連続ドラマW ギバーテイカーを解説

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『ギバーテイカー』は、2023年にWOWOWの連続ドラマWで放送された、被害者遺族である刑事と、更生して社会生活を送る元少年のサスペンスドラマです。原作はアフタヌーンで連載された漫画「ライフ2 ギバーテイカー」(作者:すえのぶけいこ)となります。
本記事では、テレビドラマ版のストーリーや人物像、原作との違いを解説していきます。

原作漫画はこちらです。

ギバーテイカーの概要

放送期間・話数

・放送期間:2023年1月22日~2月19日

・話数:全5話

制作局・スタッフ

制作:WOWOW、テレパック(協力)

監督:鈴木浩介

脚本:小峯裕之

音楽:林ゆうき、奥野大樹

キャスト

中谷美紀

菊池風磨

池内博之

深川麻衣

馬場ふみか

袴田吉彦

遠山俊也

平山祐介

清水伸

七瀬公

斉藤由貴

吉沢悠
池田鉄洋

ほか

原作

漫画:『ライフ2 ギバーテイカー』(作者 すえのぶけいこ)

講談社の月刊誌「アフタヌーン」にて2016年から2018年にかけて連載。

同じく、すえのぶけいこ先生の作品である人気漫画『ライフ』とのつながりはありません。

2007年にドラマ化された、高校生のいじめを描いた少女漫画だね

累計発行部数1,000万部を突破しているんだ

ギバーテイカーのあらすじ

小学校教師の樹(いつき)は、6年生の貴志ルオト(きし・るおと)に、8歳の娘・穂乃花を殺害された過去をもつ。ルオトは「人を殺してみたかった」と語った。

12年後、教師を辞めて警察官となった樹は、神奈川県警の都筑中央警察署の刑事として、事件解決に奔走していた。

誰よりも犯罪を憎み、被害者の気持ちに寄り添える樹であるが、その想いが強すぎるがゆえに組織の方針とは異なる単独行動に走ることも多く、上司や同僚の評価は芳しくない。

そんなある日、樹は元夫の優一から、ルオトが医療少年院を退院したことを告げられる。

ルオトは24歳を迎えていた。

その後、樹のアパートの部屋の前に、風鈴と飴の包み紙が置かれる。包み紙には「あなたの大切なものをもう一度奪います」と、ルオトを匂わせるメッセージが書かれていた。

ギバーテイカーの魅力

被害者遺族の人生にスポットを当てた作品

本作の最大の魅力は、主人公が刑事である前に、一人の被害者遺族であるという設定です。

樹はルオトを許さず、事件の記憶を抱えたまま刑事の仕事に人生を捧げるという、つらい人生を選択しています。

一生懸命忘れようとするつらさとはまた違った、終わりのない迷路みたいつらさがあるんじゃないかな…

主人公のメンタルが強い

教師を辞めて警察官となり、犯罪を許さないことに人生を懸けた樹のメンタルは、まさに鋼です。

怒られても表情を崩さず飄々としており、納得のいかない指示があれば、相手がキャリア官僚であろうと食い下がります

以下、樹が怒られる主なシーンだよ

・他課の応援で入った捜査で、本部の指揮を仰がず被疑者を逮捕したことを刑事課長が注意する。

・これに対して樹は「謝ってきましょうか?」と返す。

つよい

・強盗殺人事件で、管理官の宇賀神(袴田吉彦)は、父を亡くしてショックを受けている少女から、すぐにでも犯人について聴取するよう命じる。

・しかし樹は、少女の気持ちを尊重してすぐに聴取は行わなかった。

・苛立った様子で再び聴取を命じる宇賀神だが、樹は毅然とした態度で断る。

・宇賀神がついにブチ切れるが、樹は宇賀神が床に捨てた書類を拾い、席に戻る。

あんなに皆の前で怒鳴られたら、トイレで泣いてしまうよ…

・強盗殺人事件の被疑者である金田が自殺。その直前に樹は金田と接触しており、取り逃がしていた。
・捜査会議の場で、宇賀神は怒りを抑えながら、被疑者死亡で送検するよう指示を出す。
・そこで樹が「自殺と断定するのは早い」「もう少し捜査をしたほうがいい」と異を唱える。

