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冠城亘は、season20の最終話「冠城亘最後の事件」で警視庁を退職し、法務省の外局である公安調査庁に、契約職員として入庁しました。
よりによって、社美彌子が率いる内閣情報調査室のライバル機関です。
しかも作中で、冠城亘は退職の理由を最後まで語っていません。
ただ、season15の第1話から冠城亘の行動を順に並べると、答えはおのずと見えてきます。この記事では、退職までの経緯と、冠城亘が公安調査庁を選んだ理由の考察をまとめます。
※この記事は、S20-19・20「冠城亘最後の事件」とS23-18・19「怪物と聖剣」の結末までのネタバレを含みます。
冠城亘が警視庁を辞めるまでの経緯(S20-19・20)
発端:鑓鞍兵衛の危機で、内調が公安調査庁に出し抜かれる
season20の最終話「冠城亘最後の事件」では、かつて鑓鞍兵衛を襲撃した京匡平(かなどめ・きょうへい)の出所情報を、法務省事務次官の日下部彌彦と、日下部の指示で動く公安調査庁が、独自の情報網で先に入手して鑓鞍に伝えます。
社美彌子にとって鑓鞍は、内閣情報官への就任を後押ししてくれた恩人です。

社美彌子は、恩人の危機に関わる情報で、ライバルの情報機関に先を越された形になりました……
この背後には、内閣情報調査室を出し抜いて公安調査庁の存在価値を示したい、日下部彌彦の狙いがありました。
日下部側の思惑については、こちらの記事で詳しく解説しています。

社美彌子側から見ると日下部彌彦は悪役っぽいんだけど、本当は全然そんなことはありません。
相棒の中ではめずらしくまっとうな官僚であり、部下思いの人格者です。
公安調査庁の罠:記者が娘マリアに接触する
鑓鞍と京をめぐる事件の謎が深まるなか、冠城亘は社美彌子に呼び出されます。
青木年男の嫌がらせによる「パパ活怪文書」の件で、冠城と娘マリアが、社美彌子を飛び越えて親しくしていたことが発覚したためです。
時を同じくして、公安調査庁の差し金で送り込まれた記者・神長敏がマリアに接触し、父親のことを吹き込もうとします。
マリアから報告を受け、これに激怒した社美彌子は、権力でこの記者を潰そうとしますが、冠城亘がそれを諌めました。
社美彌子が私的に権力を使えば、それ自体がスキャンダルの材料になります。
明確に言及されていませんが、冠城亘は久しぶりに日下部彌彦が自身に接触してきたことから、これが公安調査庁や日下部彌彦らの罠であることに気づいたと考えられます。

社美彌子の弱点はこれまでもずっと娘のマリアでした
それをよく分かった上で、攻撃を仕掛けてきているのだと考えられます……
日下部によるスカウトと「契約職員」という身分
事件解決後、日下部彌彦は「公安調査庁の改革にはインパクトが必要」として冠城を誘い、冠城はこれを受けて警視庁を退職します。
身分は正規の職員ではなく契約職員。
かつて法務省を離れた冠城を日下部がまだ許していない表れとも、いつでも切れる身分で様子を見るためとも解釈できます。
冠城亘が公安調査庁に入った理由(考察)
作中で理由は語られていない
去り際の冠城亘は「中年が荒野を目指したっていい」と、最後まで本心を明かしませんでした。甲斐峯秋も「相変わらず煙に巻くのがうまい」と返すだけです。
甲斐峯秋によれば、社美彌子にとってもこの選択は寝耳に水だったといいます。
親子を守る行動は、season15の最初から一貫している
実は、冠城亘が社美彌子親子のために行動するのは、これが初めてではありません。
season15第1話「守護神」で、冠城亘はかつての上司・日下部彌彦から、社美彌子とヤロポロクの関係を探る密命を受けますが、これを果たしませんでした。

最終話の公安調査庁行きの物語は、そもそも日下部に背いたこの時から始まっています。
「悪魔の証明」では、相棒である杉下右京にまで食ってかかります。
有名な「想像が及ばないのならば…黙っていろ!」「右京さん、あなた何様だ」のセリフは、杉下右京が好奇心で社美彌子の身辺を調べているように見えてしまってのやり取りでした。

