社美彌子のヤロポロク問題とは何だったのか?二人の関係と解決までの展開、今後再燃する可能性を解説

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ドラマ『相棒』に登場する社美彌子のヤロポロク問題は、かつては彼女の警察人生を終わりにしかねない問題でしたが、昨今は落ち着きを見せていると言えるでしょう。本記事では、ヤロポロク問題とはそもそも何だったのか、社美彌子はどうやってそれを乗り越えたのか、今後再燃する可能性の有無を解説するとともに、社美彌子は本当に国を裏切っていないのかについて考察します。

この記事では、下記の回の重要な内容を含みます

・S13-1:ファントム・アサシン

・S15-最終回:悪魔の証明

・S16-10:サクラ

・S16-13、14:いわんや悪人をや

そもそもヤロポロク問題とは何か

ヤロポロク問題とは、警察官僚である社美彌子(仲間由紀恵)が、相棒の世界に登場するロシアのスパイ、ヤロポロク・アレンスキー(ユーリー・B・ブラーフ)という初老の男性と恋愛関係にあり、しかも子どもまで授かっていたというスキャンダラスな事実や、それに起因するさまざまな問題を指します。

ヤロポロク・アレンスキーとは

ヤロポロク・アレンスキーとは、表向きは「ロシアンタイム誌」の東京支局長を務める男。

その正体は対日工作員、つまりスパイです。

政治家や大学教授、会社員などに近づき、金を渡して日本の情報を買っていました。

そんなヤロポロクは社美彌子は恋人関係にあり、二人の間に娘マリアを授かっています。

ヤロポロクと社美彌子の交際期間

二人の詳細な出会いは語られていませんが、マリアの年齢から、少なくとも2008年から2009年ころには深い関係にあったと考えられます。

また、初登場回の「ファントム・アサシン」では、ヤロポロクに情報を売っていた政治家の下山が、2013年の春にプーケットのリゾートホテルで仲睦まじく過ごす二人の姿を目撃しています。

そしてヤロポロクは、2014年5月にアメリカに亡命します。この時に行った社美彌子への電話が、二人の最後の連絡となりました。

以上から、ヤロポロクと社美彌子の関係は、短くとも約5~6年は続いていたと考えられます。

ちなみに作中で明かされる、ヤロポロクが日本に入国していた記録は、以下のとおりです。

・2007年5月~11月

・2008年1月~2009年12月

・2010年7月~2011年10月

・2012年2月~2014年5月

2007年~2014年の間の社美彌子の所属は警察庁長官官房国際課(~2009年)と内閣情報調査室総務部門(2009年~)になるよ

年齢は33歳~40歳くらいだね

ちなみに社美彌子の設定年齢は、演じる仲間由紀恵さんの実年齢より5歳上になるよ

ヤロポロク問題の経緯

ヤロポロクが米国へ亡命

本国にいるヤロポロクの上司が汚職で捕まり、ヤロポロクもまた、その責任の一端を追及されることになります。

汚職の罪については濡れ衣のようですが、それを主張しても処罰は免れられない状況にあるようです。

そこで彼は、2014年5月、本国からの帰国命令を無視し、都内のアメリカ大使館に逃げ込み米国へ亡命しました。

亡命する直前、ヤロポロクは社美彌子に電話で愛の言葉を伝えるとともに、落ち着いたら必ず連絡することを約束しました。

天野是清が下山議員を殺害

ヤロポロク問題は、season13で社美彌子の上司がヤロポロクに情報を売っていた7人の「売国奴」を殺害しはじめた事件からはじまったんだ

ヤロポロクが亡命した翌月の2014年6月から、一人ずつ殺害が始まります。

下山議員が、社美彌子とヤロポロクを前年の春にプーケットで見たとし、二人の関係を尋ねます。その場面を、当時の社美彌子の上司である内閣情報調査室室長の天野是清(羽場裕一)は見てしまいます。