このときの宇賀神の「信じられない…」みたいな顔がちょっと気の毒だ

我慢の限界に達した宇賀神が「金田はお前が殺した」とかなり攻撃力の高い言葉を樹に放つんだけど、ここでも樹はぐっと堪えるんだ

貴志ルオトの目的

「ギバーテイカー」の最大の謎は、貴志ルオトの目的です。

穂乃花を殺害した理由について、ルオトは「人を殺してみたかった」と話しました。

ところが少年院を出た後は、なぜかその母である樹を狙い始めます。

また、大人になったルオトはより狡猾になっており、人に取り入って支配する術を身につけています。

ルオトが人の心を操る際に使う言葉が「GiverかTakerか」というものです。

「奪われてばかりの人間は、奪うことでしか幸せになれない」というルオトの言葉は、思うように生きられない若者たちを魅了する力があるようで、これにより金田を樹への脅迫に協力させ、聡美に養父を殺害させています。

ルオトの目的は、最終話で明かされるよ

ギバーテイカーの重要な登場人物

ストーリーの流れとともに、重要な人物を紹介していくよ!

倉澤樹(くらさわ・いつき)

倉澤樹/中谷美紀

神奈川県警察の都筑中央署刑事課に勤務する巡査部長です。

小学校教諭をしていた12年前、勤務先に在籍する6年生の貴志ルオトに、娘の穂乃花を殺害されるという悲惨な過去があります。

ルオトに娘を殺されたのは、地元の「たかひら風鈴祭」の会場だったんだよね

そうだね

娘と一緒に行く約束をしていたお祭だったんだけど、樹は残業で約束の時間に間に合わなかったんだ

それを、樹はずっと後悔してるんだよね

ルオトへの憎しみを忘れられない樹は、教師を辞めて警察官に転職します。

普段の口調や振る舞いは穏やかで淡々としている樹ですが、自分の意見は簡単に曲げません。

被害者のためなら、組織の命令に反してでも自分が正しいと思ったことをやり抜く強メンタルの持ち主です。

上司や同僚からは、あまりよく思われてないんだよね

職場の人たちは樹にけっこう冷たいんだよ…

また、作成する文章はきれいなようで、相棒の今井にさすが元教師だと褒められています。

樹が警察官になることに夫の優一は反対し、それがきっかけで離婚しています。婚姻中の旧姓は「小野塚」です。

小野塚穂乃花(おのづか・ほのか)

小野塚穂乃花/松岡夏輝

樹と優一の娘です。

隣の家に越してきた貴志ルオトに憧れを抱いていました。

ピアノ演奏が好きで、小学校の音楽室で「アマリリス」を弾き、ルオトに聴かせたこともあります。

しかし、「たかひら風鈴祭」の夜、母と行くはずだった祭会場で貴志ルオトに殺害されてしまいます

享年8歳でした。

貴志ルオト(きし・るおと)

貴志ルオト/菊池風磨(小学生時代:志水透哉)

小学6年生の時、「たかひら風鈴祭」の会場となっていた神社の境内で、穂乃花をナイフで刺して殺害します。

理由は「人を殺してみたかった」というもの。

当時ルオトを確保した刑事・篝(かがり)は、「あんな澄んだ目をした殺人鬼は見たことがない」「まるでモンスター」と話しています。

その後、ルオトは医療少年院に送致され、専門家による特別な更生プログラムを受けました。現在は、津山が経営するパン屋「幸せの穂」で住み込みで働いています。

なぜか樹に執着しており、狡猾な手段で追い詰めようとします。

「ルオトは更生した」とみんな口を揃えるんだけど、ルオトの場合はそうではなかったんだね

今井要(いまい・かなめ)

今井要/池内博之

樹のバディで、階級は警部補です。

生真面目な性格で、同僚から煙たがられています。

名目上は樹の目付け役なんだけど、実は厄介者同士でコンビを組まされているだけという…

常に物事を冷静に分析し、樹に対しても足りない点を論理的に指摘しています。

始末書(反省文)の使いまわしを樹に指摘した時、樹は「同じことを思っただけ」と受け流そうとするんだけど今井は冷静に「それなら反省を次に活かせていないという別の問題が生じることになる」とツッコむんだ

樹の熱意は評価しているようで、管内でコンビニ強盗殺人事件が発生した際には、被害者の娘・弥生(桜田ひより)の聴取に樹を推薦しました。

樹に対する口癖は「あなたは刑事に向いていない」です。

有坂弥生(ありさか・やよい)

