【相棒】青木年男(あおき・としお)の性格や過去のエピソードを解説

青木年男という、『相棒』の登場人物の中でもっとも不思議な男についてまとめます。

青木年男の概要

氏名

青木年男(あおき・としお)/演 浅利陽介

登場期間

・season14~

・劇場版Ⅳ

生年月日

1987年11月4日

血液型

AB型

階級

巡査部長

経歴

2010年3月文教館大学経済学部経営学科卒業
2010年~2016年不明(2016年2月の初登場時は公務員。役所のようなところに勤めている)
2016年7月警視庁入庁
同年サイバーセキュリティ対策本部特別捜査官
(season15第1話~)
2018年3月特命係
(season16最終話~)
2019年1月頃サイバーセキュリティ対策本部
(season17第10話~)
2022年3月内閣情報調査室
(season20最終話~)

親族関係

父:青木綱一郎(写真:浅利陽介)

主な登場回

主な登場回概要
S14-15
警察嫌い
・初登場回。市役所らしきところに勤めている。自宅の向かいのマンションで起こった犯行状況を撮影(盗撮)していたが、警察に協力しない。
S15-1
守護神
・警察官を拝命した青木が再登場。冠城と図らずも同期となる。警察学校を卒業後、サイバーセキュリティー対策本部の特別捜査官として、警視庁での勤務を開始する。
S15-8
100%の女
・検事・倉田映子(鶴田真由)の担当事件で、女性教師が目撃証言を変えたことに疑念を抱く特命係。
・特命係に協力し、事件当日の、女性教師の直前の行動を防犯カメラ映像から特定する。
S15-最終
悪魔の証明
・社美彌子の私物のPCに侵入し、その罪を冠城亘になすりつける。
S16-1
検察捜査
・特命係がある事件の被疑者から告訴されたことを、冠城の元上司である法務省事務次官・日下部彌彦(榎木孝明)に密告する。
・青木の密告により、日下部に命じられた検察官・田臥(田辺誠一)が特命係の違法捜査の検挙に向けて動き始める。
S16-8
ドグマ
・外事三課に引き継ぐことが決まった殺人事件の捜査を、独断で継続する特命係。表向きは青木もそれに協力するが、裏で日下部彌彦に再び密告する。
S16-10
サクラ
・同僚の谷崎(柴木丈瑠)にサイバー捜査官としての力不足を暗に指摘される。
・躍起になってPC解析に乗り出すも、犯人が仕掛けた自爆プログラムを作動させてしまい、データを失う。
・汚名返上のため、特命係に事件捜査の協力をしおらしい態度で申し出る。
・ハッキングにより乗っ取られた施設のセキュリティシステムを回復させる。
S16-14
いわんや悪人をや(後編)
・常盤臣吾(矢野聖人)についての捜査結果を、ミッション・インポッシブルのテーマを流しながらビデオカメラの映像で報告する。
S16-最終
容疑者六人
・衣笠(杉本哲太)、内村(片桐竜次)、中園(小野了)、甲斐(石坂浩二)、社(仲間由紀恵)らと共に、風間(芦名星)への傷害事件の容疑者となる。
・事件解決後、青木は特命係への配属となる。
S17-1
ボディ
・特命係に異動させられるも、プライドからか、室内を勝手に区切り、『サイバーセキュリティ対策本部 分室』と書かれたのれんを掲げる。
・週刊フォトスがスクープした行方不明事案の記事を、殺人事件であると言い当てる。
S17-7
うさぎとかめ
・杉下右京が保護した亀に驚かされる
・被害者である国土交通省の官僚・鮫島(山中崇)の出した2年分のハガキの消印を元に、鮫島の過去の居住区を防犯カメラ映像で割り出すよう、杉下右京から指示される。
S17-10
ディーバ
・敦盛代議士(西岡德馬)の孫の誘拐事件捜査に、サイバー捜査官として入る。
・敦盛と警察らの癒着が疑われる動画が神崎瞳子(大地真央)により公開される。
・衣笠副総監の立場が危うくなると察知した青木は、衣笠に休暇に入るよう進言する。こうした活躍が認められ、サイバーセキュリティ対策本部に復帰する。
S17-13
10億分の1
・特命係の依頼で、亡くなった女性のフリマアプリのアカウントから、購入者を調べる。
・不正出品者たちの共通点が、それぞれの勤務先のエリアにあることを突き止める。
S17-19
漂流少年
・杉下右京の依頼で、犯人の車を照会する。
・もったいぶってなかなか教えない青木に、杉下右京が「たまには人をいらいらさせる前にしゃべったほうがいい」と苦言を呈している。
S17-最終話
新世界より
・阿藤(小木茂光)のウイルステロの動きを特命係に知らせた後、自分だけマスクを持ってどこかに逃げようとする。
S18-1、2
アレスの進撃
・行方不明となった杉下右京を捜索する冠城に協力する。
・衣笠副総監の命令で、特命係のいる天礼島に向かう。
S18-12
青木年男の受難
・犯人に拉致監禁され、警視庁のデータベースにアクセスさせられる。
S18-最終
ディープフェイク・エクスペリメント
・特命係一派とみなされ捜査から外されたことを根にもち、特命係に協力する。
S19-6
三文芝居
・元舞台俳優の松野(橋本じゅん)の嘘を暴くきっかけとなる防犯カメラ映像をこっそり特命係に渡す。しかし、感謝の言葉がないことにへそを曲げる。
・水没したPCの一部復元にも成功する。
S20-1~3
復活
・柾庸子(遠山景織子)の死の状況や、加西周明(石丸幹二)が残した鍵について調べる。それにより、特命係は内閣官房長官・鶴田翁助を追い詰める重要な真実にたどり着く。
S20-18
詩集を売る女
・ある事件でマキ(太田莉菜)を調べている冠城亘に呼び出され、休日にもかかわらず、車の番をする。
S20-19、最終
冠城亘最後の事件
・冠城亘に約束を2度すっぽかされたことに立腹し、冠城亘と女子中学生(正体は、社マリア)のパパ活疑惑を週刊誌風にまとめた怪文書をばらまく。
・怪文書の犯人が青木であることが発覚し、衣笠副総監が社美彌子に謝罪する。
・社美彌子に謝罪させられた屈辱から、ついに青木は衣笠副総監に見放される
・冠城亘の働きかけで社美彌子のいる内閣情報調査室に異動する。
S21-11
大金塊
・社美彌子を裏切り、彼女が警視庁から奪った証拠のデータを杉下右京にこっそり渡す(杉下の説明による青木の協力があったことが判明する)。
S22-1
無敵の人
・社美彌子に命じられ「微笑みの楽園」の調査をしていたところ特命係に見つかり、情報をしゃべる。