下山はヤロポロクに国を売った7人のうちの一人。

すでに3人を、自らの手は汚さず殺害していた天野にとって、下山もまた計画的に殺害する予定の人物でした。

しかし、社美彌子の将来のため下山をすぐに殺害する必要が生じたことから、天野は下山に自ら手を下します。

このときの無計画な犯行を機に、天野のすべての罪が特命係(杉下右京と甲斐享)により暴かれます。

しかし4人の被害者のうち、なぜ下山だけを無計画に殺害したのか、天野はその理由を社美彌子のために答えませんでした。

これにより、社美彌子とヤロポロクの秘密はいったんは守られることとなります。

日下部彌彦や公安調査庁が動き始める

次の敵は、法務省事務次官の日下部彌彦。冠城亘の元上司にあたるよ

season15では、法務省事務次官である日下部彌彦(榎木孝明)が警視庁よりもいち早く社美彌子の娘の存在と、その父がヤロポロクかもしれないという情報を入手します。

これにより日下部は、公安調査庁の坊谷一樹(蔵原健)、そして警視庁でちょうど社美彌子の部下となり親しくしている冠城亘に、それぞれ社美彌子の身辺調査を依頼します。

社美彌子は法務省の外局である公安調査庁の不要論者。日下部彌彦にとっては敵のような存在でした。また、警察官僚のなかでも日本の情報機関である内閣情報調査室に勤務していた人物がスパイと通じていたなど許されるはずがなく、然るべき罰を受けるべき、というのが日下部の考えです。さらには警察が正しく彼女を裁くとも思えないため(日下部が警察の自浄機能を信頼していないため)、公安調査庁を動かし、法務省から調査を進めることにしたのです。

ところが、この調査のなかで坊谷一樹は何者かに殺害されて死亡します。

また、冠城亘は特命係に異動することで社美彌子と距離を置き、ヤロポロクに関する調査を果たしませんでした。

社美彌子と甲斐峯秋の一世一代の大嘘

天野の犠牲で守られ、日下部彌彦の調査もとりあえず中断している状態の社美彌子。

しかし、ヤロポロクとの間に娘がいる事実を組織にいつまでも隠し通せるはずがありません。

season15の最終話「悪魔の証明」で、社美彌子の私物のPCが何者かにハッキングされます。

犯人は「のぞき」が好きなあの男

社美彌子はこのハッキングを利用し、娘の存在を公にすることを思いつきます。

やがて、社美彌子の娘の写真が週刊フォトスに掲載されました。警視庁上層部は、娘の容姿から、外国人であろう父親の詮索を始め、社美彌子の経歴からヤロポロクの存在にたどり着きます。

ヤロポロクとの関係を詰められた社美彌子は、「ヤロポロクに乱暴された」「騒げば内調がヤロポロクと構築した関係を失うため被害届をださなかった」「子に罪はないから出産した」と、衣笠副総監をはじめとする警視庁上層部に嘘の被害を告白します。

そしてこの話に、警察庁の元ナンバー2である甲斐峯秋(石坂浩二)を当時の被害の証人として協力させることで、彼らを黙らせました。

このことで社美彌子は甲斐峯秋に絶大な恩義を感じており、今でも公私ともに親しくしているよ

そうだね

season22で、甲斐峯秋の事実上の義娘(甲斐享の婚約者)を社美彌子が超法規的措置で救った際、「これで貸し借りなし」とお互いに確認しあっているから、今後はもう無茶をしてまで助ける義理はないのかもしれないけれど…

社美彌子とヤロポロクの関係

二人の関係について、どちらかが一方を利用していたのか、ちゃんと愛情でつながっていたのかも気になるよ

そうだね

season16では、内閣審議官が理想の国防体制を築くため、公安調査庁を使って政治家や官僚のパソコンをハッキングして脅す事件が発生するよ

この事件において、警視庁の広報課長であった社美彌子は、公安調査庁のもとから逃げ出した少年ハッカーについて、報道で少年が素行不良者であるとの印象操作を行うよう脅迫されます。