実際の右京さんは、冠城君の潔白を信じて、写真流出事件の真相を解明しようとしていました……

すれ違いだったんだよね
また、Season16「サクラ」では、社美彌子と娘を守るため、一時は敵方のスパイにもなりました。
かつての恩師にも相棒にも背いて、社美彌子と娘の生活を守ろうとしてきた節が、冠城亘には一貫してあるのです。
なぜそこまでするのか。手がかりは「意外とロマンチスト」
その理由は、作中では明かされていません。

手がかりがあるとすれば、「悪魔の証明」で冠城亘が自分自身について意味深に語った、「意外とロマンチスト」という言葉だと思っています。
純粋な気持ちで愛を育み、娘を授かった社美彌子が、「組織の意に沿わない」という理由だけで娘と引き離されてしまう。
冠城亘はそれを防ぎたかった、と考えると、日下部への背信も、杉下右京との応酬も、一本の線でつながります。
公安調査庁行きは、その延長線上にある
そう考えると、退職の理由も見えてきます。
公安調査庁には、社美彌子をマークしない理由がありません。彼女は公安調査庁の不要論者であるうえ、スパイ疑惑を追及されないまま、かつて公安調査庁の格下げを提案した鑓鞍兵衛と組んで、ライバル機関のトップに就いた人物だからです。
そして冠城亘は、記者一人の接触で社美彌子が大いに取り乱すところを目の当たりにしたばかりでした。
追及の手が今後も止まないなら、止める側に回るしかない。警視庁の外、それも敵陣の内側から親子を見守る選択は、season15から続く行動の最終形といえます。
青木年男を内調に推薦した理由
冠城亘は退職にあたり、「手元におけば役に立つ」として青木年男を社美彌子に推薦し、青木は内閣情報調査室に引き取られました。
この推薦には、事情があります。パパ活怪文書の件で、衣笠副総監は社美彌子に頭を下げており、ついに青木を見放したのです。
衣笠の庇護を失った青木は、警察官でいられるかどうかすら怪しい立場です。

Season16最終話では、ある重大な件を衣笠藤治にもみ消してもらっているからね!
しかも、青木が怪文書ばらまきという奇行に走った発端には、冠城亘自身が関わっています。
マリアとの約束を優先して青木との約束を2度断り、青木はそれを根に持っていたのです。

社美彌子を見守る目となってもらうと同時に、青木の新しい居場所づくりもしてあげたってことだね

ほんと人のために行動しまくってそれを表に出さない、かっこよすぎる相棒だったよね
冠城亘と社美彌子の関係
二人が男女関係にあると警視庁内では噂になっていた時期もあると作中では語られていますが、事実ではありません。

実はこの二人の設定をみると、学年でいうと同い年。
大卒後にキャリア官僚の道を選んだ優秀な若者同士、ちょっと通じるものがあったと思います。
season15「守護神」では、冠城亘は広報課の巡査として社美彌子の部下になっています。わずかな期間でしたが、社美彌子が特に用もなく食事に誘うなど、気を許している様子がうかがえました。
その後、冠城は日下部の密命に背き、社美彌子に事情を話して、自分を特命係へ異動させるよう願い出ることで距離を置くことを選んでいます。
一方でseason20では、マリアを真似て社美彌子を「ママン」と呼んだ冠城亘が、かつてないほどの怒りを買う場面もあります。

ブチ切れた社美彌子を見て、「この二人はもうないですよ」っていう公式からのメッセージを受け取ったよ……
一方、冠城亘は恋多きキャラです。冠城亘の恋愛については、こちらの記事で解説しています。
退職後の冠城亘
season23「怪物と聖剣」では、社美彌子の取った行動が「公安調査庁のある情報筋」から杉下右京に筒抜けになる場面がありました。
それを聞いた社美彌子は、すぐに相手を察知して「おしゃべりな男…」と呆れていました。

退職から数年経っても、冠城亘が社美彌子の周囲に目を配り続けていることがうかがえるね
また、Season24「信用できない語手」では、冠城亘の頼みを引き受けた公安調査庁の職員が、杉下右京に情報提供する場面もありました。
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