狂気しかない!青木年男の犯罪行為

青木年男は、相手を困らせたり秘密を覗き見たりすることを、警察官になった後でも普通にやる狂人である。

以下は、青木による狂気としか思えない、青木の4大犯罪行為だ。

該当する回犯罪の内容動機処分
S14-15
警察嫌い
・向かいのマンションの女子大生の部屋を盗撮する(この行為のみ、警察官になる前)趣味・特命係により動画を提出させられたのみ
S15-最終
悪魔の証明
・冠城亘のPCを乗っ取り、社美彌子にウイルスを送りつけ、社美彌子のPCにバックドアを仕掛けて侵入。社美彌子の私物の写真や動画をのぞき見た上、その罪を冠城亘になすりつける。S14-15の仕返し・杉下右京に気づかれ、手汗をかくも処分なし
S16-最終
容疑者六人
・女性記者の背を傘で突いてエスカレーターから転落させ、額を縫う傷を負わせるその記者に対し、衣笠副総監が不快感を抱いていたから・衣笠副総監が庇い、特命係への左遷のみで済まされる
S20-19
冠城亘最後の事件
・冠城亘がパパ活疑惑をしている旨の怪文書を作成し、関係各所にばらまく冠城亘が青木との飲みの約束を断ったから・衣笠副総監を激怒させる
・冠城亘の手配で内閣情報調査室へ

そもそもなんで警察官になれたんだ

警察になってからの処分も甘すぎだろ

衣笠副総監のおかげでしょうね

青木年男の特徴

警察官が大嫌い!

