【相棒】社美彌子(やしろ・みやこ)についてのまとめ

相棒に登場する社美彌子についてまとめます。

社美彌子とは

氏名

社美彌子(やしろ・みやこ)/演 仲間由紀恵

登場期間

・season13、season15~最新

・劇場版Ⅳ

生年月日

1974年(昭和49年)5月3日

血液型

O型

階級・経歴

社美彌子は警察庁のキャリア官僚です。

警視庁の広報課長時代の階級は「警視正」であり、杉下右京の2つ上になります。

これまで、警察と内閣情報調査室のポストを行き来しています。

1997年3月東京大学法学部法律学科卒
1997年4月警察庁入庁
1999年4月警視庁組織犯罪対策2課に配属
2003年4月警察庁長官官房付国際課に配属
2009年4月内閣府内閣情報調査室総務部門主幹 出向/警視に昇進
2014年(相棒13~)警視庁総務部広報課課長(警視正)
2021年(相棒20~)内閣情報官に異例の抜擢

主な登場回

社美彌子がストーリーに絡んでいる主な登場回です。

主な登場回概要
S13-1
ファントム・アサシン
・ヤロポロクの亡命を機に判明した「国賊」に対する連続殺人事件が発生。この事件で特命係と縁が生まれる
S13-15、16
鮎川教授最後の授業
・大学時代の恩師の古希祝いに杉下右京と共に出席したところ、監禁される
S15-1
守護神
・冠城亘の願い出を受けて、冠城を特命係に異動させるための根回しを行う
S15-最終
悪魔の証明
・マリアの存在を知られ、ヤロポロクとの関係を警視庁上層部に問い詰められる
S16-1
検察捜査
・特命係の違法捜査を挙げたい検察官・田臥から、特命係をかばう行動を見せる
S16-10
サクラ
・マリアの出生の秘密をネタに、ある事件の報道発表の内容を改変するよう脅される
S16-13、14
いわんや悪人をや
・ヤロポロクが日本に居る可能性が浮上し、独自に探す
S16-最終
容疑者六人
・風間楓子転落事案の容疑者六人に含まれる
S17-最終
新世界より
・パンデミックの危機を政府が隠蔽した事実を週刊フォトスにリークする(リークの犯人として特命係が疑われる)
S18-2
アレスの進撃
・北海道警の管轄地での行動が問題になっている特命係を案じて、道警に居場所をバラす
S18-最終
ディープフェイク・エクスペリメント
・特命係に内閣情報調査室に関する情報を提供し、杉下右京が真相にたどり着くよう巧みに誘導する
S19-1
プレゼンス
・出雲麗音の銃撃事件を特命係に解決させることを条件に、彼女を捜査一課に配置するよう衣笠副総監に願い出る
S19-11
オマエニツミハ
・捜査一課の失態の隠蔽疑惑が報じられ、記者対応をすることを内村と中園に約束するが、嫌味を言う
S20-1~3
復活
・内閣官房長官VS特命係の戦いから甲斐峯秋を守るために先方と交渉する
・漁夫の利で内閣情報官のポストを得る
S20-11
二人
・目障りな代議士を排除するため、警視庁の捜査本部に有力な情報提供を行う
S20-19、最終
冠城亘最後の事件
・冠城亘とマリアのパパ活疑惑の中傷ビラが出回る
・マリアに記者が近づいたことで暴走しかけるも冠城が諌める
S21-11
大金塊
・特命係が追い詰めた議員の犯行を裏付けるデータを削除し、その議員に恩を売ろうとする
・社美彌子が特に邪悪な回である
S22-1、2
無敵の人
・「微笑みの楽園」に関する公安部長と衣笠副総監の動きを不審に思い調べ始めたところ、銃撃されて負傷する
・甲斐峯秋と結託し、特命係に事件を解決させる
S22-10
サイレント・タトゥ
・甲斐峯秋の事実上の義娘・笛吹悦子(真飛聖)の救出に協力する
S22-19、最終
トレードオフ
・杉下右京のフェイク動画を生成した犯人に仕立て上げられる

社美彌子の人物像

社美彌子という人物は、野心家でありながら非情になりきれないところがあり、視聴する回によって印象が変わるキャラクターです。

特命係の敵か味方かという視点では推し量れない人物になります。

以下、社美彌子に関する重要なポイントを集めてみました。

要職の男を次々と味方につける

上昇志向が強く、要職の男たちを次々と味方につけてスピード出世を果たします。(詳細は後述します)

なお、有力な人物であっても、その人物が特命係に追われている場合は、特命係が失脚させる可能性を考慮して二重の手を打つなど抜け目がないところもあります。

女性からの支持もある

season19では、社美彌子を筆頭とする女子会の様子が、「広報課美人課長率いる女子軍団」として週刊フォトスに掲載されます。

男社会である警視庁の抵抗勢力として「KBG(警視庁ガールズボム)」という名前まで勝手に付けられたこの記事は、警視庁内に広がり、甲斐峯秋や衣笠副総監も恐れる様子を見せています。

その一方で、衣笠副総監は社美彌子の女子会に興味津々で、社美彌子に呼んでほしいとお願いしますが、社美彌子は「甲斐峯秋も一緒ならいい」と塩対応をします。

何となくですが…たぶん呼ばれてないでしょうね

女子会のリーダーが男性上司を呼んでご機嫌をとったら、女子からの信頼がなくなりますからね

かなりの美人である

相棒世界において、おそらく最も「美人」と評価された回数の多い女性です。

社美彌子が映った写真を見て心を奪われ、それが原因となって罪を犯した者もいます。

語学も堪能

ヤロポロクの亡命時、ヤロポロクと英語で会話をしているようなシーンがあります。(S13-1)

また、ロシア語の手紙を読んだり、ロシア語の文章を即座に訳すなど、ロシア語にも長けています。(S15-1、S18-2)

情報で人を動かす

初登場時は内閣情報調査室に出向しており、season20からは内閣情報官を務めるなど、社美彌子の最大の武器は「情報」です。

相手にどのような情報を与えればどう動くかを予想し、情報で人を操ることができます。

該当する回内容
S15-最終
悪魔の証明
・ヤロポロクとの関係が疑われる写真を流出させ、追及してきた警視庁上層部を返り討ちにする
S18-最終
ディープフェイク・エクスペリメント
・杉下右京に内調に関する情報を小出しで与えて意のままに捜査を進めさせる
S20-11 二人
(S21-11 大金塊)
・ある代議士が関係する事件の動機に関して、有力な情報提供を行い特命係に事件を解決させる(後に証拠データを警視庁から奪い、自身がその代議士との交渉材料に利用する)