脅迫のネタは、マリアの出世の秘密です。

社美彌子が未婚の母であることはフォトスの記事により周知の事実となりましたが、警視庁上層部を黙らせた虚偽の内容は、ほとんど知られていません。

この内容が公になれば、マリアが傷つくこととなります。

自分とマリアを守るための嘘が、自分たちへの攻撃材料として跳ね返ってきたんだね…

やがて、社美彌子が外国人スパイと通じていたことがスポーツ紙などで報じられます。

「次は娘の出生の秘密を本当にばらすぞ」と言わんばかりの脅しです。

しかし社美彌子は、報道内容を改変することに応じません。覚悟を決めてマリアを抱きしめ「パパとママに愛されて生まれてきたことを信じてほしい」と涙を浮かべて伝えます。

社美彌子がヤロポロクへの愛情をはっきりと言葉にした貴重な場面となりました。

ちなみに社美彌子は特命係に、警視庁上層部に話した内容をそのまま聞かせますが、杉下右京はすぐにそれが社美彌子がマリアのそばにいたいがための嘘であると見抜きます。

その後、特命係が事件を解決し、マリアの出生の秘密は記事になりませんでした。

社美彌子からヤロポロクへの愛情は本物だったんだね…

じゃあヤロポロクはどうなんだろう?

ヤロポロクとの関係の結末

亡命後のヤロポロクから手紙が届く

ヤロポロクを名乗る人物から、直筆の手紙が合計2通、社美彌子宛てに届くよ

手紙は警視庁の社美彌子宛ての国内郵便なんだ

アメリカに亡命したはずのヤロポロクは送ることができないはず…

ヤロポロクが亡命したのは2014年5月。

これに対し、手紙が届いた時期は、1通目が2016年10月ころ、2通目は2018年1月ころのタイミングとなります。

内容は以下のとおりです。

1通目「親愛なる美彌子 すっかりご無沙汰してしてしまい申し訳ない 君も娘も元気そうだね 安心してくれ 僕はいつも君のそばにいる Y.A」

2通目「親愛なる美彌子へ 坊谷一樹(ぼうやかずき)は君の身辺を嗅ぎ回っていたから、こうなったのだ。自業自得だ。しかし、気の毒ではある。彼を供養して家族の元へ帰してやって欲しい。宜しく頼む。僕はいつも君の傍にいる。Y.A」

いずれもロシア語で書かれた内容を社美彌子が翻訳しているよ

2通目に書かれた坊谷一樹(蔵原健)とは、公安調査庁の官僚です。冠城亘の元上司である日下部彌彦(榎木孝明)の命令を受け、社美彌子の身辺を探っていましたが、何者かに殺害されていました。

1通目はいたずらだろうと思っていた社美彌子だけど、2通目は無視できないよね

もし手紙のとおり、ヤロポロクが坊谷の殺人犯であれば、ヤロポロクは今も日本にいる可能性があるわけだから…

ヤロポロクの最期

2通目の手紙に書かれたとおり、身元不明の白骨遺体は坊谷一樹のものであり、ヤロポロクが日本にいる可能性が浮上します。

社美彌子は彼に会うため、独自の伝手をたどり捜索を始めました。

ヤロポロクの被害をでっちあげ警視庁を欺いた身であるにもかかわらず会いに行こうとするこの大胆な行動については、後に「自分のことをもう少し理性的な人間だと思っていた」と冠城にこぼしています。

