【相棒season23】第18話・第19話 「怪物と聖剣」を解説

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相棒season23の最終エピソードです。前篇・後篇の2話構成となります。トクリュウによる強盗事件、熱狂的な人気を集める都知事、公共事業と利権、政財界を牛耳る若きフィクサー、現場の警察官の想いなど、さまざまな要素が絡む見応えのある回。元東京地検の黒崎の再登場、かつての相棒の冠城亘に関する話題、そして社美彌子が活躍を見せるなどファンにとって嬉しい要素もあるなか、浦神鹿という新たな不穏分子が杉下右京に近づきます。

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「怪物と聖剣」の概要

放送日

・2025年3月5日「怪物と聖剣」

・2025年3月12日「怪物と聖剣~決戦」

主な出演者

浦神鹿/毎熊克哉

一岡光/片桐仁

木原健二/平山祐介

橋迫倫子/愛希れいか

橋迫ほまれ/山中七

黒崎健太/内田裕也

相棒のレギュラー

杉下右京、亀山薫、亀山美和子、小出茉莉、伊丹憲一、芹沢慶二、出雲麗音、角田六郎、土師太、大河内春樹、内村完爾、中園照生、衣笠藤治、社美彌子

脚本

真野勝成

監督

橋本一

「怪物と聖剣」のあらすじ

集団で覆面をかぶり住宅に押し入り、家人を脅して金品を奪う強盗事件が都内で相次いでいた。
犯行は、いわゆる匿名流動型グループ、通称トクリュウによるもの。
猫の手も借りたい匿名流動型犯罪の統合捜査本部に杉下右京と亀山薫も駆り出される。

特命係に割り当てられたのは、武蔵多摩川市の閑静な住宅街。

このエリアで二人は被害者宅を訪問し、聞き込みを行うこととなった。

被害者たちに聞くと、どうやらこのエリアを狙った犯人は、無計画に家を選び、行き当たりばったりに犯行を重ねているようだった。



ところが、最後に訪れた橋迫倫子(愛希れいか)という都議の自宅だけは、別の目的を感じさせた。
犯人たちは、都議の母と娘のほまれ(山中七)を長時間拘束し、明らかに都議本人の帰宅を待っていたという。
そして夜になっても倫子が戻らないと知ると、用意していた黒色のスプレーで室内を汚染し、そのまま立ち去った。
さらには、この事件では他の強盗現場にはいなかった、一人称を「オイラ」とし、腕にニワトリの刺青を施した男(平山祐介)が加わっていることも判明した。


橋迫倫子には、狙われる心当たりがあった。
先日、都の公共事業や助成金に関する内部の決裁書類のコピーと思しき文書が、彼女の事務所に送られてきていたのである。
その文書からは、都の税金の100億円以上が、必要性の不明確な事業に十分なチェックもないまま流出していることが読み取れた。
文書の真偽を確かめるべく、彼女は都に同じ書類の開示請求を行う。
しかし、交付された文書は、ほとんどが黒く塗り潰された、いわゆる「海苔弁」の状態。

事件の翌日、スプレーで汚染された部屋を見た橋迫都議は、この文書のことを思い出したという。

つまり橋迫の自宅だけは、トクリュウによる無差別強盗を装った、個人への警告だったのである。
さらに橋迫によれば、現職の都知事・一岡光(いちおかこう/片桐仁)は、この文書の解明に非協力的だという。前知事による同様の不正を追及した際には協力的だっただけに、その態度は不自然に思われた。
話を聞いた特命係は都庁を訪れ、一岡を直撃する。
一岡は、文書は各方面に出回っており内容はでたらめで、倫子が功名心から騒いでいるだけだと一蹴した。
しかし杉下右京が、文書偽造事件の証拠品として本物の文書の提出を求めたところ、一岡はこれを拒否する。


一岡に接触した日の夜、杉下右京は、行きつけの紅茶店で浦神鹿(うら・しんろく/毎熊克哉)と出会う。
二人は紅茶を前に会話を交わすが、浦が語る「悪」についての考え方は、杉下右京とは相容れないものだった。
浦が友達になってほしいと手を差し出すと杉下右京は、一度は手を出しかけるも、そのままティーカップを持ち上げ、乾杯のような仕草を見せるにとどめた。
100億円という巨額の利権が絡む、全貌の見えない敵を相手に、特命係は捜査を進めていくことになる。

「怪物と聖剣」の見どころ

トクリュウの捜査で全員が協力

現実世界とリンクする形で、相棒の世界でも、トクリュウによる強盗事件が問題視されています。

捜査本部の指揮を取るのは角田課長。

その訓示にも気合いが入っており、捜査員たちのモチベーションはかなり高め。

捜査一課の伊丹・芹沢・出雲はもちろん、鑑識の益子やサイバーの土師太もまた、係の垣根を超えて特命係とともに力を合わせます。

令和の頂上作戦である!がかっこよかった!