有坂弥生/桜田ひより

父を強盗犯に殺害された、17歳の少女です。

コンビニを経営する父の手伝いをしていたとき、店で万引き犯を見つけ、父に知らせました。

しかし、犯人を追いかけた父は命を奪われてしまいます。

事後強盗というやつだね

通常の強盗は、暴行や脅迫に乗じて財物を奪う行為を指しますが、逆に財物を奪い、逃げるために人に暴行等を加える「事後強盗」も強盗罪となります。

父が殺害される原因を作ったのは自分であると、弥生は自分を責め心を閉ざしていました。

その気持ちを誰よりも理解できる樹が励ましたことで、弥生は少しずつ心を開きはじめ、犯人の似顔絵作成に協力します。

これにより、犯人は金田佑であることが明らかになります。

最終話では、元気な近況を綴った手紙と青森りんごを樹に送っているよ

金田佑(かねだ・ゆう)

金田佑/櫻井健人

年齢は21歳で、少年時代に窃盗罪と傷害罪で逮捕されたことがあります。

コンビニで万引きをし、追ってきた弥生の父を殺害しました。

強盗事件の少し前に、知人を介してルオトと知り合い、その影響で「テイカー」を目指すようになります。

脅迫文と風鈴を樹の部屋の前に置いたのは、ルオトの指示を受けた金田なんだ

コンビニから商品を奪って、さらに追ってきた店長の命まで奪ったのも、ルオトの教えの影響なんだろうね

警察に追われた金田はルオトを頼りますが、ルオトにより、自殺に見せかけて殺害されてしまいます。

遺体の側には「Giver or Taker?」という落書きがあり、樹だけがルオトの犯行だと心証を得ることのできるものとなっていました。

椿理子(つばき・りこ)

椿理子/深川麻衣

樹の同期で、同じ警察署の生活安全課に配属されている警察官です。

樹の親友という設定で、一緒に飲みに行って昔話をするような場面もあります。

しかし、ルオトに関しては「刑事なら少年の更生を信じるべき」「更生を信じたほうが樹が楽だ」など、樹の考えを否定する発言が目立ちます。

樹は娘を奪われたことを知ってるのになんで…?

少年警察の理念とか、これまでの樹との付き合いもあっての発言なんだろうけどね

それを踏まえても、子どもを理不尽に奪われた母親に対する言葉としてはデリカシーが足りないような…

このあとも理子は、樹を無自覚に傷つけます。

ある日、樹のアパートの部屋の前に、風鈴と「あなたの大切なものをもう一度奪います」と書かれた飴の包み紙が置かれます。

樹は理子に、鑑識に頼んで指紋や筆跡を調べてもらえないかと相談します。

樹は鑑識さんに嫌われてるのかな……?

樹がしつこいため渋々引き受ける理子ですが、最初は、樹がルオトを犯人だと決めつけていると考え、「樹は刑事になっていろんな人から恨みを買っているから、その嫌がらせではないか」と断ろうとします。

嫌がらせなら仕方ないみたいなその発想は何なの…

これ脅迫罪だからね…

自宅が割れてるんだから、もっと心配してあげてほしい

理子の塩対応は、この件にとどまりません。

亡くなった金田佑の遺留品である写真の裏面に、「よくできました」と書かれた桜型のスタンプが押されていることが判明します。よくあるデザインですが、それは樹が教師だった時、ルオトの手の甲に押したことのあるものと同じでした。

金田が元非行少年であることから、樹は理子に、ルオトとの接点を調べてほしいと頼みます。

しかし理子は、「少年係としてルオトの更生を信じなければならない立場にある」という、わかるようでよくわからない理由を使い、樹の頼みを断ります。

これもう樹のこと嫌いでしょ……

この後、ギバーテイカー最大のホラーシーンがやってきます。

金田はお前が殺した」と管理官に言われ、休暇を取った樹。

実際はルオトの母に会いに行っていたのですが、刑事課員は「さすがに金田の件で心が折れたのではないか」と話しています。

それを立ち聞きした理子は、何やら思案顔に…。

嫌な予感しかしないんだけど

ルオトについて調べるために保護司から話を聞いた後、身分を明かさずルオトを見に行くんだ

なんだ、自分の目でルオトという人物を確認しに行ったんだね

ルオトに新作パンを勧められ、ルオトの顔をまじまじと見つめてしまう理子。

観察眼に優れたルオトは、すでに理子の正体に察しがついているようですが、理子は爽やかな笑顔にすっかり騙されてしまいます。

そして、ルオトが考案した新作パンを、樹との仲直りの手土産にもっていくのです

え待って!