ピンチを切り抜ける力がすごい

ヤロポロク問題

社美彌子は、外国のスパイであるヤロポロクとの間に娘がいるという秘密を抱えています。

発覚すれば、ヤロポロクと通じてスパイを働いた疑惑が向けられる事態は避けられず、警察としての出世の道も断たれる大スキャンダルです。

season15では娘の存在が発覚し、警視庁上層部から、娘の父親について問い詰められます。

ところが、追い詰められた社美彌子は、ある内容を告白して彼らを一発で黙らせます。

マリアの秘密報道問題

season16では、ある要人が関わる事件で、娘の出生の秘密をネタに、事件の報道発表の内容を捻じ曲げるよう脅されます。

社美彌子は、かつて自分が警視庁上層部を黙らせるために話した内容がマリアの耳に入り、マリア自身を傷つけることをひどく恐れます。

しかし、マリアの出生に関する記事が出る前に特命係が辛くも事件を解決し、最悪の自体を免れました。

災い転じて福となす

マリアに関する記事が出る前に事件は解決したものの、外国人スパイと通じていた過去があることまでは世間に報じられてしまいました。

ところが、season20では、そのイメージがいつの間にか払拭されています。

中園参事官によると「身を挺してスパイから情報を得ていた愛国者という評価に変わっている」といいます。

そんなことある!?

これは考えても仕方ないやつですね

義理堅いところがある

社美彌子の出世に貢献した者は複数いますが、その中でも彼女の窮地を救った甲斐峯秋と天野是清の2名については、社美彌子の中では別格です。

特に甲斐峯秋については、season15の最終話「悪魔の証明」において自身の味方についてくれたことに絶大な恩義を感じており、その後は逆に甲斐峯秋のピンチを度々救っています。

出世欲が強い

内閣情報官に就任

season20では、特命係が追い詰めようとしている要人により、甲斐峯秋が標的にされてしまいます。

甲斐峯秋のピンチを救うために特命係のもつ証拠品を返却させる段取りをつけ、さらには交渉相手となった要人を味方につけて、最終的には「内閣情報官」に出世します。

内閣情報官とは内閣情報調査室のトップです。これまでさんざん弱みにつけ込まれて苦しんだ社美彌子が、今度は、やろうと思えばいくらでも人の弱みを収集できる立場になります。

権力に溺れかける

内閣官房長官に就任後、ある記者がマリアに近づき、父親の話を吹き込もうとしたことに社美彌子が腹を立てる出来事が起こります。

記者について調べ始めた社美彌子ですが、冠城亘に「国家権力が一般市民(記者)をひねり潰すようなマネしたら、もう終わりですよ「闇に落ちないでください彼女(マリア)に顔向けできなくなりますよ」と、権力に取り憑かれないよう諌められたことで、一線を超える前に自制しています。

特命係の手柄を横取り

season21からは、特命係を利用し、杉下右京たちが追い詰めた大物をいわば「横取り」するような形で、その地位を守る代わりに自身のコントロール下に置こうとします。

ここから見始めた視聴者には嫌な女に見えますね…

「後ろ暗い情報」が人間にとってどれほど強い圧力になるのか身をもって知ってしまったから、今はそれで強敵をコントロールしようとしてしまうんだろうね

社美彌子の「横取り」事件

・特命係がかつて追いつめた衆議院議員に恩を売るために、証拠のデータを警視庁のコンピュータに侵入して隠滅し、その地位を守っていたことが発覚する(S21-10)

・自身が撃たれたことを利用して甲斐峯秋と結託して特命係を動かして真相を解明させる。しかし、衣笠副総監やその上については追及しないことで手打ちとし、衣笠副総監に大きな貸しをつくっている。(S22-2)

社美彌子の最終目標は

season19第11話で、社美彌子は特命係の質問に、「私の野心は警視総監なんてちっぽけなものじゃありませんよ」と返しています。

また、season22第2話「無敵の人」で、真実を追及せず警察上層部に恩を売るような手法を選んだ社美彌子を、杉下右京と亀山薫は非難しますが、社美彌子はその際、「内調のトップなど通過点でしかない」「全国30万人の警察官のトップに立ってこそ、この国を真の意味で守れる」と真剣な表情で返しています。(S22-2)

社美彌子の言葉をそのまま受け取るなら、かつての甲斐峯秋よりも上の、「警察庁長官」のポストが目標であることになります。ちなみに、現実世界で警察庁長官に就任した女性はまだいません。

社美彌子とヤロポロクの関係

ここまでは、社美彌子の人物像の概要でした。

ここからは、社美彌子と関わりの深い人物との関係を見ながら、社美彌子の人物像をより深く掘り下げます。

ここからは、下記の回の重要なネタバレを含みます

・S13-1:ファントム・アサシン

・S15-最終回:悪魔の証明

・S16-10:サクラ

・S16-13、14:いわんや悪人をや

ヤロポロク・アレンスキーとは

season13

ヤロポロク・アレンスキーは、日本で活動していた外国のスパイです。

社美彌子はヤロポロクと恋人関係にあり、二人の間に娘・マリアを授かっています。

しかし、ヤロポロクの本国での立場が悪くなったことから、彼はやむなく日本を離れて亡命します。

亡命する直前、ヤロポロクは社美彌子に電話で愛の言葉を伝えるとともに、落ち着いたら必ず連絡することを約束しました。

season15

ヤロポロクを名乗る人物から、直筆の手紙が社美彌子宛てに届きます。内容はこちらの記事でまとめました。

そしてseason15の最終話「悪魔の証明」では、社美彌子の私物のPCがハッキングされ、社美彌子の娘の写真が週刊フォトスに掲載される事件が起こります。

警視庁上層部は、写真の娘の容姿から、外国人であろう父親の詮索を始め、社美彌子の経歴から、やがてヤロポロクにたどり着きます。

ヤロポロクとの関係を詰められた社美彌子は、「ヤロポロクに乱暴された」「騒げば内調がヤロポロクと構築した関係が崩れるため被害届をださなかった」「子に罪はないから出産した」と、衣笠副総監をはじめとする警視庁上層部に被害を告白し、彼らを黙らせました。

season16

内閣審議官・有馬武人(鶴見辰吾)が関わる事件について、公安部から報道発表の内容を捻じ曲げるよう脅迫されます。(S16-10)

脅迫のネタは、マリアの出世の秘密です。

season15において、社美彌子が未婚の母であることは周知の事実となりましたが、娘の父親が誰なのか、父親とどういう関係なのかは、警視庁上層部を除いて知られていません。