ヤロポロク殺人犯説は、甲斐峯秋も気をもんでいたね

そっか。

ヤロポロクが日本の警察に捕まって社美彌子との関係をしゃべったら、一緒に嘘をついた甲斐峯秋も終わりだからか…

しかし、社美彌子が追っていたヤロポロクの影は、すべて常盤臣吾(矢野聖人)であったことが判明します。

常磐はロシアの元傭兵。暗殺の依頼を受けた常盤により、ヤロポロクはすでに亡き者とされていたのです。

ところがこの”仕事”の際、ヤロポロクが自室に飾っていた社美彌子とマリアの写真を見た常磐は、社美彌子の美貌に目を奪われます。

この供述で、ヤロポロクが社美彌子とマリアの写真を部屋に飾っていたことがわかり、ヤロポロクもまた二人を心から愛していたことが視聴者に示されるよ

ここから常盤臣吾は、社美彌子を探し当て、彼女にヤロポロクのふりをして手紙を出してみたり、こっそりあとをつけたりと異常な行動をとりはじめます。

その過程で社美彌子を嗅ぎ回る坊谷一樹の存在に気づき、彼女にとって良くない存在だと判断して、持ち前の技術で葬り去ったのです。

そして何と偶然にも縁のあった、瀬戸内米蔵(津川雅彦)の寺の敷地に埋めます

ところが坊谷の殺害は、常磐が初めて仕事以外で行った殺人であり罪悪感が芽生えます。

坊谷を供養したい気持ちから、偶然を装い遺体を自ら掘り起こす常磐。

しかし、なかなか身元の特定に至らない警察にしびれを切らし、遺体が坊谷一樹であることを社美彌子への2通目の手紙で知らせたのでした。

ヤロポロクは亡命後すぐに亡くなっていて、手紙は常磐が送っていたんだね…

会えるのではないかと期待しただけに、このときの社美彌子の気持ちは計り知れないね…

ヤロポロクの死を知った社美彌子は一人でむせび泣きますが、泣き終わるとまたいつもの毅然とした表情で仕事に戻っていきます。

ヤロポロク問題の今後の見通し

当初のヤロポロク問題は、マリアの父親がヤロポロクであると知られ、「それほど深い仲なら社美彌子はヤロポロクの活動に協力していても不思議じゃない」と疑われることでした。

この手の問題は疑われた時点で警察官として終了なんだろうね

社美彌子はこの問題を解決するため、マリアの存在を(週刊誌にスクープされたことを装い)自ら公にし、さらにヤロポロクからの被害をでっちあげ、二度と追及されないようにします。

内部からの追及を逃れるには最善と思われた一手でしたが、その次は、社美彌子がでっちあげた内容が万が一にも世間に広まった場合、今度はマリアを傷つけてしまうことが新しい問題となりました。

社美彌子が悪事に利用されかける

season16では内閣審議官・有馬(鶴見辰吾)が動かす公安調査庁に、マリアの出生の秘密(でっちあげた話)を世間にバラすと脅されてしまいます。

つまり、内閣情報調査室のナンバー2の悪政に、ヤロポロク問題で生まれた新たな問題が利用されかけたのです。

このとき、社美彌子が外国人スパイと通じていた疑惑までは世間に報じられてしまいますが、マリアに関しての報道は防ぐことができました。

内閣情報官となった後も攻撃される

「公安調査庁不要論者」である社美彌子は、公安調査庁やそのボスといえる法務省事務次官の日下部彌彦に目をつけられています。

内閣情報官への就任後のseason20最終話では、公安調査庁の差し金で記者が娘のマリアに近づき、父親のことを吹き込もうとします。

マリアからそれを聞いた社美彌子は冷静さを欠いてしまい、この記者を内閣情報調査室の力でつぶそうと画策しました。

公安調査庁としては、わざと社美彌子を怒らせることで、「私的な感情で権力を濫用して民間人をつぶした」という事実がほしかったのでしょう。そのスキャンダルをもって社美彌子を内閣情報調査室のトップの座からひきずり下ろし、この事実を掴んだ公安調査庁の地位を向上させるねらいがあったと思われます。

この一連の動きの背後には、公安調査庁の地位向上に動く日下部彌彦の存在がありました。

社マリアに父親のことを教えてあげれば解決じゃないの

社マリアは当時、まだ子供だったからね

season20で中学生、season22で高校1年生くらいだと思われます。

でっちあげた内容が内容だけに、説明しづらいんだと思う

社マリアが母から真実を聞いてそれを受け入れる日までこの問題は社美彌子の弱点なんだね

とはいえ、そんな社マリアも今はもう大人です。

まだ父親のことは知らない様子ですが、いつか母が話してくれるからそれまで待つとし、状況を受け入れています(S22-10「サイレント・タトゥ」)。

season23では、一緒にカウントダウンを過ごせる彼氏もいるらしく、もう心配はないといえそうです(S23-9元旦SP「最後の一日」)。

今後、公安調査庁からの攻撃はあり得るか?

もし今、公安調査庁がマスコミを使って、もう一度ヤロポロク問題で騒いだらどうなるのかな?