子どもを殺された親に、犯人が作ったパンを!?

「このパン、見てください」(にっこり)は怖いわ

メンタルの強さに定評のある樹がドン引きしてるからね

理子はサイコパスなの?

樹の手のひらに、笑顔でルオトのパンを乗せる理子。

理子は純粋な眼差しで、ルオトがこのパンを創作するに至った経緯を活き活きと語ります。

こわばった表情で、おそるおそる手の中のパンを見つめる樹。

しかし唐突にそのパンの名前が「アマリリス」だと告げられ、樹は悲鳴を上げてパンを落としてしまいます。

間違いなくこのドラマの一番のホラーシーンです。

アマリリスは、樹の娘がルオトにピアノで聴かせていた曲だね

理子は事情を知らないんだろうけど、これはあまりに樹がかわいそうだ…

知っていても「娘さんを殺害したことを忘れていないって証拠ですね!」(にっこり)ってなりそう…

理子なら言いそう

そして、ついに樹と理子の関係が壊れてしまいます。

死亡した金田佑について、ルオトとの関係を正式に捜査を開始できるようになった樹と今井ですが、刑事課長から、ルオトへの接触を禁じられます。

そこで、理子が2人の代わりにルオトを訪問し、金田との関係を聴取します。

しかし、理子はルオトの話を鵜呑みにするばかりで役に立たず、さらには「穂乃花を殺害した現場に花を沿えたいから同行してほしい」というルオトからの不自然な依頼に疑いを持たず従います

その後ルオトは、まるで理子を人質にとったかのようなビデオ通話を樹に見せて樹をおびき出すんだ

駆けつけた樹は、ルオトが理子が崖から海に突き落としたと勘違いして誤認逮捕してしまうんだよね

冷静でなかった樹が悪いんだけどさ、親友をルオト奪われたくないって気持ちでやってしまったことなんだから、せめて理子だけは理解してほしい…

無理やろなあ…(絶望)

ルオトの誤認逮捕に対する警察内の事情聴取にて、理子は「樹の話はすべて虚構」と断言します。

樹へのケアはないの?

理子から樹に、心療内科のおすすめリストを作って渡してあげてたよ

……(絶句)

樹はこの誤認逮捕により、巡査に降格します。

津山善行(つやま・よしゆき)

津山善行/吉田ウーロン太

ルオトが働くパン屋「幸せの穂」の店主です。

ルオトの過去を知った上で「小林一真(こばやし・かずま)」という偽名で働くことを受け入れた理解ある大人…と思いきや、裏ではルオトと同じような境遇の聡美を養女として受け入れ、精神的に支配し、性的虐待を続けていました

しかし、ルオトと聡美により殺害され、二人により山に埋められます。

ここだけはルオトをちょっと応援したくなっちゃうね

でも残念ながら、ルオトは聡美を救ったわけじゃなくて、聡美の新たな支配者になっただけなんだ……

津山聡美(つやま・さとみ)

津山聡美/馬場ふみか

パン屋「幸せの穂」で働く、津山の養女。

ルオトの「奪わなければ幸せになれない」という言葉に感化され、ある晩、聡美はルオトと共に津山を殺害し、二人で遺体を山に埋めます。

そこからはルオトに心酔し、ルオトの役に立ちたい一心で、樹を追い詰める行為に加担していました。

最初はアリバイ証言や犯行の偽装といったものでしたが、ついに樹のバディである今井を刺してしまいます。

最後はルオトに裏切られて絶望し、自宅に火を放って死のうとしますが、樹が阻止しました。

ずっと周りから奪われ続けた、救われない被害者だったね

彼女がルオトの正体を警察に証言したから、ルオトの指名手配と樹の名誉回復ができたんだ

篝伸哉(かがり・しんや)

篝伸哉/平山祐介

12年前、貴志ルオトを確保した元捜査一課のエースです。現在は警察を辞めてバーを経営しています。

樹とは親交があり、組織の協力を得られない樹の状況を察して、ルオトの身辺調査を引き受けました。

それにより、ルオトと金田佑に接点があったことルオトが働くパン屋の店主が行方不明であることを突き止め、樹に知らせています。

しかし、樹に何かを相談しようとした夜、樹が到着する前に背後からルオトにけん銃で撃たれて死亡します。

亡くなる直前、篝がルオトの妹について調べていたことが判明し、樹がルオトの秘密を知るきっかけとなりました

貴志茉莉絵(きし・まりえ)