社美彌子は、杉下右京と冠城亘に対し、これまで秘密にしていた、警視庁上層部を黙らせた告白内容を明かします。

告白内容を聞いた杉下右京は、それは社美彌子がマリアのそばにいたいがための嘘であると見抜きます。

後日、社美彌子が外国人スパイと通じていたことをスポーツ紙などで報じられます。

「次は娘の出生の秘密を本当にばらすぞ」と言わんばかりの脅しですが、それでも社美彌子は、報道内容を改変することに応じませんでした。

その代わり、マリアを抱きしめて「パパとママに愛されて生まれてきたことを信じてほしい」と涙を浮かべて伝えます。

視聴者にとっては、ヤロポロクとの関係は初めての登場回から察しがついていたところですが、社美彌子がヤロポロクへの愛情をはっきりと言葉にした貴重な場面となりました。

特命係が事件を解決し、マリアの出生の秘密は記事になりませんでした。

ヤロポロクの死

season16では、ヤロポロクが日本にいる可能性が浮上したため、社美彌子は彼に会うため、独自に捜索を始めます。

この大胆な行動については、後に「自分のことをもう少し理性的な人間だと思っていた」と冠城にこぼしています。

しかし、社美彌子が追っていたヤロポロクの影は、すべて常盤臣吾(矢野聖人)による仕業であったことが判明します。

ヤロポロクは、すでに常盤によって亡き者とされていました。

真実を知った社美彌子は一人でむせび泣きますが、泣き終わるとまたいつもの毅然とした表情で仕事に戻っていきます。

ヤロポロク問題は終わったのか

社美彌子の当初の弱点は、マリアの存在を外部に知られることでした。

そのため、season15でマリアの存在を公にし、ヤロポロクからの被害をでっちあげ、その関係を追及されないようにしたのです。

しかし、内部からの追及を逃れるには最善と思われたこの一手が、社美彌子の次の弱点になります。

マリアに外部からの情報で父親について知られること、それが万が一、かつて社美彌子がでっちあげた内容だった場合、マリアを傷つけてしまうことが、社美彌子の新しい弱点になったのです。

season16ではマリアの出生の秘密をネタに脅されて屈しかけており、season20ではマリアに父親のことを吹き込もうとした記者のことが許せず権力でひねりつぶそうとして冠城亘に止められています。

どういうこと?

社マリアに本当のことを話せば解決じゃん

社マリアは見た目は大人びているけど、まだ子供だからね

S20で中学生、S22で高校1年生くらいだと思われます。

でっちあげた内容が内容だけに、ママンも説明しづらいんだと思う

意味が理解できても、それはそれで、パパンの名誉を傷つけたママンにショックを受けるかも知れませんね

「あれは嘘でした、ごめんなさい」って警視庁にいうのはナシなの?

この件は、甲斐峯秋と一蓮托生だからね

甲斐峯秋は「被害当時に社美彌子から相談を受けた」って衣笠副総監に証言しているから、今さら「私も彼女に騙された」では逃げられないんだよ

いずれにせよ、社マリアが母から真実を聞いてそれを受け入れる日まで、ヤロポロク問題はずっと社さんの弱点になり得るということです

社美彌子の出世を支えた男たち

社美彌子は、要職の男たちを次々と味方につけて出世を果たします。

ここからは、社美彌子の出世をアシストした男たちを紹介します。

天野是清(あまの・これきよ)

天野是清(あまの・これきよ)/演:羽場裕一

この項目は、下記の回の重要なネタバレを含みます

・S13-1:ファントム・アサシン

内閣情報調査室室長。当時の社美彌子の直属の上司である。

season13第1話において、スパイであるヤロポロクに国の情報を売っていた日本人7名の連続殺人を計画し、実行に移す。

その計画は、まず1人に殺人を命じて実行させ、その実行者を次のターゲットにして次の殺人を命令し、順番に消し去っていくというものであった。

ところが、3名まで実行したところで、特命係の捜査により、残されたターゲットを警視庁が昼夜を問わず見張るようになってしまう。

そのため、天野は保護の名目で全員を呼び出し、一カ所に集めて残りの計画を遂行しようとした。

社美彌子については、天野が一連の事件の首謀者ではないかと疑いを持ち始めていたため、機会を見て天野を説得するつもりで天野に合流した。追跡していることを社美彌子に見抜かれた特命係も同行している。

そのような中、天野のターゲットの一人である衆議院議員の下山秀和(五代高之)が社美彌子の顔を見て、彼女がヤロポロクとプーケットのリゾートホテルで仲睦まじく過ごしていた女性であることを思い出す。

浮かれすぎだろ!

下山は社美彌子に揺さぶりをかけ、「白を切るなら僕のルートで調べさせることもできる」と脅す。

その場面を、天野が目撃してしまう。

下山の話が表に出れば、内閣情報調査室の職員が他国のスパイと繋がっていたとして大問題になる。当然ながら、社美彌子のキャリアはここで終わってしまう。

天野は、社美彌子が自分よりも警察庁にとって有益な人材だと認識しており、おそらく、これまでの社美彌子の働きぶりなどから、その内面も信頼していた。

加えて天野は、自身の年齢からキャリアの限界も感じていた。

そこで自分よりも有望な社美彌子の将来を守るために、下山を直接殺害したのであった。

拘置所で面会した際、天野から「あんな下衆野郎のために君(社美彌子)のキャリア人生が終わってしまうのは忍びなかった」と打ち明けられる。

下山を含む4名を殺害することが天野室長の目的でしたが、特命係が現れたことにより、計画を練り直さなければならなくなりました。しかしモタモタしているうちに、下山が外部にこのことを調べさせ始めたら取返しがつかなくなるため、やむなく計画を中止して、下山を殺害したのだと考えられます。

天野に対し、社美彌子は「いつか返せる時が来たら御恩返しをする」と伝えている。

天野室長への最高の恩返しは、天野室長の志を受け継いで、スパイ大国と揶揄される国の現状を変えていくことでしょう。しかし、社美彌子が出世の先に何を成し遂げようとしているのかは、現状では明かされていません(たぶん)。

この件で、天野室長が歩みたかったキャリアの道を託されたように感じているのかなあ…

ちなみに、社さんのために殺人を犯した男はもう1人います

甲斐峯秋(かい・みねあき)

甲斐峯秋(かい・みねあき)/演:石坂浩二

この項目は、下記の回の重要なネタバレを含みます

・S15-最終話:悪魔の証

・S22-1、2:無敵の人

・S22-10:サイレント・タトゥ

甲斐峯秋は、警察庁次長から、甲斐享の件で警察庁長官官房付きに降格した、警察キャリアである。

これまで何度も社美彌子の味方をしてきた冠城亘でさえ、「もし(特命係と)二者択一になったら甲斐さんを救う方を選ぶ」と宣言されるほど、社美彌子は甲斐峯秋推しである。(S20-2)