初登場回の「警察嫌い」(S14-15)のタイトルのとおり、青木は「警察が嫌い」である。

殺人事件の犯行状況を撮影した証拠動画を持っている青木は、初めは警察に協力的に振る舞う。

しかし、いざとなると「警察に協力しなければならない義務はない」と手のひらを返し、動画の提出にも面通しの捜査にも協力しない。証拠が手に入ることを期待した警察をもてあそんで楽しんでいる。

最終的には、杉下右京の罠にかかり、意図せず犯人逮捕に協力させられ悔しい思いをする。これが特命係への復讐を誓うきっかけとなった。

特命係に復讐したい!

season15に、警察官(サイバー捜査官)となって再登場する青木。

特命係の部屋を頻繁に訪れ、S14-15で自身を陥れた杉下と冠城への復讐の機会をうかがっている。

しかし、復讐心は表に出さず特命係の前では友好的に振る舞う。

特に、杉下には「過去のことは水に流してほしい」と媚びたり、同期である冠城を飲みに誘ったりしている。(冠城は法務省の官僚であったが、警視庁の警察官に転身。図らずも青木の同期となった)

特命係の前では笑顔を見せる一方で、青木は「いずれ完膚なきまでに杉下さんを叩きのめします」と、チェスの勝負にかこつけて宣戦布告をしたり、自宅では壁に貼った杉下右京と冠城亘の顔写真に画鋲を刺したりしている。(S15-1)

特に、写真に画鋲を刺すシーンは青木の狂気を感じさせるものとなっている。

しかし、青木は米沢さん並みに有能なので、特命係の足を引っ張る回より、特命係の役に立ってる回のほうが圧倒的に多いという…

副総監・衣笠藤治に強いコネがある

この項目は、season16最終話「容疑者六人」の重要な内容を含みます。

青木の父は警察官であり、警視庁副総監・衣笠藤治とは幼なじみで親友である。

青木が言うには、2人は「竹馬の友」。子供のころの関係は今の地位や階級を超越するのではないかと説明している。ただ、衣笠副総監にコネがあることを知られたくない様子で、角田課長に口止めしている。(S15-1)

青木は、衣笠副総監との食事の後に偶然出会った週間フォトスの記者・風間楓子をエスカレーターから突き落とし負傷させた。動機については、衣笠副総監がフォトスをよく思っていないため、衣笠副総監のために自発的に行ったものとされている。衣笠副総監から大河内監察官に話をつけて、特命係への左遷処分となる。(S16-最終)

特命係に青木を異動させるため、衣笠副総監は、宿敵であった甲斐峯秋に「避難場所を提供してほしい」と頭を下げていたことが、後の甲斐との2人の会話で判明する。(S17-1)

season20では、冠城亘と社マリアのパパ活疑惑のビラが出回ったのが青木の仕業であることが発覚する。それにより、衣笠副総監は社美彌子に頭を下げて詫びており、ついに青木年男に「お前の尻拭いはもううんざりだ!」と怒鳴る。逆ギレした青木は衣笠副総監に向かって「クビにすればいい。クビにすれば警察の不都合な真実が全世界に知れ渡るようになっている」と捨て台詞を吐いて立ち去った。

後に衣笠副総監は「平成7年青木綱一郎と」と裏面に記された青木の父とのツーショット写真を取り出し、無言で眺めている。(S20-最終)

写真に写っているのは、青木の父・綱一郎(浅利陽介)と衣笠藤治(杉本哲太)。パトカーの前での1枚である。2人とも制服の上に防刃衣や無線機を装着している様子から、かつて2人で勤務したことがあるのかもしれない。

自信家である

自信家で、さまざまな場面で自身の能力の高さに自信を見せる。

実際に、捜査能力はかなり高いと思われるが、ストーリー中では、人格に問題があるためかまったく評価されていない。

サイバーセキュリティ対策室でも同僚からややバカにされている。

season16の最終話を機に、season17第10話まで特命係に異動させられるも、プライドからか、室内を勝手に区切り『サイバーセキュリティ対策本部 分室』と書かれたのれんを掲げている。

特命係の部屋を訪ねて来た衣笠副総監に「くだらんものは撤去しろ」と叱られている。

冠城亘は数少ない友達?

冠城亘は復讐したい相手でありながら、その一方で、2人で飲みにいくことを心から楽しみにしている様子がある。

そのため、冠城亘が青木年男の約束を(主に女性との約束を優先して)ドタキャンした時は、本当にショックを受けた顔をしている。(S15-1)

また、冠城亘が刺された時は本気で心配している様子もある。(S20-18)

冠城亘への感情をこじらせてしまったのか、冠城亘の最終シーズンとなるseason20の第19話・20話の「冠城亘最後の事件」では、冠城亘のパパ活疑惑の怪文書をばらまくという奇行に走る。

原因は、冠城亘が社美彌子の娘・マリアとの約束を優先し、青木と飲みに行く約束を2度もすっぽかしたことに腹を立てたからだった。

その後、青木が内閣情報調査室のサーバーに何度も侵入したため、内調のトップである社美彌子が動く。土師太(松嶋亮太)を使って青木のPCにバックドアを仕掛けた。

社美彌子に、怪文書の犯人が自分であることを知られた青木。

そのことをまだ知らない冠城亘との電話中、青木は冠城に真実を話そうとするが、何も言えなかった。

冠城との通話を切った後、「お前、友達だよな?」とスマホに向かって話しかけるシーンがある。

一応、後悔してるのかな?

