日野警部補は、相棒のSeason5「バベルの塔」とSeason13「ストレイシープ」の、いずれも元旦スペシャルである2話のみに登場します。
登場時間は短くセリフもほとんどありません。特に「ストレイシープ」に至っては一言も発していません。
それでも、一度観たらなぜか忘れられない。
日野警部補については、そう感じている人が多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな日野警部補について解説していきます。
日野警部補とは
キャスト
寺島進
登場回
・放送日 2007年1月1日
・脚本 古沢良太
・監督 和泉聖治
・放送日 2015年1月1日
・脚本 真野勝成
・監督 和泉聖治
日野警部補の人物像
警視庁一のスナイパー
日野警部補は、相棒の作中で「警視庁一のスナイパー」と称される警察官です。
ファーストネームは分かっていません。
これまでに登場した回の事件は、一つは衆議院議員が開催するパーティでの人質立てこもり事件、もう一つは「犯罪の神」と呼ばれる飛城雄一による、杉下右京監禁事件であり、いずれもかなり緊迫した状況でした。
こうした状況で「狙撃班」の臨場が要請され、日野警部補が登場しました。
警視庁内では有名人?
「ストレイシープ」では捜査一課の芹沢慶二が、遠目に日野警部補を見つけた際、まるで有名人を見かけたかのような様子で、思わず視線を送っています。
この様子から、一般の警察官にとっての日野警部補とは、滅多にお目にかかれない、有名人なようです。
日野警部補の所属
日野警部補は、警視庁内の狙撃班の一員と考えられますが、それがどの部に所属している班なのかは明かされていません。

「ストレイシープ」では警備部のSATとともに現場に入っています
なお、大河内春樹や伊丹憲一、芹沢慶二といった相棒の登場人物たちは、いずれも彼を所属ではなく「日野警部補」と個人名で呼んでいます。
なかでも大河内については、狙撃犯の臨場を要請する際、日野警部補を指名しています。
このことから考えると、日野警部補の場合、所属はあまり関係なく、事件によっては指名で駆り出すことができる存在なのかもしれません。
日野警部補の魅力
見た目が渋い
日野警部補の第一印象は、とにかく強烈です。
「バベルの塔」で初登場した際、サングラスに黒の革コート、指ぬきのグローブという出で立ちで、狙撃用の銃が収められたケースと手提げを、部下らしき警察官に持たせて現れます。

「ストレイシープ」ではケースを一個持って、一人で歩いてるね

銃を固定する銃架を持ってきてないんだと推測
最初から木に登って撃つ気満々だったんじゃないかな
プロフェッショナルな振る舞い
「バベルの塔」では、日野警部補はホテルから1キロメートルは離れているように見える観覧車のゴンドラに乗り込みます。
狙撃に適した高度を見極めゴンドラを停止させると、手早く台を設置し、ライフル銃を組み立てて射撃準備に入ります。
足場は揺れ、しかも夜間。
風の影響も相当ありそうな状況です。
そんななか、待機中の日野警部補はタバコを取り出し、火をつけます。
そして、その先端をゴンドラの外に出し、風向きの変化を確認しています。

かっこいい!
さらに、指先に息を吹きかけて温める仕草もします。
日野警部補が着けているのは、黒革の指ぬきグローブ。

引き金に直接触れ、微妙な感覚を狂わせないための装備だとすると、動き一つひとつにも意味があるよね!

作りこまれてるね!
指で風向きを確認したうえで、今度は杉下右京が拘束されているウッドデッキが見える、桜のような木に登って狙撃位置を取ります。
銃架は使えず、足場も不安定。
それでも、数百メートル離れた位置から、飛城が杉下右京に向けた拳銃を正確に撃ち落とします。
組織からの信頼がすごい
おそらく日野警部補は、その狙撃の腕一本で、組織からかなり重宝されている存在なのでしょう。
まず「バベルの塔」では、現場指揮をとることになった大河内監察官(当時は臨時管理官)が、狙撃手として日野警部補を指名しています。

自分の出世がかかった重要な事件に、個人名で招集をかけたんだよね

「できれば日野警部補を」って言ってたね!