このような関係になった理由は、甲斐峯秋が、ヤロポロク問題で多大なリスクを冒して社美彌子を守ったからである。

season13

警視庁総務部広報課長の着任日、社美彌子から警察庁次長・甲斐峯秋に挨拶の電話連絡を入れる。その際、甲斐峯秋は「君には期待している」「女性はもっと要職に就くべき」「支援を惜しまないから何かあったら遠慮なく言ってきたまえ」などとエールを送っている。(S13-1)

season15

冠城亘を広報課から特命係に異動させるため、甲斐峯秋に力添えを乞う。甲斐峯秋は息子の件で、当時とは立場が違うものの、宿敵・衣笠副総監に頭を下げて協力を依頼する。(S15-1)

season15最終話では、ヤロポロクとの娘・マリアの存在が、週刊フォトスの記事により表に出てしまう。(S15-最終話)

警視庁上層部に呼び出された社美彌子は、父親については答えたくないと突っぱねる。

社美彌子の態度に腹を立てた内村刑事部長が、マリアの父親は甲斐峯秋ではないかと冗談で中園参事官に言っている。

しかし、ヤロポロクとの疑惑が深まった段階で、再度、警視庁の上層部に呼び出され詰められた時は「ヤロポロクから乱暴された」という告白をする。

そして、当時の被害を裏付ける証言を、甲斐峯秋に行わせた。

season15・最終話の真実

ヤロポロクについての告白までの一連の出来事は、何と社美彌子の自作自演である。

もとは、冠城亘(に罪を着せた青木年男)による社美彌子のPCへのハッキングに端を発したものであるが、社美彌子はこの被害を逆手に取り、警察が今後、マリアについて社美彌子を追及できなくなるよう、警視庁上層部から質問されてやむを得ず被害を告白した格好にするための策であった。

そもそも甲斐峯秋は、この直前まで父親が誰であるかも知らなかったため、甲斐峯秋が警視庁で行った「被害当時に彼女から相談を受けたので被害届を出すよう勧めた」という証言は完全なデタラメである。

息子の件で力を失った甲斐峯秋は、社美彌子に協力して彼女を押し上げる手助けをすることで返り咲こうとしている。

出世のための先行投資とはいえ、甲斐峯秋にとっては大変なリスクです。社美彌子はこの恩をしっかりと感じており、甲斐峯秋を何を差し置いても守ろうとします。

season16

甲斐峯秋と食事の帰りに、衣笠副総監・青木ペア、内村・中園ペアと共に、風間楓子転落事件の「容疑者六人」に含まれる。(S16-最終話)

season20

内閣官房長官・鶴田翁助(相島一之)が、特命係の動きを封じるために甲斐峯秋つぶしを始める。

社美彌子は冠城亘に、「もし二者択一に追い込まれることがあれば、私は迷わず甲斐さんを選ぶ」と宣言し、その後、甲斐峯秋を守るために鶴田翁助と交渉し、特命係が集めた証拠を返却させる。(S20-2、S20-3)

最終的には、ちゃっかり内閣情報調査室のトップである「内閣情報官」のポストを獲得している。

これには甲斐峯秋も驚いており、社美彌子を「侮れない」と評している。

特命係サイドから見れば敵のような立ち回りになってしまいましたが、特命係にちゃんと筋を通しているところや、何よりも甲斐峯秋を優先しようとするところは、義理堅い社美彌子の一面を見れた回でした。

しかし、完全に漁夫の利を狙って動いてましたよね

いやいや、その地位を使って今後は特命係に力を貸してくれるんでしょ

楽しみだなあー

season21

航空機の爆破予告メールが届いたため、杉下右京から社美彌子に調査の依頼が入る。

しかし、社美彌子は内調トップである自身に気安く依頼をしてくる杉下右京に不快感を覚え、甲斐峯秋をわざわざ呼び出し、監督不行き届きであると苦言を呈してしまう。

美彌子…嘘だよな…?

社美彌子は怒りをぶつけた非礼をその場で甲斐峯秋に詫びており、甲斐峯秋も気にしていない様子であったが、社美彌子がとんでもなく高い地位に就いたことを視聴者にそれとなく伝えるための描写であると考えられる。(S21-1)

season22

「微笑みの楽園」に対する公安部の不審な動きに衣笠副総監が絡んでいることを察知した甲斐峯秋が、社美彌子にこのことを伝え、社美彌子が調べ始める。

ところが、社美彌子が動き始めたことが衣笠副総監の耳に入り、公安部長・御法川(田中美央)に対処を命じた結果、社美彌子は銃撃されて腹部に傷を負う。しかし、社美彌子と甲斐峯秋はこの負傷さえも利用し、結託して特命係に事件を解決させる。

結果、公安部長の失脚でことを済ませ、衣笠副総監以上は追及しない形をとることで、宿敵・衣笠に貸しを作る。(S22-1、2)

社さんに失望しました

感じのよくない回が続いた社美彌子だが、第10話では、犯人の罠に嵌められた笛吹悦子(真飛聖)を助けたい甲斐峯秋のために、超イリーガルな措置で特命係による悦子救出作戦をアシストする。

感謝してもしきれないといった様子の甲斐峯秋に対し、「これで甲斐さんへの借りを返せた」と、ヤロポロク問題の解決のためにリスクを冒してくれた恩に報いる。(S22-10)

この時、社美彌子が負ったリスクは国際問題に発展しかねないものであり、当時の甲斐峯秋が負ったリスクよりもはるかに大きいと考えられる。社美彌子が、当時の甲斐峯秋に深く感謝していることがわかる。

もしかすると、子どもの父親に問題を抱える笛吹悦子の境遇に何か感じるところもあったのかもしれません

いずれにしても、人間らしい社美彌子が帰ってきた!

常盤臣吾(ときわ・しんご)

常盤臣吾(ときわ・しんご)/演:矢野聖人

この項目は、下記の回の重要なネタバレを含みます

・S15-1:守護神

・S16-13、14:いわんや悪人をや

season15第1話で、法務省の日下部(くさかべ)事務次官の密命により、社美彌子の身辺を探っていた公安調査庁・坊谷一樹を、社美彌子の身を案じて殺害した犯人である。

ヤロポロクを殺害した張本人であり、社美彌子に感謝されることなど絶対にない人物である。

一方、常盤がいなければ坊谷一樹が調査を遂げて、日下部のラインから社美彌子のスパイ疑惑を追及されていた可能性がある。

法務省という警察の力の及ばない場所からの先制攻撃に対する防戦よりも、甲斐峯秋を味方につけて警視庁を返り討ちにするほうが、社美彌子にとって戦いやすかったことは明白である。

