【相棒】政財界のフィクサー・浦神鹿(うら・しんろく)を解説

浦神鹿は、season23「怪物と聖剣」、season24「信用できない語手」に登場する、政財界を牛耳るフィクサーです。
レアメタルの鉱山を所有しているなど、その資産規模は計り知れません。作中では少なくともプライベートジェット機や複数の不動産を所有していることが示されており、海外と日本を行き来しながら、仕事をせずとも趣味のようなことをして生きていけるほどには、ゆとりのある生活を送っています。
杉下右京の言葉を借りれば、「世界が燃えるのを見て笑うような男」。決して油断できない危険な人物です。

浦神鹿とは

キャスト

毎熊克哉

登場回

怪物と聖剣(season23第18話・第19話)

・放送日 2025年3月5日・3月12日

・脚本 真野勝成

・監督 橋本一

信用できない語手(season5第11話)

・放送日 2026年1月21日

・脚本 真野勝成

・監督 橋本一

浦神鹿の生い立ち・親族関係

生い立ち

浦神鹿は10歳のときに、住んでいたアパートが火災で焼失し、共同生活をしていた複数の男女(浦神鹿との関係は不明)と死別しました

その後は児童養護施設で暮らしていましたが、福祉への支援に熱心だった浦光悦に見込まれ、浦家の養子となります。

このときに「神鹿(しんろく)」という名を授かりました

神鹿っていうのは、神様の使いのシカなんだって

浦家の家族構成

以下が、浦家の家族構成です。全員、24年前の放火殺人事件により亡くなっています。

父 浦光悦(うら・こうえつ)

母 浦雅子(うら・まさこ)

兄 浦政周(うら・きよちか)

姉 浦鏡佳(うら・きょうか)

浦神鹿の養子

浦神鹿には、自身が養子とした男性(田代魁音)がいます。
しゃべらず動かず、無表情のまま空を見つめ、浦のいる部屋に人形のように立っているだけです。養子であること以外の詳細は、名前も含めて明かされていません。
浦神鹿は「父と同じことをしたかった」と語っていますが、その真意もまた不明です。

どう見ても健全な環境で生活できていないよね…

作品中には出なかったけれど、脚本家の真野勝成さんのSNSで名前は「月詠」であることが明かされています

この養子には、浦神鹿の計画の“仕上げ”となる、ある役割が与えられていました。

浦神鹿は何をした?

政財界のフィクサーとして一岡を擁立

「怪物と政権」で、浦神鹿は政財界のフィクサーとして暗躍します。

政治とは無縁だった一岡光(いちおかこう/片桐仁)を政治家として担ぎ上げ、その一岡は都知事に当選します。さらに与党からの国政進出を宣言し、総理の椅子にも手が届く存在となっていきました。