貴志茉莉絵/斉藤由貴

貴志ルオトの母親です。

裕福な男性の愛人として生活しているようで、ルオトはその男性との子どもになります。

現在もルオトの父から援助を受け、愛犬のリリとともに不自由のない生活を送っていますが、事件のショックから心を病み、当時の記憶も失ってしまいました

樹のことも、ルオトが殺害した穂乃花のことも、自分に子どもがいたことさえも忘れているよ

茉莉絵には、ルオトの6歳下になる娘・リリがいました。

記録によると、リリはルオトが10歳のときに事故死しています。

しかし実際には、ルオトによって自宅のベランダから転落死させられていました。

樹たちの隣の家に越してきたのは、妹が亡くなってから2年ほど後だったことになるね

事故として処理されましたが、茉莉絵の言動からは、彼女が真実に気づいていたことがわかります。

茉莉絵もまた、ルオトに娘を奪われた母親の一人だったのか

でもルオトを歪ませたのは、どうやら茉莉絵のようなんだ

茉莉絵は女の子を望んでいたため、妹のリリが生まれるまでは、幼いルオトに女の子の格好をさせて「リリ」と呼んで育てていました。

しかし妹が生まれると、茉莉絵の関心はすべてリリに向けられるようになったといいます。

これは歪む……

ルオトによれば、妹に憎しみなどの感情は抱いておらず、衝動的に殺害しただけだといいます。

しかしその衝動が、「母から妹を奪ったらどうなるのか」という興味から生まれた可能性は否定できません。

そして妹が亡くなった時に「きれいな音がした」という体験が、ルオトにとって忘れがたい記憶となりました。

これが、穂乃花への殺人衝動につながったのです。

樹に執着した理由について、ルオトによれば「樹の泣き叫ぶ声が聞きたかった」とのこと

でもそれは「人を殺してみたかった」と変わらない、表面的なものなんだろうね

母親の愛情に飢えていたことが原因じゃないか、というのが樹の見立てだよ

あれだけ「よくできましたスタンプ」に固執してるんだから、樹がスタンプで褒めてくれたことが、悪事を誤魔化しきれた安堵感も重なったこととはいえ、よっぽど嬉しかったんだろうね

小野塚優一(おのづか・ゆういち)

小野塚優一/吉沢悠

樹の元夫であり、穂乃花の父です。

現在は再婚しており、子どもと3人で暮らしています。

樹が警察官になることに反対し、そのことがきっかけで離婚しました。

反対した理由は、樹に自分の人生を失ってほしくないという思いがあったためです。

しかし、樹の決意が変わることはありませんでした。

原作での樹は妹を殺害される設定となっているため、優一はドラマオリジナルの登場人物になるよ

優一もまた、ルオトのターゲットの一人でしたが、事件は解決し、実害はありませんでした。

タイトル「ギバーテイカー」の意味

ギバーテイカー」は、ルオトが操れそうな人間を取り込む際に使う理屈です。

人間を「Giver(与える側)」と「Taker(奪う側)」に分け、社会の中では「奪われてばかりの人間」が存在し、そのような人間は「奪う側」にならなければ幸せになれないと語ります。