そのため、結果的には社美彌子の出世のアシストをした人物の一人といえる。

なお、天野室長に続き、社美彌子のために人を殺めた2人目の人物であるが、天野室長の動機が「国のため」にあったことに対し、常磐の動機は完全に私情である。

傭兵時代に依頼を受けて、日本で匿われていたヤロポロクを亡き者にした際、その部屋で見つけた写真の社美彌子の美しさに心を奪われたというものだ。

社美彌子を探して密かにつけ回したり、その身辺を嗅ぎ回る坊谷の存在に気がつき「社美彌子にとって良くなさそう」という理由で殺害したり、ヤロポロクの振りをして手紙を送ったりと、異常行動をとるようになった。(S16-14)

取調室での社さんの平手打ちは、完全にご褒美でしたね

内偵、犯行、証拠隠滅をワンオペでこなす、かなりヤバいやつです

鶴田翁助(つるた・おうすけ)

鶴田翁助(つるた・おうすけ)/演:相島一之

この項目は、下記の回の重要なネタバレを含みます

・S20-3:復活~最終決戦

鶴田翁助とは、IT長者・加西周明と癒着していた、内閣官房長官である。

season20

加西周明の暗殺を主導し、その罪を柾庸子に被ってもらう鶴田翁助であったが、特命係の存在が邪魔であった。

そこで鶴田は、特命係の動きを封じるために、特命係の組織上の上長である甲斐峯秋を貶める記事を出すよう、新聞社や週刊誌に手を回す。

社美彌子は、「鶴田翁助VS特命係」の戦いから甲斐峯秋を守るために鶴田翁助と交渉し、証拠品と鷲見(すみ)の身柄を返すよう特命係に命じる。

社美彌子はその活躍の見返りに、鶴田翁助から内閣情報官(内調のトップ)という異例のポストを打診されており、密かにこれを承諾していた。

しかし、鶴田翁助は特命係によって失脚させられた。

その際、鶴田翁助が決めた社美彌子の人事をいったん白紙に戻すべきとの声が上がる。

ところが、この結果を読んでいた社美彌子は、鶴田翁助が特命係に失脚させられた場合に備えて、国家公安委員長・鑓鞍兵衛(やりくら・ひょうえ)に話をつけており、鑓鞍兵衛の援護を受けて、警視庁の広報課長から一気に内閣情報官のポストを手に入れる

現実世界で内閣情報官に就任された方々の経歴を見ると、県警本部長(警視監)や警察庁の局長クラスの要職を歴任していることがわかります。テレビドラマとはいえ、警視庁総務部広報課長(警視正)から就任した社美彌子の人事がどれほど異例であるかがわかります。

season22

鶴田翁助にはその後のエピソードがある。

鶴田は、自身を破滅させた杉下右京と、その特命係を抑える役割を最後まで果たさず、見返りとして与えるはずだったポストだけはちゃっかり手に入れる算段をしていた社美彌子のことを恨んでいた。

season22最終話の「トレードオフ」では、鶴田翁助から「杉下右京と社美彌子は早めに始末したほうがいい」と助言された内閣官房長官・武智淑郎(金田明夫)により、社美彌子が罠にはめられそうになる。

武智は、政治学者の襲撃事件に世間の注目が集まっていることを利用して、杉下右京が武智自身を侮辱するフェイク動画をAIで生成し、その生成の罪を社美彌子になすりつけた。

しかし、武智が殺害されたことで計画は頓挫し、武智に命じられ動画生成を行った社美彌子の腹心の部下・石川も破滅した。

鑓鞍兵衛(やりくら・ひょうえ)

鑓鞍兵衛(やりくら・ひょうえ)/演:柄本明

この項目は、下記の回の重要なネタバレを含みます

・S20-3:復活

衆議院議員であり、警察を監督する国家公安委員の委員長である。

前述のとおりseason20において、鶴田翁助VS特命係の際、社美彌子が内閣情報官に就任するために活躍した人物である。

甲斐峯秋が言うには、鶴田翁助の失脚後、社美彌子の人事を白紙に戻す話がでた際に、「今こそ女性のトップが求められている」「とやかく言う連中がいるが彼女の愛国心は本物だ」「国家のためには体を張る女性だよ」と言って、反対派を説き伏せたという。(S20-3)

社美彌子の関係者(警察関係)

警視庁上層部

衣笠藤治(きぬがさ・とうじ)/演:大杉連(S15~S16-13)、杉本哲太(S16-最終~)

内村完爾(うちむら・かんじ)/演:片桐竜次

中園照生(なかぞの・てるお)/演:小野了

season15

この項目は、下記の回の重要なネタバレを含みます

・S15-最終:悪魔の証明

要職の男たちを次々と味方につける社美彌子ですが、その一方で、衣笠副総監をはじめとする警視庁の上層部のことは、階級にかかわらず基本的に眼中にない様子です。

特に内村刑事部長のことはなめ腐っており、season15「守護神」では電話越しに言い負かしている場面もあります。

内村刑事部長も社美彌子を嫌っており、陰で「生意気な女」「女狐(めぎつね)」などと呼んでいます。

警視庁上層部(主に衣笠副総監や内村部長)は、社美彌子のこうした態度について「甲斐峯秋を味方として押さえているから調子に乗っている」と解釈していますが、おそらくこれは少し違います。

season15の最終話では、杉下右京が、社美彌子の自作自演の目的について、マリアという弱点を克服すると同時に「誰が本当の味方かを見極めるためのものではないか」と分析しているシーンがあります。

杉下右京の読みどおりだとすれば、彼女を会議室に呼びつけてその生き様を「ふしだら」と言い放った内村部長や、表面上は穏やかに接しながらも「もう少し可愛らしい受け答えをすればいいものを」など彼女を蔑む心が滲み出ていた衣笠副総監、そして上にただ従うだけ他の幹部たちは、社美彌子に味方として選ばれなかったのだと思います。

内村刑事部長だけ、S15-1の時点で明らかになめられているんですが…

警視庁にきて2年経ってるからね

「この人やば…」ってなることがあったんでしょ

season17

最終話「新世界より」では、感染すれば24時間以内に死に至るウイルスがばら撒かれ、世界的なパンデミックが予測される事態となります。

しかし、衣笠副総監は内閣官房と話し合い、この情報を一切報道しないことを決め、その旨を広報課長の社美彌子に指示します。

社美彌子は、誤った情報が拡散するよりも正確な情報を適切なコントロール下で伝えるべきだと進言しますが、衣笠副総監は「これは命令だ」と聞く耳を持ちません。

その後、パンデミックの危機を政府が隠蔽した疑惑を詳細に報じる記事が週刊フォトスに掲載されます。特命係がネタ元ではないかと疑われ、衣笠副総監に呼び出されていますが、犯人は社美彌子でした。

season19

season19「オマエニツミハ」では、伊丹と芹沢の失態を刑事部が隠蔽したとして、記者たちが会見で中園参事官を厳しく追及します。

広報課長である社美彌子は、内村部長と中園参事官の2人を前に、記者クラブ所属のメディアは広報課が抑え込むことを約束しますが、一方で「隠蔽が事実ならお二人にもけじめを付けていただくことになるかも」「警視庁も多少は風通しを良くしないと加齢臭が充満していますから」と言います。(S19-11)