もし日野警部補が行けなくて、代わりに行くことになった狙撃手がいたら、がっかりされそうでかわいそう…
また、日野警部補は、自分の目で現場を確認し、自ら狙撃位置を決める裁量権があるように見えます。
とくに「ストレイシープ」では、他の狙撃手に混ざることなく、単独で現場を回りながら狙撃ポイントを探していました。

適正距離が規格外だし、地理や天候を読む力も高いから、上が配置を決めないほうがパフォーマンスが高いんんだろうね

足場が悪くて普通の狙撃手なら選ばない場所でも、日野警部補なら選択肢にはいっちゃうもんな
悪条件でも結果を出す
日野警部補は、「バベルの塔」では観覧車のゴンドラから、「ストレイシープ」では木に登った状態で狙撃を成功させています。
ゴンドラでの狙撃は夜間で、しかも強風。距離も1キロ以上離れているように見え、条件としてはかなり厳しいものでした。
いっぽう、木の上からの狙撃は晴れた昼間で距離は数百メートルほどに見えますが、木の上では銃架を設置できません。そのため銃を身体で支える、いわゆる「無依託射撃」でした。

猟師さんみたいな「立射」というやつだね

呼吸や筋肉の動きといった身体の微かな揺れが銃に伝わるから、めちゃくちゃ難しいらしい
そうした悪条件のなかで、ゴンドラからは、ホテルの屋上で拳銃自殺を図ろうとする女性の右手前腕を撃ち、木の上からは、犯人が杉下右京に向けていた拳銃を弾き飛ばします。
さらに間を置かず、犯人のそばで控えていた狙撃手のライフルまで連続して撃ち落としました。
日野警部補が印象に残る理由
日野警部補は、登場シーン自体は決して多くありません。
それでも、一度観たらなぜか忘れられないのは、一体なぜでしょうか。
いずれも人を「助けている」
「バベルの塔」では、娘を亡くしたと思い込んだ辰巳楓(大塚寧々)が、ホテルの屋上で拳銃自殺を図ります。
実際には娘は生きていましたが、その事実がホテル内の捜査本部に伝わる前に、楓は一人で屋上へ向かってしまいました。

そのまま引き金が引かれていれば、これ以上ない悲劇だったね…
しかし日野警部補が、楓の腕を撃ったことで事態は止まりました。
その一発によって、楓は一命を取り留め、後に無事、娘と再会しています。

カッコいい…
「ストレイシープ」では、杉下右京が山荘のウッドデッキに置かれた椅子に縛りつけられ、犯人の新井(平岳大)と対峙します。
犯人のそばには仲間の狙撃手が控えており、警察は容易に近づけない状況でした。
そのなかで、杉下右京の言葉に苛立った犯人は、取り出した拳銃の銃口を杉下右京に向けます。

杉下右京がわざと犯人を煽ったんだよね
犯人の目的は、杉下右京への復讐代行です。
最後は自ら拳銃で命を絶ち、杉下右京に「犯人を死なせた」という後悔を背負わせることにありました。
そこで杉下右京は、あえて自分に銃を向けさせます。

どこかでこの様子を見ているはずの日野警部補に、楓のときと同じように止めてもらうためだったんだよね
狙いどおり、日野警部補は犯人の拳銃と、そばに控えていた狙撃手のライフルを立て続けに撃ち落としました。
それを合図に、周囲を取り囲んでいた警視庁の面々が一気に制圧へと動きます。

どちらも、誰も殺さずに人を助けているんだよね
日野警部補が撃った弾は、どちらの事件でも誰かの死を止めるためのものでした。
出番は短くセリフもほとんどないのに、それでも強く印象に残るのは、大事な場面で人を救うという結果だけを残して去っていくからではないでしょうか。
寺島進さんの人気

もうね、当時の警察ドラマのファンで、寺島進さんが好きじゃない人なんかいなかったんだよ
日野警部補が強く印象に残る理由として、演じている寺島進さんの影響力も大きいでしょう。
初登場となった、2007年正月放送の「バベルの塔」当時。
この時期の寺島進さんは、警察ドラマファンにとって非常に“熱い”存在でした。
2005年には「富豪刑事」で、刑事の布引幸四郎。
同じく2005年には「踊る大捜査線」のスピンオフ作品、「逃亡者 木島丈一郎」で木島丈一郎。
2006年には「アンフェア」で管理官の山路哲夫を演じています。
現場の刑事から管理官クラスまで、幅広い立場の刑事を演じながら、いずれも強い印象を残してきました。

当時テレビで刑事ドラマをよく観ていた方には、きっと伝わると思います
寺島進さんが出演する刑事ドラマはおもしろかったし、寺島進さんが演じる刑事はおもしろかった!
顔は怖いが、人情味がある。
そんなイメージが作品を超えて定着し、登場するだけでワクワクさせる存在になっていたのです。
相棒に日野警部補として登場したのも、まさにその流れの中でした。
革のコートを着て、颯爽と歩く姿。
「バベルの塔」で、なぜ初登場にもかかわらず、ここまで完成された雰囲気なのかと不思議に思った人もいるかもしれません。それは当時の視聴者に向けた、ある種のファンサービスに近い演出だったのではないでしょうか。
そう考えると、あの登場の仕方にも納得がいきます。
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