捜査本部に現れる社美彌子

トクリュウの捜査は内閣総理大臣の肝入りであり、そのためか捜査本部には内閣情報官の社美彌子の姿もありました。

特命係の担当エリアについては、社美彌子が角田課長に何やら指示をしている様子がうかがえます。

その結果、橋迫都議の自宅が含まれるエリアが、特命係に割り当てられることになりました。

社美彌子のこの動きの理由は、後ほど解説します。

黒崎健太が再登場

杉下右京は、黒崎健太(内田裕也)と「こてまり」で再会します。

杉下は、橋迫都議の自宅に届いた文書を黒崎に見せ、元・東京地検特捜部としての見解を求めると、黒崎は本物である可能性が高いと述べます。

また、記載内容から、都のチェック体制はかなり甘いと感じたようです。

検事から記者に転向した黒崎に、こうしてネタを提供することで気にかけてるところもあるのかな…

そうかもね
黒崎が検事をやめたのは、杉下右京が捜査に巻き込んで、当時の法務事務次官の日下部彌彦(榎木孝明)の怒りを買ったことが関わっているからね

橋迫都議の娘・ほまれが大活躍

自宅で犯人たちに拘束され、目の前で祖母に暴力をふるわれるなど、非常に怖い思いをした娘のほまれ(山中七)。

しかし、賢く正義感のある彼女は、警察に報告するために犯人について思い出したことをメモしていました。

彼女の勇気ある証言により、事件のキーマンとなる「ニワトリ男」の存在が明らかとなります。

クレイジーなニワトリ男が登場

橋迫都議の自宅に押し入った、前腕にニワトリの入れ墨を入れた「ニワトリ男」の正体は、唐揚げのキッチンカーを営む木原健二(平山祐介)。

木原は陽気で少年には優しいものの、大人には容赦がありません。

木原の「イージー、イージー♪」は結構好き

警察が刺青の存在に気づいたことを知り、自分の身代わりを立てることに。

木原は、裏ではトクリュウグループの上位の人物

闇バイトに応募したとみられる若い男に、事情を知らせないまま自分と同じ刺青を入れさせた後、強盗事件で奪った高級皿を換金させて警察にマークさせたところで、自死に見せかけ殺害しました。

さらに、木原とともに橋迫都議の自宅に押し入ったメンバーも、水死体となって発見されます。

あっという間に3人も……

ためらいがなさすぎて怖いな

そして4人目の被害者は、不正の隠蔽に耐えきれなくなった都庁の女性職員でした。

彼女は橋迫倫子の事務所を訪れ、問題の文書が本物であることを証言します。

しかし、事務所を出たあと、彼女もまた自死に見せかけて殺害されてしまいます。

これで、4人目…

まだ杉下右京たちは気づいていないけど、最終的には、前知事を含めた5人になるんだ

ひえ…

ただし、杉下右京が「頭が良くない」と指摘したとおり、木原の隠蔽工作はそれほど巧妙なものではなく、しかもほぼワンパターンでした。

身代わりとなった男性も、刺青が亡くなる直前に入れたものだって速攻でバレてたね

都庁職員の殺害は、他県で解剖医の不足しているエリアを選んではいたけれど、さすがにこのタイミングで警視庁が見逃すはずはなかったね

こんなずさんな感じで、なんでここまで大それたことができるの?

そりゃあバックにあの人がいるからよ…

一岡の正体

都知事の一岡は、自らを天才政治家と称し、派手なパフォーマンスで熱狂的な支持を集めていました。

その人気を高めた理由の一つは、前知事の不正会計を糾弾したことです。

前知事は火災によりすでに亡くなっていますが、その不正を橋迫都議らと追及した姿勢は都民の心をつかみました。

インターネット上は一岡を賞賛する動画であふれ、小出茉莉によれば、お客さんたちが突然、「(都知事なら)一岡一択」になったといいます。

そして一岡は与党からの誘いを受けて、ついに国政に乗り出すこととなります。

一岡の人気にあやかり、政権の支持率を上げようってことだよね

そうだね

でも飛ぶ鳥を落とす勢いの一岡は、その誘いに「総理の椅子一択」をつきつけるんだ

勢いに乗る一岡が、このまま総理になるのは、そう遠くない現実でした。

そんな一岡の正体は、都民の税金100億円を使った、利権をむさぼる怪物の一角

木原健二を使って邪魔な人物を排除しながら、動画制作会社に数億円規模の資金を流し、自身を賞賛する動画で世論を操作してきたのです。

都民の税金を使って、どんどん力をつけていったってことか!