男のニオイ、2024年だったら炎上してたね…

冠城亘(かぶらぎ・わたる)

冠城亘(かぶらぎ・わたる)/演:反町隆史

特命係の4代目相棒。特命係として動く時は社美彌子にとって都合のよい振る舞いばかりもできないが、要所では、社美彌子に害をなすことはせず、味方につくことを選んでいる。

この項目は、下記の回の重要なネタバレを含みます

・S16-10:サクラ

・S20-1~3:復活

season15

season15の第1話において、冠城亘は広報課の巡査であり、社美彌子の部下となっている。

わずかな期間であるが、この時は社美彌子から特に用もなく食事に誘うなど、社美彌子が気を許している様子が見える。

警視庁内では、二人が男女関係にあるという噂もあるが、そうした描写はない。

二人は学年でいうと同い年。大卒後、キャリア官僚という道を選んだという点で通じるものがあるのかもしれない。

ところがある日、冠城亘は法務省の日下部彌彦(榎木孝明)から、社美彌子の身辺を探るよう密命を受ける。

どちらも裏切れない冠城は、社美彌子に暗に状況を説明し、彼女から離れるために特命係に異動することを願い出る。(S15-1)

最終話では、冠城亘が社美彌子の個人PCに侵入したことを逆手にとり、社美彌子はヤロポロク問題解決のストーリーを思いつく。(真犯人は青木年男

それにより、冠城亘は、社美彌子のPCから盗んだ写真を週刊誌に売った犯人という不名誉な嫌疑がかけられる。

冠城なら疑われていいやって思ってたことになるんだよな…

それでもなお、社美彌子に信じてもらおうとする冠城亘に対し、「週刊誌の写真はあなたじゃないと思う。そういう卑劣なことをする男じゃないから」と話す。

初見では二人の信頼関係がわかる良いシーンにみえるが、話が進むと、週刊誌に写真を売ったのは社美彌子自身であることが判明するため、「週刊誌の写真」冠城でないと言えるのは当然のことだった。(PC侵入犯としては冠城を疑っている)

なお、解決後は冠城亘に対する罪滅ぼしのつもりか、冠城亘の処分が軽くなるよう社美彌子から監察に掛け合っている。

冠城亘はまったくの無罪であるが、PC侵入の嫌疑を晴らすことができなかったこともあり6ヶ月の減給処分になっている。

season16

・特命係の周りをうろつく検察官・田臥准慈(田辺誠一)について、社美彌子が内調時代の伝手を駆使し、日下部の差し金で送り込まれたことを突き止める。それを特命係に伝えに来るが、まったく意に介さない杉下右京を見て呆れてしまい、冠城が詫びている。(S16-1、16-2)

・内閣審議官・有馬武人(鶴見辰吾)が関わる事件の報道発表について犯人から脅され、マリアの出生の秘密を報じられそうになるが、その前に特命係が辛くも事件を解決する。しかし、社美彌子が外国のスパイと交際していた過去があることは報じられてしまう(S16-10)

・スパイ疑惑が報じられたにもかかわらず、後にこのイメージは後に払拭され、世間からは称賛の対象になっている。(S20-3)

season20

甲斐峯秋が「内閣官房長官・鶴田翁助VS特命係」のとばっちりを受ける。

甲斐峯秋の身を案じた社美彌子は、「もし二者択一に追い込まれることがあれば、私は迷わず甲斐さんを選ぶ」と冠城亘に宣言する。(S20-2)

しかし、社美彌子が鶴田翁助との間で、特命係から証拠を返却させる見返りに、自身を内閣情報官のポストに据える密約を交わしていたことがわかり、杉下右京と冠城亘から二重スパイの疑いを向けられる。(S20-3)

甲斐峯秋つぶしを止めさせるために鶴田翁助に協力し、その見返りに出生するという、社美彌子にとっては合理的な行動をとっただけなのですが、結果的に特命係にとって敵のような動きになってしまいました。

最終話では、冠城亘が娘のマリアと、自分を飛び越えて親しくしていることを良く思わず、2人を呼び出して苦言を呈する。その際、調子に乗った冠城亘が、マリアを真似て社美彌子を「ママン」と呼ぶと、かつてないほどの怒りをみせる。(S20-最終)

震えるほど怒っていました…

なお最終話で冠城亘は、かつての上司である日下部彌彦にスカウトされ、警視庁を退職して「公安調査庁」に契約職員として入庁することを決める。

公安調査庁は、法務省の外局であり、社美彌子の内閣情報調査室とは同じ情報機関としてライバルのような関係にある組織である。

甲斐峯秋によれば、社美彌子も冠城亘の選択は寝耳に水だと話しているという。

冠城亘が不遇な扱いを受け入れて日下部の元へ戻った真意は、視聴者にも明らかにされていないが、社美彌子のためであると考えられる。(S20-最終)

素朴な疑問なのですが、社さんはなぜ冠城君のことを好きにならないんでしょう?

スパイじゃないからでしょ

「ママン」呼びでガチギレさせたから、もう駄目なんじゃないですかね…

青木年男(あおき・としお)

青木年男(あおき・としお)/演:浅利陽介

この項目は、下記の回の重要なネタバレを含みます

・S21-11「大金塊」

season15

社美彌子に届いた不審な郵便物について、当時、青木年男(当時、サイバーセキュリティ対策課)に分析を依頼したことで顔見知りとなる。(S15-1)

現物の郵便物は青木の専門分野ではないが、冠城亘が社美彌子に「調べ物なら青木に任せれば早いし確実だ」とアドバイスをしていたため青木が選ばれた。

実際のところ、青木の調査は丁寧であり、冠城の言ったとおりであると社美彌子は青木を褒める。

しかし、褒められた青木が社美彌子に握手を求め、手を握ったまま「お近づきになれて光栄です」「美しく聡明と聞いていたが想像以上」などと言い出したため、社美彌子は若干うっとうしそうな表情を見せる。

女性との適正な距離感を知らなさすぎでは…

ほめられて嬉しかったんやろなあ

・season15の最終話では、青木が特命係への復讐(と個人的な趣味)のために、冠城亘のパソコンを踏み台にして社美彌子の個人PCに侵入する。翌日、侵入の可能性に気づいた社美彌子が、青木の仕業とは知らず青木に相談をし、それがきっかけで、警視庁を揺るがす大騒動を巻き起こす。

