった山脇が、有馬や安田に狙われたのは、各省庁の人事を握る人事局長であったからです。
この推理から導き出されたのは、山脇の死の真相は、脅しに耐えきれなくなっての自殺でした。
カバンから何かを抜き取ったのは安田の部下であり、抜き取られたものとは、すべてを告白する遺書でした。
そして山脇の死により、智弘の精神状態がだんだんとおかしくなり始めます。

祖母が「優しい子」と話していた智弘だね

航太も我慢できなくて家族に電話をかけちゃうし、この2人はごく普通の高校生なんだ
もうこの戦いにはついてこれないよ

あれ?上条喬樹だけ何か強すぎない?
災害メールをハッキングした理由
智弘は、山脇の死に強い責任を感じていました。
さらに、交番のWebカメラから監視していた風間まで拳銃で自殺してしまい、智弘がついに精神の限界を迎えます。

風間は、山脇の死に疑問を抱いていた元刑事さんだね
喬樹と航太は、智弘を連れて安田のアジトから脱走することを決意します。
まずバイクに乗れる喬樹が見張りを振り切って風間のいる交番に行き、その拳銃を奪って逃走しました。そして安田たちが喬樹を追っている間に、航太はノートパソコンを持ち、智弘を連れてアジトを脱出したのです。

智弘を逃がすための時間稼ぎで、お客さんで賑わうイベント会場に入ったけど、そこで安田に追いつかれてやむなく撃ったんだね
ここで、緊急災害速報メールをハッキングした「QTES689」の謎が解けます。
この文字列はハンドルネームではなく、隠れ家の住所でした。
キーボードの「かな入力」にすると「たかいと689」となり、航太と智弘が隠れている場所の住所となります。

3人とも携帯電話を安田たちに奪われてて連絡手段がなかったんだ
だから『たかいと689』という文字を喬樹に見せるために、ニュースになるようなメールのハッキングを仕掛けたんだね
さらにハッキングしたメールにより流した交番の映像は、ショッキングなシーンは切り取られたものでした。
映像がそのままニュースで流されなければ意味がないため、そのまま使いやすい場面のみを流出させたのでしょう。

頭がよすぎる…

半年間、細心の注意を払ってハッキングをしてきただろうから、こういうところも抜け目がなくなってるのかも
智弘を保護~月本幸子の家へ
「QTES689」が少年たちの隠れ家を示す暗号であると気付いた杉下右京。
さっそくその場所に向かうと、ちょうど安田たちも乗り込んできたところでした。
特命係はギリギリのところで、智弘を保護することに成功します。
しかし警視庁で保護すると公安部から安田たちに情報が筒抜けとなるため、やむをえず月本幸子を頼ります。
幸子は発熱した智弘を看病しながら、「自分は人殺しだ」と罪の意識に苛まれる智弘の心を、自身の経験を踏まえてケアしました。
相棒17では、智弘との出会いから、後に幸子は少年たちを支える仕事につきたいと思うようになります。

その後は安田たちから智弘と幸子を守るため、角田課長の部下である大木と小松が護衛にやってくるよ

航太については逃げるため建物から飛び降りて病院に運ばれたから、安田たちから逃げることができたよ
首謀者・有馬武人と対面
隠れ家で保護できたのは智弘と航太のみで、喬樹の姿はありませんでした。
特命係が隠れ家に着く少し前、喬樹は智弘を航太に任せ、一人で安田と取引をするとし、単独行動を始めていたのです。
喬樹は安田に「智弘と航太に何もしなければ、警察には何も話さない」とメールを送り、安田に待ち合わせ場所の地図を送りました。
しかし、この地図にはウイルスが仕込んでありました。これにより、喬樹は安田のメールデータを盗みます。
そこで安田に指示を出している人物が、有馬武人であることを知ります。
特命係に保護される少し前、智弘は熱にうなされながらも、喬樹たちが有馬の名前を口にしていることを覚えていました。
さっそく有馬武人のもとへ向かう特命係。
有馬は、国防体制の強化のため、国民に相互監視を義務づけ、情報収集体制を強化した国づくりを目指していることを話します。
そのために少年たちを軟禁するのはおかしいとする杉下右京。
しかし杉下右京からの批判など、有馬は意に介しません。

有馬は自分と同じ考えの人物を政治の中枢に集めるために、内閣の人事を担当している山脇さんを狙ったんだね

有馬の話も理解できなくはないけれど、少年を脅して精神ズタボロにしてる時点で、視聴者はもう全然共感できないんだよね…
そして有馬は、上条喬樹を合法的に抹殺するため、上条喬樹が凶悪犯であるとするねつ造の仕上げを行います。
有馬武人が行ってきたねつ造