一岡は都知事になるために手段を選ばず、トクリュウと手を組んで前知事を殺害します。

都知事就任後も、100億円規模の都税を自分に都合の良い事業へ流し、邪魔な人物はトクリュウに排除させることで、その地位を確固たるものにしてきました。

しかし浦神鹿は、一岡に対して特別な思い入れや責任感を持っていたわけではありません。

特命係によって、一岡とトクリュウとの関係が追及され始めると浦神鹿はあっさりと見放しました。

まるでおもちゃに飽きたかのように一岡への関心を失くす浦神鹿ですが、その一方で、一岡の闇に切り込んできた杉下右京には強い興味を示します。

最初は、偶然を装って杉下右京の行きつけの紅茶店に現れ、ここから杉下右京のことを「友達」と呼び始めるんだ

その後、こてまりにも出没していたね

でも、浦神鹿が一岡の件の黒幕だと分かったあと、杉下右京の態度は冷ややかなんだ…

杉下右京にある事件の再捜査を依頼

「信用できない語手」では、初めて出会った紅茶店にて浦神鹿が杉下右京を待っていました。

理由は、24年前に起きた浦家の放火殺人事件について、杉下に再捜査を依頼するためです。

この事件では、当時高校の寮に住んでいた神鹿を除き、家族全員が死亡しています。

犯人は敷地内で焼身自殺した庭師の上村五郎とされました。

上村が犯人と判断された理由は、犯行予告にあたる手紙が見つかったためです。

その手紙には、上村が神鹿の姉と愛し合っているものの、浦家の反対にあい、家ごと燃やす決意を固めたことが記されていました。

しかし、特命係が改めて調べたところ、この手紙の筆跡は、上村のものとはまったく異なっていたことが判明します。

当時の警察に、上村の筆跡鑑定のための資料を提供したのは浦神鹿でした。

さらには、浦神鹿の周囲では、これと同じような恋愛がらみの放火殺人事件が、これまでにも発生していたことが判明します。

正体は連続放火殺人犯

杉下右京による再捜査の結果、浦神鹿は連続放火殺人犯であったという、フィクサーである以上に衝撃的な事実が判明するよ…

浦神鹿は、自身の家族や、高校時代の同級生4名の父親を、自ら考え出したストーリーをもとに、犯人を別の人物に偽装して殺害していました。

浦神鹿の家族については、姉と恋愛関係にあった庭師の男が放火殺人を行い、その後、焼身自殺を遂げたというストーリーが、庭師を騙った手紙によりでっちあげられました。

同級生の父親4名についても、父の恋愛相手その関係をよく思わない人物との三角関係を仕立て上げ、同様の放火殺人のストーリーをでっちあげています。

これにより、浦神鹿が殺害した人数は、少なくとも17人(浦の家族4名+庭師を含む)にのぼります。

しかし、どの事件も現場が火災によって焼失しているため、浦神鹿が犯人であると示す物的な証拠は残されていません。

浦神鹿の人物像

続いて、浦神鹿の人物像をまとめます。

嘘をつく

杉下右京が面と向かって指摘してしまうほど、浦神鹿の話す言葉には真実がありません。

たとえば、浦神鹿は職業当てが得意であるとし、杉下右京を警察官だと言い当てます。

しかし、実際には一岡を調べている刑事として事前に杉下右京のことを知ったうえで近づいていたと考えられます。

また、浦のことを「何者でもない」とする杉下右京に対し、自分を「無職」と伝えますが、実際の浦神鹿は政財界のフィクサーでした。

本人は、フィクサーは仕事ではないからと後に弁解しているよ

人当たりがよい

浦神鹿と出会ったばかりの杉下右京は、浦との職業を当てる推理ゲームに興じ、とても楽しそうに過ごしています。

また、「こてまり」の小出茉莉には、狩猟で仕留めた真鴨(マガモ)のオスを差し入れ、喜ばせていました。

食材として価値が高いらしいです。

24年前の事件の再捜査においても、担当した神奈川県警の担当者が「神鹿さんから協力するよう頼まれている」といい、快く資料提供に応じてくれます。

終わった事件の再捜査を警視庁の警察官が行うことは、きっと気分の良いものではないはずですが、このあたりも浦神鹿の人当たりの良さが関係していると考えられます。

浦神鹿って、不思議な雰囲気だけど、普通に面白そうな人に見えるよね

わかる

あんな感じの友達になつかれたら、俺はちょっと嬉しいわ

杉下右京になつく

「怪物と聖剣」では、一岡に話を聞くため特命係が都庁へ突撃したその夜、浦神鹿が杉下右京の行きつけの紅茶店に現れます。

このときの浦神鹿って、本当はどういうつもりだったんだろうね

一岡が順調に権力を強めるなかで、好敵手みたいな存在がほしかったんじゃないかなあ

初対面の席では、浦が書きたい小説のテーマである「悪」について意見を交わします。

浦神鹿は杉下右京を気に入ったようですが、杉下右京は浦神鹿の考え方を聞いて、やや距離を取りはじめます。

友達になってください」と手を差し出す浦神鹿ですが、杉下はその手をとらず、自身のティーカップを持ち上げ、乾杯のようなしぐさをするにとどめました。

得体の知れない危険を感じ取ってるんだろうね

ここから浦神鹿は杉下右京を「友達」と呼んでいるんだ

亀山薫によれば「絶対になつかない犬がなぜかなついてる」ように見えるらしい

政財界のフィクサー

浦神鹿は、政財界を裏で動かすフィクサーでした。

「怪物と聖剣」では、一岡の総理大臣への就任が現実になろうとしていました。

これにより一岡は、自身が総理となった後の政財界の構図について話し合うため、極秘の会合を開きます。

参席していたのは、官僚や政財界の大物ばかり。

総理の代理として、内閣官房長官と内閣情報官の社美彌子、それに警視庁副総監の衣笠藤治も来ていたね

その場に、遅れて現れたのが浦神鹿でした。

そうそうたる面々がそろうなか、浦神鹿は堂々と上座に座ります。

そして、まだ誰も飲食に手をつけていないにもかかわらず、ビールを手酌で勝手に飲み始めました。

もちろん、一岡がそれを咎めることはありません。

この場における最高位が誰なのかは、その振る舞いから明らかでした。

人を支配する能力がある

「信用できない語手」では、浦神鹿の高校時代の同級生4名の父親の死に浦神鹿が深く関わっています。

しかし、同級生らが浦神鹿のアリバイを証言してきたため、これまで捜査の手が及ぶことはありませんでした。

なぜこの同級生らは浦神鹿をかばい続けるの?

どうやら彼らは浦神鹿に心酔しきっており、「親殺し」を乗り越えるべき試練であるかのように受け入れています。

4人とも社会的地位もあるのに、どうやって殺人に関わらせるまで支配したんだろう…

共犯関係の中で、支配関係もどんどん強まっていったみたいだね

浦神鹿の目的

浦神鹿の言動などから、考えられるものを挙げてみます。

悪が社会にもたらすものを見てみたい

「怪物と聖剣」で浦神鹿は、「悪がもたらす恩恵」をテーマに小説を書きたいと、杉下右京に語ります。

杉下右京と初めて話したとき、浦神鹿はインドネシア産の茶葉で紅茶を飲みながら、この茶葉はもともと植民地支配によって現地の人々から搾取されたものだと話し始めます。

しかしその結果、かつてはヨーロッパの貴族だけの嗜好品だった紅茶を、今では自分たちが楽しめている。これは人々が「悪の恩恵」を受けている例だとは言えないか、と杉下右京に問いかけます。

杉下右京は、それも一つの見方ではあるものの、物事は多面的であり、それだけで語れるものではないって感じで応じているよ

いっぽう、利権まみれの一岡に好き勝手をさせていた浦神鹿ですが、一岡おろしの伺いを立てに来た社美彌子に対し、一岡のことを「時代のねじれから出た排泄物」「あんな糞みたいな人間でも総理になれると、若者に夢を見せたかった」と語ります。

一岡をまったく大事に想っていないことだけはよくわかった!