結局、青木の犯行であることは杉下右京が勘づいたのみで、公にならなかった。

season16

風間楓子がエスカレーターから転落した現場に居合わせ、青木年男と共に社美彌子も「容疑者六人」の一人になる。(S16-最終)

この時、社美彌子は青木年男と共に風間楓子に付き添って病院に行っている。

社美彌子の目的は、この件を記事にしないよう風間に因果を含めることにあった。

しかし、青木年男がついてきたことは誤算であった。

痛々しい姿の風間に、青木が不快な言葉を投げかけるため、社美彌子は目的を達することができなかった。

社美彌子は青木年男に「よしなさい、つまらない挑発は」と叱りつけている。

season20

・season20第19話で、冠城亘と社マリアのパパ活疑惑の中傷ビラが各所にバラまかれる。

しかし社美彌子は、土師太(松嶋亮太)を使って青木のPCにバックドアを仕掛け、この中傷ビラの作成者が青木であることを突き止める。

図らずもseason15のPC侵入を、だいたい同じ方法でやり返した形になっています。

この件で、青木年男はついに衣笠副総監を怒らせて見放される。

このことから、冠城亘は社美彌子に「手元におけば役に立つ」と青木を推薦したらしく社美彌子が内調で引き取っている。

season21

第11話「大金塊」では、社美彌子が衆議院議員・袴田茂昭(片岡孝太郎)をコントロール下に置くために、ある事件の証拠の音声データを、警視庁のシステムに侵入して盗んでいたことが判明する。

しかし、ややこしい男・青木年男の裏切りによりデータが杉下右京の手に渡ったため、袴田は検挙され、社美彌子の行動はすべて無駄になった。

season22

第1話「無敵の人」では、社美彌子の指示で「微笑みの楽園」について調査していた青木と特命係が現場で鉢合わせる。

青木はいつもの調子で内調の動きを特命係にべらべらしゃべるが、結果的に社美彌子の思惑どおりに特命係が動いたため、青木をうまくコントロールできるようになったようである。

出雲麗音(いずも・れおん)

出雲麗音(いずも・れおん)/演:篠原ゆき子

season19

社美彌子率いる女子軍団(週刊フォトスによればKBG)のメンバーの1人。

銃撃された後の彼女の人事について、衣笠副総監に、彼女の意向に沿うものにして欲しいと直談判している。

なぜそこまでするのか特命係に尋ねられた際、優秀である出雲礼音に目をかけていることと、男女問わず「傷物になった人材」をやんわり排除しようとする警察の伝統を変えたい気持ちがあることを話している。(S19-1)

石川大輔(いしかわ・だいすけ)

石川大輔(いしかわ・だいすけ)/演:林泰文

この項目は、下記の回の重要なネタバレを含みます

・S22-19、最終話「トレードオフ」

石川大輔とは、広報課時代からの社美彌子の部下である。

劇場版Ⅳ

広報課長・社美彌子の部下として劇場版Ⅳから登場する。

劇場版Ⅳのストーリーは2016年9月のものであり、時系列としては、season15第1話で冠城亘が特命係に異動した後の間もない時期にあたると考えられます。

タブレット端末を抱えて社美彌子について回り、秘書のような役割をこなしている。

season16

第10話「サクラ」では、石川の職務への誠実さと、社美彌子に偏見をもたずに仕える公正な姿勢がわかる回となった。

ある少年による銃撃事件の捜査中、公安部から広報課宛てに報道発表用の原稿が送られて来る。しかし、原稿の内容は、少年が素行不良者であるような印象を世間にあたえる内容であった。

課内のミーティングの席で、石川は社美彌子に「捜査段階でありながらこんな憶測を発表していいのか」と強い口調で意見を述べている。

石川の懸念どおり、その内容は憶測どころかデタラメで、ある少年の印象操作をして世間の目を真実に向けさせないためのものであった。

その後、原稿を無視した社美彌子に圧力をかけるため、社美彌子が外国人スパイと通じていたことが新聞で報じられる。

その翌朝、出勤した社美彌子に対して全員が疑惑の視線を浴びせる中、石川だけがいつもどおりに彼女に声を掛けている

season20

社美彌子が内閣情報官に就任してからも、広報課時代と同様、社美彌子の秘書のように彼女についている。

状況からして、社美彌子が石川を引き抜いたと考えられる。

第11話「二人」では、社美彌子が警視庁の捜査本部のスクリーンをジャックして、オンラインで捜査本部に重要な情報を提供するシーンがある。

この時、石川が捜査本部に待機している様子が見られることから、おそらく社美彌子の執務室と警視庁を繋ぎ、スクリーンのカーテンオープン等の段取りをしたのは彼である。

season21

第11話「大金塊」では、ストーリー終盤で社美彌子と共に登場する。

社美彌子が警視庁から奪ったデータが、内部の人間により持ち出された可能性があることを社美彌子に報告する。

社美彌子は犯人に見当がついており、徒労に終わったこの件を忘れることにする。その決定を聞きながら、石川は恭しく頭を下げている。

season22

第19話、最終話の「トレードオフ」では、内閣官房長官・武智淑郎(金田明夫)に唆され、出世と引き換えに、杉下右京が武智を侮辱するフェイク動画を生成する。そして、その生成の罪を社美彌子になすりつけようとした。

武智が殺害されたことで絶望し、特命係と社美彌子に暴言を吐いて襲いかかるが、亀山薫に取り押さえられる。

石川くん・・・どうして

石川はなぜ社美彌子を裏切ったのか

内閣官房長官・武智が石川大輔に近づき唆した理由は、season20で社美彌子が鶴田翁助(相島一之)の恨みを買ったことにあった。

つまり、石川の裏切りは、社美彌子にとって因果応報ともいえる。

しかし、なぜ石川が武智の誘いに乗って社美彌子を裏切ったのかは、はっきりとは説明されていない。

石川は、特命係と社美彌子の前で「力のある奴(武智)を頼って出世するのも立派な処世術」と話しており、「ヤツ」呼ばわりしていることから武智に心酔していた訳ではなさそうである。社美彌子と共に自身も出世する中で欲が生まれたのか、あるいは、これまで要職の人物を味方にして出世してきた彼女のやり方に影響を受けてしまったのかも知れない。

広報課時代は、社美彌子が道を間違えそうな時は石川が意見することもある間柄でした。しかし、社美彌子が内閣情報官に就任してからの二人の様子をあらためて振り返ると、若干、距離があるように思えます。

衣笠副総監が予言したとおり、上ばかり見て足をすくわれたってことか…

season22第1話で、衣笠副総監が社美彌子について「敵を増やして足をすくわれなきゃいいけど」と、石川の裏切りを予言しているシーンがある

社美彌子の関係者(その他)