これにより、金田や聡美を心酔させ、2人に思い通りの犯罪を行わせました

ルオト自身も奪うことに執着しており、自分の母と小学校の教師からそれぞれ娘を奪い、その人生を狂わせました。

これまでさまざまなものを奪ってきたルオトですが、一方的に奪う側では、なかなかルオトが望む幸せを得ることは難しいようです。

しかし、誰にも与えてもらったことがないものを人に与える方法がわかりません。

そのため最後にルオトは、教え子として樹に「どうすればよかったのか」と問いかけたのではないでしょうか。

原作漫画との違い

ギバーテイカーの原作は「ライフ2 ギバーテイカー」という漫画です。

『アフタヌーン』にて2016年から2018年にかけて連載されました。

作者はすえのぶけいこ先生。

累計発行部数1,000万部を突破した「ライフ」という大ヒット少女漫画の作者です。

本作は「ライフ2」を冠しているものの、ストーリーに直接の関係はありません。

ライフは女子高生のイジメを描いた作品で、2007年に北乃きいさん主演でドラマ化もされたよ

ギバーテイカーの絵柄は、人物はかわいらしく、少女漫画のように線が美しいため読みやすい作風です。

一方で、戦闘シーンや主人公が感情をあらわにする場面では、線も太くなり、躍動感のある青年誌らしい描写も見られます。

以下では、ドラマ版と原作漫画の主な違いを紹介します。

被害者が違う

ドラマ版では、ルオトに殺害されたのは樹の娘ですが、原作では妹です。

主人公の年齢が違う

妹が殺害されたときの樹は、高校生くらいです。

そのため、ルオトとの年齢も近い設定となっています。

ルオトは6年で医療少年院を退院し、その時の樹は23歳の刑事になります。

主人公は元教師ではない

原作の樹は教師をしておらず、卒業後にそのまま警察官となっています。

主人公の評価が違う

ドラマ版の樹は、組織の指揮にしたがわないため周囲から厄介者扱いされています。

原作では、手段を選ばないものの結果は出す優秀な刑事として描かれており「組織からの評価は高い」という点においてドラマ版と異なっています。

武闘派、大食い、酒好き、汚部屋、アウトローな捜査も可という粗っぽい人物であり、優秀であるがゆえに周囲から妬まれているという設定です。

そんな「シゴデキ主人公」が、ルオトによって失態を演じ、居場所を失っていくストーリーとなっています。

「アンフェア」の雪平夏見というとイメージしやすいかも

主人公への仕打ちがひどい

ドラマ版でも「今のご時世でそれはまずいのでは」というシーンが何度かあったね

でも原作を読んだらドラマ版はマシかも…と思えてしまう

原作では、まずほとんどの男性警察官が、女性警察官蔑視の価値観を持っています。

また、ルオトを誤認逮捕した樹に対しては、私物をゴミ箱に捨てる陰湿ないじめが行われ、それを受けて主人公が課内の床に膝をついて謝るという、目を覆いたくなるようなシーンも描かれています。

フィクションとはいえ怖すぎる…

原作者さんは「ライフ」という女子高生のいじめ漫画を大ヒットさせた方だから、ファンサービスというと語弊があるけれど、この作者さんならではの描き方で主人公の強さを見せてくれたんだろうね

原作の椿理子は本当の親友

逆に原作のほうがマイルドなのは、同期の椿理子です。

原作では樹より年上で、樹のよき理解者という真の親友ポジションとなります。

樹がアマリリスを落とすシーンはドラマオリジナルだね

ルオトの策略により、理子が心療内科を案内する流れは原作どおりですが、原作の理子に非はありません。

規格外なルオトの射撃術

ドラマ版では、元刑事の篝をけん銃で射殺したルオト。

直接の犯行シーンはないものの、遺体の状況から背中を一発撃ったようです。

これ難しそうだなって思ったんだけど、原作を読んだらどうでもよくなるよ

原作のルオトは、篝の正面でリボルバー式の拳銃を瞬時に取り出し、片手撃ちで心臓と眉間に2発撃ち込んでいます。

その後、駆けつけた外国人SP風の男2名も、残りの弾で仕留めます(ここは両手撃ち)。

強すぎんだろ…

ファブルかな?

ちなみに篝は、ルオトよりも早く自動式拳銃を手にしていたにもかかわらず、まだ銃を手にしていないルオトに撃ち負けています。

最終決戦はマシンガンVS木刀

ドラマ版のルオトは、けん銃一丁を持って小学校に立てこもり、同じくけん銃一丁を持った倉澤樹と対峙します。

これに対し、原作でルオトが最終決戦に選んだ武器は、片手で連射できるサブマシンガンです。

同窓会が行われている学校の体育館に現れ、ステージから銃を乱射します。

ルオトの腕前が超一級なので、最初に一発だけ撃たれた校長は、弾が左肩から胴体を抜けて右腕に抜けている

貫通弾かな?

そのような状況で、樹は防弾衣もけん銃もなく、木刀を携え校舎乗り込みます

ヤンキーかな?

原作めちゃくちゃおもしろそうやん……

ギバーテイカーを観るなら

本記事では「ギバーテイカー」について、ストーリーや登場人物、原作との違いなどを解説しました。

ギバーテイカーはWOWOWオンデマンドやAmazonプライムビデオで配信されています。

サブスクで観るなら