さらにこの時、手に持っていたグラスを壁に叩きつけて割り、人々の思いがぶつかり合い、音を立てて壊れる様をたのしんでいるかのような言動をします。

浦神鹿は、杉下右京には「悪にもいいところがあるとは思わないの?」と問いかけておきながら、自身はどの立場に立つこともなく、こうした正義や悪がぶつかり合っていくところが見たかった(≒一岡VS杉下、どんどんやって!)のではないでしょうか。

小説を書くための予行演習?

なんと、浦神鹿は本当に小説を書こうとしていたことが判明するんだ!

「信用できない語手」での浦神鹿の行動は、いつか浦が本当に小説を書くための予行演習だった可能性があります。

そう考えると杉下右京を巻き込んだのは、物語に優秀な刑事役がほしかったためであり、途中にでてくる奇妙な嘘(放火された家屋は現代建築なのに、それを武家屋敷と言う等)については、小説の技法の表れか、あるいは「今作っているストーリー上の設定」であったと解釈することもできます。

浦神鹿の「小説家志望」は本当だった

初対面の際、浦神鹿は杉下右京に、小説家を志望していると話しています。

もっとも、「まだ一行も書けていない」とも話しており、これにより杉下右京は冗談半分に受け取っていました。

ところが再登場回では、浦神鹿のデスクの上に、一文字も書かれていない原稿用紙とペンが置かれていることが確認されます。

少なくとも、小説を書こうとする気持ちは本当にあったようです。

さらに、小説の参考資料として、「親殺し」に関する書籍も発見されました。

これらの状況から杉下右京は、浦神鹿がこれまで起こした一連の事件は、どうやら本当に小説を書くためのものだったと推理します。

杉下右京を刑事役として自分の小説の世界に巻き込む

浦神鹿は、日本に帰国するたびに、同級生4人の父親を、1人ずつ順番に殺害してきました。

そして最後の1人・甲元の父親の番になって、好敵手として杉下右京を物語に巻き込むことを思いついたとみられます。

理由は、「物語には強い敵が必要」だから。

甲元にとってはたまったものじゃないだろうけど、浦神鹿がそう言うなら仕方ないもんね…

浦神鹿は「信用できない語手」という技法を用い、自らが語り手となって嘘を織り交ぜながら、杉下右京を真実に向かわせていきます。

杉下右京を、犯人を追い詰める刑事としてむりやり参戦させたんだね

浦神鹿の結末

浦神鹿の計画の仕上げは、自身の死を偽装し、捜査機関の追及から永久に逃れるものでした。

死亡扱いになれば戸籍とかなくなるから普通は生きていけないけれど、浦神鹿ならそれも問題なさそうだもんね

本当によく考えられてるなあ……

ところが、その計画を浦神鹿自身が台無しにしてしまいます。

警察内部にいる自身の協力者や、計画の仕上げとして失踪宣告を出してもらうはずだった養子を殺害してしまうのです。

ええ!?

失踪宣告までの1年間、おとなしく潜伏していれば、浦神鹿は逃げ切れるはずでしたが、これによりついに物的証拠を残した殺人を行ってしまいます

さらには浦神鹿の同級生たちも杉下右京に説得され、過去の罪について警察に話し始めました。

こうして浦神鹿は、政財界を操るフィクサーの立場から、逃亡犯へと転落したのです。

どんな形で再登場するのか、まったく想像がつかないね

留置場とか拘置所での再会になるのかな

拘置所の中からでも人を操ってくる人物が、「相棒」には居るからね…

「浦神鹿」の回を観るなら

テレビドラマ相棒の全シーズンは「TELASAの見放題プラン」やAmazonプライムビデオのサービス「TELASA for Prime Video」にて有料配信されています。

TELASA for Prime Video」は時々お得なキャンペーンをやっているので、チェックしてみてくださいね!

サブスクで観るなら

「浦神鹿」の登場回

・相棒23第18・19話「怪物と聖剣」、相棒24第13話「信用できない語手」

 浦神鹿の登場回です。

浦神鹿の回とあわせて観たい「おすすめ回」を紹介します!

・相棒14第12話「陣川という名の犬」、相棒15第16話「ギフト」

 浦神鹿と同じ脚本家・真野勝成さんが描くシリアルキラー「北一幸」が登場する回です。

・相棒12第13話「右京さんの友達」

 紅茶を通じてできた、杉下右京の本当の友達の話です。