その後、社美彌子から、犯人が青木であることを聞かされた冠城亘は、原因は自分が青木をないがしろにしたせいだとし、社美彌子に謝罪する。

保護者かな?

その後、青木が衣笠副総監からついに見放されたことを知った冠城亘は、社美彌子に話をつけて、社美彌子がトップを務める内調に青木を異動させました。(S20-最終)

チェスの腕前がすごい

青木は特命係の部屋で、杉下右京のチェスの相手をたまにしているシーンがある。

杉下右京によれば「今までの誰よりも歯ごたえのある相手」とのこと。チェックメイトをとって杉下右京を慌てさせた回もある。(S17-6)

なお、後に杉下右京がチェス愛好者の大会の連覇者であることがわかり、その杉下を相手に善戦する青木年男もまた相当な強者であることがわかる。

有能すぎて特命係の役に立ってしまう

人格に問題を抱える青木だが、捜査能力は非常に高い。

米沢守が警察学校に異動した後のseason15からは、米沢守並みに特命係の捜査を支援してしまう。

青木の場合、特命係への復讐の機会をうかがいながら友好的に振る舞う「ついで」にやっているので、その潜在能力は米沢守以上かもしれません。

また、青木年男と米沢守との違いとして、青木の場合(警察官であるにもかかわらず)遵法精神が薄いことが挙げられる。

特に「のぞき」という行為は積極的に行ってしまう癖があり、他の官公庁のサーバーに侵入して情報を取るなどの違法行為を独断で行い、特命係に重要な情報をもたらしている。

適正な捜査手続きのみでは決して手の届かない大物も、青木の違法行為で解決の糸口が見つかったものがある。(S20-1~3など)

以下、青木が人の役に立ってしまった回のまとめです。

主な活躍回概要
S15-1
守護神
・社美彌子に届いた手紙に対する調査を行い、社美彌子を感心させている
S15-8
100%の女
・100%の女と呼ばれる検事・倉田映子(鶴田真由)が、目撃者である教師の証言を変えさせた。特命係の依頼を受けた青木は、街中の防犯カメラ映像から、目撃者の直前の行動を突き止める。
S15-15
パスワード
・特命係の捜査に協力し、被害者が通っていた漫画喫茶の捜査を一人で行い、真相解明に大きく貢献している(捜査のシーンはない)
S17-1
ボディ
・フォトスがスクープした行方不明事案の記事を冠城がトイレに行っている間に調べ、殺人事件であると言い当てる。
S17-9
刑事一人
・サルウィン人の男性が殺害された事件で、杉下のオーダーを先読みし、SNSなどから犯人候補のリストを作成する。杉下に「よく出来ました」と褒められている。
S18-1、2
アレスの進撃
・杉下右京が行方不明となった天礼島で冠城亘が出会った複数の人物を、性別、氏名、外見のみの情報で素性を調べ上げている
S18-12
青木年男の受難
・自分を監禁した犯人の目的を冷静に推理し、制限時間を巧みに引き延ばしながら、ある方法で杉下右京にSOSを送る
S18-最終
ディープフェイク・エクスペリメント
・捜査本部から外されるも、捜査情報を入手して特命係に協力する
・杉下右京の指示でフェイク映像を作る
S20-1~3
復活
・柾庸子(遠山景織子)の死亡時の写真を検察庁のサーバーから入手し、特命係に提供する
・IT長者・加西周明(石丸幹二)が生前に「切り札」と称した一本の鍵から、その建物を特定する
S20-19、最終
冠城亘最後の事件
・衆議院議員・鑓鞍兵衛(柄本明)が自身のSPを「指名」していたことを調べ上げる
・冠城亘の頼みで内調のシステムに侵入し、社美彌子がある記者のことを調べていた事実を突き止める
S21-11
大金塊
・社美彌子を裏切り、彼女が警視庁から奪った証拠のデータを杉下右京にこっそり渡す(登場はなし)
S22-1
無敵の人
・社美彌子に命じられ「微笑みの楽園」の調査をしていたところ特命係に見つかり、情報をペラペラしゃべる

season15以降、特命係への復讐の機会をうかがいながら協力しているが、捜査権をもたない特命係に表立って協力できない状況を考えると、本来のサイバーセキュリティ対策本部の業務の片手間でやっていると推測できる。