風間楓子(かざま・ふうこ)

風間楓子(かざま・ふうこ)/演:芦名星

この項目は、下記の回の重要なネタバレを含みます

・S15-最終話「悪魔の証明」

season15

最終話で、マリアの写真を入手した週刊フォトスの記者・風間楓子が、社美彌子がシングルマザーであることをスクープしたことで、警視庁に激震が走る。

記事が出る前、風間楓子は社美彌子に取材を申し込んでいるが、社美彌子は断っている。

この時の風間は、自分に写真を提供した軍司森一が、社美彌子が共謀していることに気づいていない様子である

season16

風間楓子がエスカレーターから転落した現場に居合わせ、社美彌子が甲斐峯秋らと共に「容疑者六人」の一人になる。(S16-最終)

社美彌子は、風間楓子が固辞するにもかかわらず青木年男と共に病院に付き添う。

社美彌子の目的は、この件を記事にしないよう風間に因果を含めることにあった。

かつて娘の件をスクープされた社美彌子からの頼みであれば、風間も無碍に断ることはないという腹積もりがあったからです。

しかし、青木年男が風間に不快な言葉を投げかけるため、目的は果たされなかった。

season17

最終話「新世界より」では、政府と警視庁がパンデミックの危機を隠蔽した疑惑を、社美彌子からのリークを受けて風間楓子がスクープしている。

この時、風間楓子は社美彌子に「これからもギブアンドテイクの関係でよろしくお願いします」と電話するが、社美彌子は「あなたとそういう関係だと思ったことは一度もない」と返している。

この時の風間楓子は、season15の件が社美彌子の自作自演であると気づいているのでしょう。

風間楓子のキャッチコピーが気になる社美彌子

風間楓子は大衆向けの雑誌「週刊フォトス」の記者として、取材から記事の執筆まで行っている。

記事の執筆の際は、世間の関心を集めるためのキャッチコピーを添えることもある。

season15の記事を読んだ社美彌子は、おそらく風間が考えたであろう「国際派シングルマザー」のコピーに言及し、「分かったようでよく分からない表現」と警視庁上層部の前で評価している。

season19では、広報課美人課長率いる女子軍団、男社会の警視庁の抵抗勢力として「KBG(警視庁ガールズボム)」の記事が掲載される。社美彌子は「KGB」のセンスから風間楓子の記事であると察知し、「なかなかこじゃれている」と評価している。

軍司森一(ぐんじ・しんいち)

軍司森一(ぐんじ・しんいち)/演:榊英雄

軍司森一とは、season15最終話に登場した、キング出版の少年漫画部門の編集者である。

社美彌子とは、東京大学時代に所属していた将棋部の先輩・後輩の間柄であり、学生時代のみ交際していた。

軍司の口振りから、今もなお、社美彌子が頼みごとをしたい時は軍司を自宅に招き、手料理を振る舞う程度の関係にはあるようだ。

ちなみに軍司森一は、season15のみ、風間楓子と交際しているようなシーンがある。

社美彌子と風間楓子の間の、微妙な緊張感の正体がそれであるかどうかはわからない。

社マリア(やしろ・まりあ)

社マリア(やしろ・まりあ)/演:ピエレット・キャサリン(S15)、ギラルド沙羅(S16)、土方エミリ(S20~)

ここからは、下記の回の重要なネタバレを含みます

・S13-1

・S15-最終回

・S16-10

社マリア(やしろ・まりあ)は、社美彌子とヤロポロクの間に生まれた女の子です。

視聴者にはseason13第1話からその存在が明かされていますが、特命係の知るところになるのはseason15からです。

season13

ストーリーの終盤で、外国人風の女の子が社美彌子を「ママ」と呼んで歩み寄り、社美彌子が彼女を抱きしめるシーンがある。

season15

第1話で冠城亘がマリアの存在を知る。

最終話では、マリアの写真と共に社美彌子がシングルマザーであることが週刊誌にスクープされる。マリアの写真には目隠しの線が入っているが、それでも外国人との子であることを警視庁上層部から見抜かれる。(S15-最終話)

season16

ある事件に巻き込まれ、マリアの出生の秘密(警視庁に話した嘘の内容)が世間に報じられそうになる。

この時、社美彌子はマリアを抱きしめて「パパとママに愛されて生まれてきたことを信じてほしい」と涙を浮かべて伝えている。

season20

中学生に成長したマリアと冠城亘のパパ活疑惑の中傷ビラが出回ります。

社美彌子は、そもそも二人が自分を飛び越えて親しくしていることを知らず、二人を呼び出して怒ります。(S20-最終話)

その後、ある記者がマリアに父親のことを教えようと近づきますが、マリアは記者の申し出をきっぱり断り、この出来事を社美彌子に報告しています。

ちなみにママンのことを「スパイのくせに」と茶化すくらい、この二人は仲が良いです

season16で、社さんが外国人スパイと通じていたという報道をネタにしているのだとしたら肝が据わっていますよね

season22

甲斐峯秋の誘いで、マリアを連れて、甲斐峯秋の事実上の孫・小学生の笛吹結平(森優理斗)の学芸会を観に行く。

それがきっかけで、マリアと笛吹結平の交流が始まる。

二人は共に父親がおらず、結平に「ママにパパのことを聞いたことはあるか」と尋ねられたマリアは、父親のことを自分から社美彌子に尋ねたことはなく、「時がきたらママンが自分から話してくれると思う」と話します。(S22-10)

社マリアの出生時期について

season20最終話(2022年3月)において、マリアは「中学生と思しき少女」とされています。

また、マリアと冠城亘の話によれば、連絡を取り合うようになったのは去年の3月くらいで、きっかけは、マリアが冠城亘に電話をし、卒業と入学祝いのお礼を伝えたことだったそうです。

このお祝いを小学校の卒業時とすると、マリアは2009年頃に生まれたことになります。

花の里・こてまり

月本幸子

社美彌子の初登場回では、内閣情報調査室の動きを嗅ぎ回る杉下右京を牽制するために、月本幸子の話を持ち出している。犯罪歴のある女性と親しくしていることが杉下右京の弱みに繋がるのではないかと踏んだためであった。(S13-1)

後に花の里を訪れた際は、幸子に対して「女将さんのことは信頼している」と話し、友好的にふるまっている。

小出茉梨

甲斐峯秋の紹介で「こてまり」に来店する。(S19-2)

特命係の憩いの場であることから来店は控えなければと社美彌子は遠慮するが、小出茉梨から「KGBの会合に使ってください。貸し切りにします」と言われ、「検討します」と笑顔で返す。