有馬武人がここまでにやってきた、上条喬樹を凶悪な人物にしようとしたねつ造は3段階だよ
最初は、衣笠藤治を使った印象操作です。
衣笠は捜査本部で上条喬樹のことを「拳銃を奪って、無関係な市民を銃撃した凶悪犯」「抵抗の際は発砲もためらうな」とし、警視庁に喬樹を捜索させるよう仕向けます。
ちなみに無関係な市民とは、安田のことです。

安田のどこが無関係な市民だ!
次に、広報課長の社美彌子を脅迫し、上条喬樹を危険人物として報道することで、彼の証言の信憑性を下げる工作を図ります。
これについては、社美彌子が脅迫に屈しなかったため、成功していません。
ちなみに、公安部が指定した広報文は
・上条喬樹は悪質なハッカー
・虚言癖がある
・遊び半分でハッキングを繰り返し、警察のサーバーにもサイバー攻撃を仕掛けた前歴がある
・自作のウイルスをダークウェブで販売して利益を得ている
という嘘だらけのものでした。

これを知った右京さんは、ダークウェブで活動しているような人物なら、そもそも拳銃を交番から盗んで調達する必要がないとツッコんでいるよ
そして仕上げは、上条喬樹を騙った犯行予告メールのねつ造です。
内容は、内閣情報調査室のトップである内閣情報官の広瀬篤を狙うというものでした。

智弘と航太の生死もわからない喬樹は、拳銃の残りの弾を使い、有馬のもとへ復讐にやってくるはず
そこでこのメールによって警視庁に最大限の警戒態勢をとらせ、現れた上条喬樹を捕まえる計画を立てるんだ

衣笠副総監の先の指示もあって、すでに捜査員たちに事件を疑う人はいないんだ…
甲斐峯秋VS衣笠藤治
捜査一課の伊丹と芹沢に事情を説明し、広瀬と有馬が出席する内閣府の年末御用納め式の情報を入手した杉下右京たち。
会場に到着するも、停職中であるため警察手帳を持っていません。
会場ではすでに厳戒な警備体制が敷かれており、入場を拒否されてしまいます。
そこに甲斐峯秋が現れ、二人は自分の連れであるとして会場内に入れる許可をだします。
それを見ていた衣笠藤治がすかさず、「会場内で何かあれば甲斐さんが責任をとってくれるということですね」と念を押していきました。

一体どこから見ていたんだ…

有馬に完全協力するなら、真相を知る特命係は会場に近づけないのが正解
それよりもここで特命係が失敗して、甲斐峯秋を失脚させる材料にしたほうが得だなって思ったんだろう

こんなところまで抜け目がない…
上条喬樹が有馬に銃を向ける
上条喬樹は、ノートパソコンを操作しながら、会場のドアロック、防犯カメラ、照明といった各システムをハッキングで操作して警備網を掻いくぐり、ついに有馬たちのいる会場内に侵入してきます。

た、喬樹くん⋯?

半年前までは友達と大会に出たり、警視庁のサーバーを覗いて遊んだり(これは犯罪)するだけの少年だったのに、完全にプロの犯罪者に仕上がってる…
こうして見ると安田は人を見抜く目だけは確かだったことがわかります。他の二人はともかく上条喬樹は間違いなく、裏仕事をさせる人材としては逸材でした。

内閣情報調査室のナンバー2が重用するキャラとして、これ以上ない説得力がここにあったね
って安田を褒めなくていいから…
杉下右京による説得
喬樹が有馬に銃を向けると、二人の間に杉下右京が立ちます。
そのとき青木が会場のドアロックを解除し、締め出されていた捜査員を中に入れました。
すでに警察が上条喬樹に発砲すべき要件はそろっていますが、衣笠藤治が無線でそれを止めます。
杉下右京に交渉失敗の責任を負わせ、甲斐峯秋の失脚を狙ったのです。
しかしこれにより、杉下右京は上条喬樹を説得する機会を得ます。
しんとした会場内で有馬に銃を向けたまま上条喬樹は、半年にわたり自分たちが有馬や安田からそのような仕打ちを受けたのかを語りました。