ここからも、米沢守並みの処理能力の高さがうかがえる。

実はフィジカルも強い

season18「青木年男の受難」で、青木が見知らぬ相手に拉致される事件が発生する。

青木を心配(?)する特命係と刑事部の面々とのコミカルなやりとりが楽しめる回でもあるが、ストーリーの中で、青木はロープで縛られ、ナイフを突きつけられながら、ある作業をするよう犯人に脅されている。

かなり厳しい監禁状態に置かれたまま救出を待つが、救出されたのは拉致されてからおそらく5日目であった。

青木年男がさらわれた回はこちらにまとめました。

その間の青木は、中園参事官の予想どおり犯人のいいなりになっていたが、犯人の目的を探りつつ、青木らしい機転を利かせ、犯人にはわからない方法で杉下右京に助けを求めるなど、冷静な行動をとっている。

サイバー捜査の技術は普通?

警視庁のサイバーセキュリティ対策本部の特別捜査官として在籍できている時点で、青木は相当なサイバー技術の持ち主であることは間違いない。

しかしながら、他の捜査官(谷崎莊司や土師太)に比べて技術的に秀でている描写は特にない。

むしろ、その調子に乗りやすい性格から、相手の仕掛けた罠にかかるなどのミスもしており、他の捜査官からは下に見られているようである。

交番のPCが乗っ取られた事件の際には、青木はそのPCの解析役を申し出るが、谷崎に「青木君では力不足かと」と言われてしまう。案の定、青木はPCに仕掛けられた自爆プログラムを作動させてしまい、犯人につながるデータを失ってしまう。(S16-10)

身近な人間を裏切ることも

青木年男は親しい人物であっても、約束を断った、叱られたなどの理由で相手に屈折した感情を抱き、陥れようとするところがある。また、単に自分の性癖(のぞき)で行動する場合もある。

被害者青木年男の行為
杉下右京・冠城亘・特命係が、ある殺人事件の被疑者から告訴されていることを法務事務次官・日下部彌彦に密告する。日下部の命を受けた検察官が特命係の違法捜査を立件する流れに発展する。(S16-1)
冠城亘のみ・冠城亘のPCにウイルスを仕掛け、社美彌子のPCへ侵入し、冠城に罪をなすりつける(S15-最終)
・冠城亘のパパ活疑惑を書いた怪文書をばらまく(S20-最終)
衣笠藤治・世話になった衣笠に怪文書の件で激怒された際、自分をクビにしたら警察の不都合な真実が全世界に知れ渡ると捨て台詞を吐く(S20-最終)
社美彌子・社美彌子の私物PCのデータを、冠城亘のPCを介して設置したバックドアから趣味でのぞく(S15-最終)
・内閣情報官である社美彌子が警視庁から奪ったデータを青木が奪い返し、杉下右京に渡している(S21-11)

青木年男の2つの謎

衣笠副総監との関係

衣笠副総監にとって青木年男は、親友・青木綱一郎の息子であり、生まれた時から知っている存在。

season16の女性記者への傷害事件を振り返り、宿敵であった甲斐峯秋に「ろくでなしの出来損ない」「一言で形容するなら”出来が悪い”」と漏らしている。(S17-1)

余談だが、甲斐峯秋もまた「ろくでなしの息子」を大切に想い続けている立場。初めて衣笠と甲斐峯秋が心を通わせているシーンである。

一方で、衣笠は青木は2人きりになった時、衣笠が青木の内ももを撫で回し、青木も特に拒んでいない場面がある。当初はもしかするとそういう設定があったのかもしれない。(S16-最終)

衣笠は甲斐峯秋から、「青木は親友の息子である以上の存在ではないのか」と尋ねられるが、それに対しては特に答えていない。(S17-1)

警察が嫌いな理由

青木がなぜ警察嫌いになったのか、明確な理由は明かされていない。

初登場回で、警察官である父親の話をされて怒り出したことから、父親に関係している様子がうかがえるが、未だに不明である。

息子の罪を隠蔽しようとする政治家の事件が発生したとき、その圧力に警察が屈したことについて「だから警察は嫌いだ」と腹を立てている。