こんなのどうやって止めるんだ…

強い敵は、やっぱり外堀からだ!

反撃開始 亀山薫、ホームレスを装う

木原たちにやられっぱなしの警察でしたが、ここから反撃が始まります。
木原が橋迫都議の自宅に押し入った証拠をつかむため、亀山薫は木原と一緒にキッチンカーをやっている、トクリュウの仲間の男に接近します。

その際、亀山はホームレスを装い、生活に困っている人物として近づきました。

男はそんな亀山に、トクリュウのバイトを紹介し、仲間内で使用しているスマートフォンを亀山に渡しました。

このスマートフォンを突破口に、警視庁は一気に捜査を進展させます。

そしてついに木原健二を逮捕。

ところが、逮捕されても木原は余裕たっぷりです。もちろん一岡の名前もだしません。

杉下右京は、木原がここまで余裕をみせることに違和感を覚えます。

一岡に忖度する衣笠藤治と物申す亀山

警視庁副総監の衣笠藤治は、次期総理候補と目される一岡に、特命係がこれ以上関わることを避けたい考えがありました。

一岡のもとに政財界の大物たちが集まった秘密の会合にも、しっかり出席していたね

身の振り方は天才的だもんね

特命係と甲斐峯秋さえいなければ、きっとすごく出世していたんだろうね

一岡を追う特命係を捜査の前線から外す目的で、遺失物センターへの応援を命じます。

ここで亀山薫が、衣笠をはじめとする警視庁幹部に対して率直な想いをぶつけます。

現場で日々危険な目に遭いながらも被疑者を追っているのは、警察組織の一員であることに誇りを持っているから。そんな気持ちでやっているのに上がそんな姿勢ではやってられない」と、このような意味合いの、現場の刑事らしい意見を述べるのでした。

ついに木原と一岡が結びつく

警視庁は、大河内監察官を特命係の監視に付けます。

しかし、先ほどの亀山薫の言葉に感化されたのか、大河内もまた「中間には中間の想いがある」とし、特命係に協力します。

大河内が取り寄せた都庁の防犯カメラ映像を確認する杉下右京。映像から、木原健二がたびたび都庁を訪れ、一岡と密会していたことがわかります。

ついに二人の接点の証拠がでてきたね!

ところがこの二人の結びつきは、特命係が想像していたよりはるかに強いものだったんだ!

さらに、木原のSNSでは、何気ない日常の投稿が、一岡と密会したタイミングと合致することも判明しました。

それを見て、過去の投稿にさかのぼる一同。

すると、前知事が火災で亡くなった日、なんと犯行に関わったことを仄めかす投稿が見つかります。

木原は一岡のため、前知事に対する放火殺人までも行っていたんだね…

都知事になりたかった一岡は、再当選の可能性が高い前知事がじゃまだったんだ

天下取りで人を殺害するのか…

発想が戦国時代じゃん

あっ、それで”本能寺”か…放火と焼き討ちを掛けてるのかと思ってた

想像を超える強い結びつきのあった、一岡と木原。

逮捕後も余裕を崩さない木原の態度から、杉下は、木原が一岡に裏切られないための「保険」を用意しているのではないかと推理します。

そして、木原が強く執着していた「あるもの」から、彼の「お守り」となるUSBメモリが発見されました。

木原が隠していた切り札

木原は、実行犯である自分が一岡に切り捨てられないよう「保険」もちゃんと用意していました。

それは、一岡から殺人を指示された密会現場にカメラを仕掛け、その様子を録画していたことです。

木原はその映像データをUSBメモリに保存して隠していました。

初歩的な方法だけど、データを隠すのはやっぱりアナログが強いね!

だね!