いまの社美彌子は、一応すでに世論も味方につけてるんだよ

season16で「外国人スパイと通じてた」ってところまで報道されちゃったんだけど、season20で内閣情報官に就任するときには、これがいつの間にか「身を挺してスパイから情報を得ていた愛国者」という評価に変わっているんだ

なるほど…

このくらいなら挽回できるのが社美彌子なんだね

なぜ世論がこのように変わったのか、詳細は語られていません。

しかし、社美彌子は広報課長時代、甲斐峯秋の指示で「不倫した挙げ句、脅されて銃を乱射した政治家」を「愛する女性のために政治生命を捨てたヒーロー」に仕立てた実績があります(S13-10「ストレイシープ」)。

この力を、自身のために使用したとしても不思議はありません。

あと公安調査庁には「社親子を守る会」の代表、冠城亘がいるから…

season20で卒業した冠城亘は、日下部彌彦のスカウトを受け、自らの意思で公安調査庁に入ります。

内閣情報調査室に同時期に入った青木年男から情報収集でもしているのか、season23では社美彌子を見守っていることがうかがえるエピソードがあります。

また、season24で法務省事務次官として登場したのは日下部彌彦ではありませんでした。日下部彌彦はもう法務省にいないのかもしれません。

今のところ、ヤロポロク問題の再燃となりそうな火種はないんだね

社美彌子がヤロポロクに国を売った疑惑を考察

ヤロポロク問題について、二人の馴れ初めや深い関係に発展していった経過は明かされていないままです。若かりし日の社美彌子が、本当にヤロポロクの活動に一度たりとも協力していないのかは、視聴者にその判断が委ねられています。

どういうこと!?

いまでこそ、二人の関係は純愛であり、スパイの協力はなかったとして完結しているけど、じつは最初はどちらにも受け取れる感じだったんだよ

具体的には、ヤロポロクが「君の名前は言わない」とわざわざ約束していたり、社美彌子が天野室長からの「国を裏切っていないよね?」という質問に答えなかったりした場面があるんだ

なぜ社美彌子にスパイ協力疑惑があるのか

ヤロポロクが亡命時に「君の名前は言わない」と約束している

亡命する直前にヤロポロクは、最後の電話で社美彌子に「君の名前は口が裂けても言わないから安心しろ」と告げます(S13-1「ファントム・アサシン」)。

その後、アメリカ大使館へ亡命したヤロポロクは、自身のスパイ活動に協力していた日本人7名の名前をCIAに明かします。もちろん、ここに社美彌子の名前はありません。

この流れから、ヤロポロクが「名前を言わない」としたその「名前」とは、「ヤロポロクに協力した日本人(つまり国を売った人物)」の氏名だったようにも見えます。

これについては、愛する女性にあらぬ嫌疑がかからぬよう、君の名前は口が裂けても言わないと約束したようにも解釈できますが、社美彌子がヤロポロクの活動に協力していたようにも受け取れる内容になっています。

天野の質問に答えなかったことがある

season13第1話では、拘置所で社美彌子が元上司である天野に面会した際、「君は、絶対に国を裏切らない。そうだろう?」と尋ねられます。ところが社美彌子は、涙目で黙ったまま何も答えません

あ、あやしい……!

「これ、やってんな…」って思っちゃった!

そこから約2年半、この件は保留となります。

しかしseason15最終話にて、マリアの存在を知った天野から再び「国を裏切ったりしていないだろうね」と確認された社美彌子は、今度は力強く「裏切っていない」と答えます。

娘の存在で、想像していたよりもヤロポロクと社美彌子の絆が深かったことを知った天野は、社美彌子をさらに問いつめます。

すると社は、恩のある天野に嘘をつけば、自分は地獄に堕ちると真剣な表情で返します。

どういうことなの??