御用納めに集まった職員たちは、喬樹の話に聞き入っているよ

特に、山脇の自殺が有馬の脅迫によるものだと喬樹が語ったときには、会場からどよめきが起こったんだ
杉下右京は、まずは智弘と航太の無事と安全を落ち着いた声で伝えます。
そして、有馬の悪事は必ず明らかにすると約束します。
しかし、すっかり大人を信じられなくなった喬樹は、引き金に指をかけたまま銃を降ろしません。
「引き金を引いては君の負け」とし、智弘に喬樹を助けてほしいと頼まれたことや、自分の家族のことを思い出すように伝え説得する杉下右京。
これにより上条喬樹は銃を降ろします。
有馬武人が本性を現す
大勢の部下たちの前で、喬樹に被害を自ら語らせる機会を与えてしまった有馬。
この状況で、おとなしくなった喬樹をただ逮捕されるだけでは困ると考えたのでしょう。
有馬は、喬樹に自ら近づき「腰抜け」と煽ります。

もしここで自分に向けて発砲させれば、会場を警護している警察官に上条喬樹を射殺してもらうことができると考えたんだろうね

同じ殺人未遂罪に問われるとしても、実際に発砲したのとそうでないのとでは量刑だけでなく世間の印象にも影響するだろうからね
有馬自身は防弾衣を事前に着込んでいるシーンがあるため、撃たれても致命傷にならないと踏んでの行動だったと思います。
有馬に煽られた喬樹は、再び拳銃を有馬に向けますが、今度は冠城亘が背後から飛びかかります。
喬樹は銃を発砲してしまいますが、幸いなことに弾は誰にも当たりませんでした。
折口洋介が杉下右京に加勢
この一発をもって「殺人未遂だ」とする有馬に、杉下右京は「あなたが誘導したことを自分が証言する」とします。
そこに内閣官房副長官の折口洋介が加勢し、これまで自分も有馬から脅されていたことを明らかにすると言い出します。
折口は、息子の薬物所持をもみ消した過去があり、それをネタに脅迫されていました。

折口さん…
いい人だったのに残念だ

でもこの話は、折口にとって政治生命が確実に終わる不利な告白。
会場内でやり取りを見守っていた人たちにとって、喬樹が話した有馬の罪の信憑性が一気に上がっただろうね
手の平を返す衣笠藤治
有馬に疑いの視線が集まるなか、衣笠藤治はそっと有馬に近づき「お話を聞かせていただく必要がある」として、警視庁への任意同行に応じるよう促しました。
これを見て、一言いわずにはいられない甲斐峯秋。
衣笠の肩をぽんぽんとたたき、「相変わらず身の振り方がうまいですね」と刺しますが、衣笠は「何のことでしょう」ととぼけて歩いていってしまいます。
それぞれが家族のもとへ
智弘と航太は、それぞれの家族のもとへ帰ります。
喬樹は連行される前、杉下右京から温かい言葉を受け取ります。その後は成人と同様に刑事裁判を受けることになり、裁判では弁護側の証人に杉下右京が立つことになりました。

喬樹は被害者なのに、これから犯罪者として罰を受けるんだね

その間に自分を見失わないための言葉を右京さんは贈ったんだと思う

頼むから安田を撃ったことだけはノーカンにしてほしい…
冠城亘の脅しのネタ
冠城亘が何をネタに安田に脅されていたのかについて、杉下右京は、社美彌子のことだったのではないかとします。
理由は、冠城亘が広報課の動向を気にしていたためです。

安田は同じネタで2人脅してたんだね
なんかずるいぞ!
また、もし社美彌子の(虚偽の)被害の話が広まれば、もっとも傷つくのは社マリアであることから、安田が脅しのネタにしたのは母の方ですが、冠城亘が本当に守ろうとしたのは社マリアだったのではないかともいいます。

冠城亘と社マリアの話が次にでてくるのは相棒20
二人は姫と家来になっているよ

どういうことなの…
サクラの感想・おすすめ作品
上条喬樹が有馬に怒りをぶつけるシーンから、杉下右京が上条喬樹を説得するシーンが何度観ても泣ける回です。
逮捕された上条喬樹に杉下右京が、世の中を諦めないで欲しいとして贈った言葉も素敵でした。
法を犯したのであれば強者も弱者も公正に罰を受けるべきとする杉下右京。一方で、今回のように強者にねじ伏せられて罪を犯すしかなかった者には思うところがあるのだと思います。
捜査の展開もわかりやすく、また、ファンにとっては嬉しい甲斐峯秋VS衣笠藤治の確執、ヤロポロク問題、たまにある大河内春樹の協力など嬉しい要素もあり、ずっと楽しいスペシャル回でした!
この回の他にも、相棒にはとんでもない知恵や行動力や発揮する子どもが時々登場します。「サクラ」のストーリーが好きなら、サクラの脚本家である太田愛さんの相棒15「声なき者」、相棒17「漂流少年」、相棒20「二人」、それから徳永富彦さんの相棒16「少年A」などがおすすめです。まだ観ていない作品があればぜひ!
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