ネットワークから隔離した小さな記憶媒体に入れて、それを物理的に隠したら見つけようがないもんね

杉下右京はそれを推理力で見つけちゃうんだけど…

この証拠映像を使い、杉下右京はある作戦を思いつきます。

「対話を重んじる」とする一岡の姿勢を逆利用し、杉下右京は遊説中の一岡と直接対決に出ました。

公衆の面前で、木原との関係を説明するよう迫られた一岡。

ついに、警視庁に出頭します。

ここから一岡の破滅がはじまるのです。

杉下右京を「友だち」と呼ぶ浦神鹿

杉下右京が紅茶店で出会った男、浦神鹿の正体は、政財界に強い影響力を持つフィクサーでした。

一岡を見出し、今の人気に至るまで担ぎ上げてきたのも、浦だったのです。

もっとも、浦は一岡の味方というわけではありません。

一岡が、総理の椅子は確実であると報告に訪れた際も、浦はどこか興味なさそうに「友だちはいるのか」と問いかけます。

浦の言う友達って「好敵手」みたいなニュアンスがある気がするね

一岡が、税金をばらまくことで支持を集め、上り詰めていく姿は、浦が期待していたものとは違っていたのかもしれません。

浦の口から語られる一岡は、「時代のねじれから出た排泄物みたいなもん」。

浦はそんな一岡を火種として社会に放り込み、激しくぶつかり合い壊れ合う姿を見たかったようです。

浦神鹿に見放される一岡

木原との関係で、ついに警視庁の取り調べを受けることになった一岡。

しかし、その不誠実な態度に亀山薫が感情を抑えきれず掴みかかろうとしたことで、一岡は鬼の首をとったかのように歓喜して騒ぎます。

亀山を訴えるとか、弁護団を組むとか言ってるやつだね

取調べ中のその録画映像を、社美彌子によって見せられた浦は笑い、一岡を助けようとはしませんでした。

社美彌子の行動の意味

社美彌子は、橋迫都議の自宅の聞き込みを特命係に割り当てるよう手を回しており、このことが気になっていた視聴者も多いと思います。

また、今回の事件にはもう一つ謎があります。

いったい誰が、橋迫都議らに文書を送ったのかということです。

実は、文書を送ったのは社美彌子でした。

なぜ社美彌子は文書を送ったのか

橋迫倫子に届いた都の不正会計に関する文書は、警視庁副総監・衣笠の説明で、警察内部から漏れたものであることが判明しています。

そもそもなぜ警察が都政に関わる文書を持っていたのかというと、どうやら都が助成する団体の中から天下り先となり得る組織を把握するため、都と警視庁の間で慣習化した書類のやり取りだったようです。

あくまで、架空の衣笠というキャラクターが言ってるだけだから!(汗)

ここからの経緯は詳細には説明されていませんが、社美彌子もまた、この文書を例年入手できる立場にあったものと思われます。

ところが今回入手した文書、つまり一岡が知事となってからの文書には、前述のとおり100億円規模の税金がよくわからない事業に流れていることが読み取れるものでした。

これにより社美彌子は、不正そのものを告発するためではなく、国の情報機関のトップとして、これほどの利権を握る存在の正体を確かめないまま、放置することができなかったのだと考えられます。

そこで、少々乱暴な方法ではありますが、文書を各所に送りつけ、その反応を見ることで、不正に関与している人物をあぶり出そうとしたのです。

そしておそらく沈黙する一岡に対し、社美彌子は早い段階で疑念を抱いていたと考えられます。

社美彌子の想定外とは

ところが想定外だったのは、文書の真偽を確かめるべく動いた橋迫都議を脅すため、トクリュウを装った事件が発生したことでした。

さすがの社美彌子も、木原のようなクレイジーな人物が一岡の周囲にいるとは予測できなかったのでしょう

そこで、社美彌子は角田課長に依頼し、特命係に橋迫都議への聞き込みを割り当てます。

特命係を巻き込めば、早期に全容を解明できるというねらいがあったのでしょう。

社美彌子が特命係の部屋にやってきた理由

社美彌子はストーリーの途中で一度、特命係の部屋を自ら訪ねています。

その目的は、一岡について特命係が得ている情報を把握するためでした。

一岡を次の総理大臣とする機運が高まるなか、社美彌子は内閣官房の官僚として、いずれ彼に仕える可能性があります。

そのため、一岡が国益にかなう人物なのか、このまま国のトップに据えてよいのかを見極める必要がありました。

この時点で社美彌子はまだ、一岡がほんとうに国に必要なリーダーなら、彼を総理として迎えることを邪魔しない選択肢もあったんだろうね

このseason23の第1・2話「警察官A」で社美彌子と総理大臣の関係に触れているのも、このあたりの社美彌子の動きをストンと理解させるための伏線になっていたんだろうね

社美彌子は総理大臣の意向をサポートする、秘書のような役割も兼ねていることがseason23の第1・2話「警察官A」で描かれています。また、藤原総理(柴俊夫)は、自分が総理であり続けることより政党が与党であり続けることを重視する人物として描かれていました。