結論:社美彌子はスパイに協力していない

天野に嘘をつけば、自分は地獄に堕ちるという答えに、嘘はないと考えられます。

この「地獄」の下りには伏線があって、娘のマリアが「嘘をつくと地獄に堕ちる」と社美彌子に教えているシーンがあるよ

天野の犠牲で自身のキャリアが守られたのですから、その恩人に嘘をついているようでは人間として終わりだという気持ちで発した言葉だと考えられます。

溺愛しているマリアの言葉を使って恩人に嘘を重ねることは、社美彌子の心情として考えにくいでしょう。

そして、ここからたたみ掛けるように、次期season16では二人の間に確かに愛情があったことも判明しています。

この一連の流れから、社美彌子とヤロポロクは純粋な愛情でつながっており、ヤロポロクが社美彌子をスパイ行為に加担させることはなかったと視聴者に伝えてくれたものと解釈してよいでしょう。

それなら、なんで最初は天野室長の質問にはっきり答えなかったの?

胸がいっぱいになっただけじゃないかな

推測だけど天野室長は、社美彌子がヤロポロクを慕っていることには、下山を殺害する前から気づいてたんだと思う

どういうこと?

かつて社美彌子が、衣笠副総監らに嘘をつく際に、「騒げば内調がヤロポロクと構築した関係を失うため被害届をださなかった」と話しています。

このことから、社美彌子たちは組織としてヤロポロクに接近工作を図っていた事実があり、社美彌子はその過程で被害に遭ったと主張したと考えられます。

でも本当は、この間にヤロポロクと恋愛してしまったんだと思う

そのことに、天野室長は気づいていたと思うんだ

天野室長がなぜ「プーケットで二人で仲良くしていた」と聞いただけで、「とりあえず社くんに話を聞かねば」ではなく「下山、今すぐ殺らねば」という判断に至ったのかを考えると、天野室長は社美彌子がヤロポロクに恋愛感情を抱いていたことにうすうす気づいておりその上で社美彌子を信じて見守っていたと考えるのが自然です。とはいえ、交際しているとはっきりわかっていれば事情聴取もしたでしょうから、おそらく社美彌子の一方的な淡い思慕と判断していたか、あるいはヤロポロク亡命後のごく最近の社美彌子の変化などから「疑い始めたばかり」というところではないでしょうか。

そんなうっすらとした疑惑が、プーケットの話をぶつけられた社美彌子の様子を見て、確信に変わったんだと思う

それでも天野室長は、たとえ恋愛関係にあったとしても、あの社美彌子がそれだけで国の情報を売るような人間ではないと、社美彌子の人柄を信じたから守ったんだよね?

そうなるね

でも、どれほど素晴らしい人間であったとしても、プーケット旅行の目撃証言から疑惑をゼロに戻すことは不可能だから、社美彌子を守るには、下山があちこちで触れ回る前に今ここで殺るしかないと…

じゃあ社美彌子が、天野室長の質問に涙目で何も答えなかった理由って…

拘置所で天野と会話をし、社美彌子もまた、天野が自分とヤロポロクの関係に気づきながら、その上で社美彌子を信じて殺人を行ったことに気づいたはずです。

天野が勾留されている目の前の状況が、自分の自制心が足りずに引き起こした事態であることを初めて知り、戸惑いや恐れなど複雑な感情を抱いたと思います。

天野の「君は、絶対に国を裏切らない。そうだろう?」に何も言えなかったのは、申し訳なさや後悔の気持ちで、自分に代わってスパイから国を守ってほしいという天野の想いを、ただただ恐縮して受け止めていただけなのではないでしょうか。

これも視聴者がどちらにも(スパイに協力してしまっており何も答えられない状態にも)受け取れるよう、あえて曖昧な態度にしたところもあると思う!

まとめ

社美彌子のヤロポロク問題は、甲斐峯秋の協力を得た社美彌子の究極の策により、警察組織からの追及を逃れることができました。

その後も悪事に利用されかけたり、公安調査庁の地位向上に利用されかけたりと多くの波乱がありましたが、その度に杉下右京や冠城亘とともに乗り越えています。

そして今、社美彌子は世論を地道に味方につけ、内閣情報調査室のトップとなりました。

彼女の弱点だった娘マリアも、母を慕いながらまっすぐ成長し、大人と呼べる年齢に達しています。

視聴者をいつも新しい角度で驚かせてくれる相棒なので先の展開は読めませんが、2014年に始まったこのヤロポロク問題の火種となるものは今のところはなく、落ち着きをみせていると考えてよいと思います。