杉下右京と社美彌子の会話の意味

ここで、少し様相が変わってくるのが、杉下右京と社美彌子のちょっと意味深なやり取りです。

「トップが変わっても官僚は変わらない」とした社美彌子に、杉下右京は、「考えようによっては内閣官房をコントロールできれば、総理大臣以上の権力を手に入れられる」と言います。

これは、「たとえ一岡が総理になっても、今の立場から内閣をコントロールできれば社美彌子でも強大な権力が手に入れられる」という意味と考えられます。

この言葉には「だから今あなたは、一岡がコントロールできそうな人物か見極めるのに必死なのでは?」と、杉下右京が探りを入れているのでしょう。

過去に社美彌子は、特命係が追い詰めた与党政調会長の袴田議員(片岡孝太郎)の証拠データを警視庁から持ち去り、袴田に恩を売ってコントロールしようとしたことがありました(S21「大金塊」)。

特命係とは、このseason21元旦SPの「大金塊」と次のseason22第1・2話「無敵の人」まで、結構バチバチだったんだ!

杉下右京の言葉に対し、社美彌子は、権力を握ることに興味はなく官僚が最優先すべきは「国益」であるとします。

これを聞いた杉下右京は、彼女が何か狙いがあるわけではなく、純粋に一岡が国益に適う人物かどうかを確かめにきたことに得心がいき、一岡の情報を渡したのです。

「シングルマザー」という言葉を持ち出した意味

ここまでは社美彌子の「官僚」としての話でしたが、ここからは社美彌子の「母」としての話になります。

このあと杉下右京が「国益にとって重要なこと」とし、橋迫倫子がシングルマザーであることを社美彌子に伝えたのは、どういう意図があったのかな

普通に聞けば、「橋迫さんは社さんと同じシングルマザーだから、彼女のためにも一緒に一岡を倒しましょう」ということだよね

社美彌子がシングルマザーである理由は「ヤロポロク問題」。この問題と特命係には、過去に数年におよぶ因縁がありました。

このいきさつ知らずに今回視聴した人にとっては、杉下右京がいきなり「あの人、シングルマザーですよ」なんて言い出したノンデリ野郎に見えたかもしれないね…

でもちょっと変な気もするんだ

なにが?

社美彌子は、橋迫都議の自宅に特命係を割り当てているよね

それなら社美彌子には、橋迫一家がどんな被害を受けたのか情報が入っているはずで、すでに家族構成も知っていたと思うんだ

確かに!

橋迫一家の被害状況を聞いたら、当然「お父さんはいないの?」って気づきそうだよね

それならなぜ、杉下右京はこのタイミングでシングルマザーの話題を持ち出したの?

杉下右京もまた、自分たちが橋迫の捜査に割り当てられたのが社美彌子の差し金であることに、この時すでに気がついていたはずです。

そこから「なぜ社美彌子は橋迫都議をそれほど気に掛けるのか」を考えたのではないでしょうか。

もしそうであれば、杉下右京がこの場で「橋迫都議はシングルマザーです」「国益にとって重要なことなので」と少しズレたような発言をしたのは、「”国益”なんて言っているけど、本当は橋迫さんのことが個人的に心配なんでしょう?わかってますよ」という、社美彌子にだけ伝わる、ちょっとした言葉遊びを仕掛けたのではないでしょうか。

今あらためて見返すと、最初から社美彌子は「なるべくなら一岡が総理にならないよう」動いている感じがするよ

特命係を当てたのは、今回は「こんな卑劣なやつらは遠慮なくやっつけてほしい!」の気持ちだったかもしれない

それと過去に杉下右京は社美彌子にコントロールされて捜査をさせられたことで、プンプン怒ってたからね(S18「ディープフェイク・エクスペリメント」)

単に「あなたの差し金だと(今回は)気づいてますよ」アピールだったかもしれんね

5年前のこと、まだ根に持っているの?

うーん…あるな!(笑)

おしゃべりな男とは誰なのか

一岡を「倒すべき怪物」と判断した社美彌子は、浦や、これまで一岡を推してきた政財界の大物たちに、取り調べの映像を見せて回ります。

社がこうした行動を取っていることを、杉下右京はあるルートから把握していました。前相棒の冠城亘(反町隆史)です。

冠城は公安調査庁に籍を置きながら、密かに社美彌子の動向を見守っていると考えられます。

今回の社美彌子の派手な動きが冠城のアンテナに引っかかり、元相棒同士で情報が共有されたのでしょう。

それで「おしゃべりな男」かあ

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