テレビドラマ「相棒season2」の第18話を解説します。
ピルイーターとは、ピル(pill:錠剤)を食べる人(eater)の造語です。白い謎の錠剤を人目を憚らず噛み砕いで食べる、相棒の大河内監察官につけられたあだ名です。
「ピルイーター」の概要
放送日
2004年2月25日
主な出演者
山中聡 川越美和 櫻井ゆか(坂野友香) 前沢保美
相棒のレギュラー
美和子・たまき・伊丹・三浦・角田課長・米沢・内村刑事部長・中園・大河内監察官
脚本
輿水泰弘
監督
長谷部安春
「ピルイーター」のあらすじ
都内のホテルで、警視庁警務部人事第一課の監察官・湊哲郎(山中聡)と会社員の中村里香(櫻井ゆか)が遺体で発見されます。
二人は寄り添うように横たわっており、それぞれの小指は、靴紐で結ばれていました。
首の切り傷の状況から、里香は他殺と判断され、その結果、湊が里香を殺害した後に小指を結び、湊自身は自ら命を絶ったと推測されました。
亡くなった湊には妻がおり、さらにこれが湊による無理心中とあっては、警察にとって大スキャンダルです。
記者会見では心中とだけ公表し、肝心なところは濁します。
その頃、特命係の部屋には大河内監察官がいました。
大河内監察官は、これまで特命係が解決した事件をすべて把握しており、今回の湊の事件の真相解明に力を貸して欲しいと願い出ます。
大河内監察官によれば、亡くなった湊は自身の腹心の部下であり、「湊が女と心中するとは思えない」と話します。
さっそく現場写真を米沢さんに見せてもらう右京さん。すると、現場にグラスが3つあることに気が付きます。
第18話「ピルイーター」の見どころ
ピルイーターこと大河内監察官
フルネームは大河内春樹(おおこうち・はるき)。
警視庁警務部人事第一課の主任監察官であり、階級は警視です。
謎の白い錠剤を持ち歩き、事あるごとにボリボリ食べる癖があることから、陰でピルイーターと呼ばれています。
内村刑事部長が私怨で暴走
阿部警務部長のキャリアに傷をつけたい内村刑事部長は、「正義を貫く」という建前で、今回の件を湊哲郎による殺人事件として立件しようとします。
しかし、伊丹・三浦は幹部同士の遺恨試合であることを見抜いており、伊丹はやりがいを感じられず不満を漏らしています。
事件解決後も、しつこく立件させようとする内村部長にキレた伊丹が、内村部長に啖呵を切ります。
若いころの尖っている伊丹、かわいい
警視庁上層部が対応を協議するシーンは、時代を感じる不適切な爆弾発言のオンパレードです
20年くらい前の偉い人って、どこも多分こんな感じだったよなあ
伊丹の能力が美和子に疑われている
無理心中の新聞記事を見ながら、亀山君は美和子に「ただの無理心中ではないと思う」と忠告します。
最初は相手にしない美和子ですが、「これ挙げたの伊丹だぞ」と亀山君が言うと、美和子が足を止めます。
【レア回】杉下右京が犯人に接触しないまま事件が解決する
今回は、右京さんが犯人に一度も接触せず、事件が解決する回となります。
相棒において非常にレアな回です。
行き場を失くした杉下の推理力が大河内を襲う
この項目は、ピルイーターの回の重大なネタバレを含みます。
自慢の推理力が事件解決に活かされなかったためか、杉下右京のあり余る推理力が、大河内監察官の秘密に向けられます。
湊と里香の関係が始まったのは約1年前と考えられていましたが、これは、その頃から始まった本命相手との浮気をカモフラージュするためだったのではないかと推理し始めます。
もうやめてあげて・・・
杉下右京によれば、大河内監察官と湊が恋愛関係にあったことを追及する理由は、真実をはっきりさせなければ、亡くなった湊の妻や里香が浮かばれないからだそうです。
これ、言うほど浮かばれるかな・・・
特命係に借りをつくる大河内監察官
大河内監察官は、自分は何かの罪に問われるのかなどと言っていますが、刑責は負わないにしても、明らかに懲戒処分の対象になる行為をしています。
「不祥事」とか「非違事案」にあたるやつだな
大河内監察官の不祥事とは…
・配偶者のある部下と不適切な関係をもつ
・それが殺人事件の遠からぬ原因となり、結果3名も亡くなる
これが警視庁の監察官とは…たまげたなぁ…
この真実が表沙汰になっていれば、大河内監察官の出世の道はここで終わっていたでしょう。
しかし、杉下判定により、大河内監察官の不祥事は表沙汰になりません。
それにより、大河内監察官はここからも順調に出世します。
season7で警視正に昇任し、警視庁の監察のトップである首席監察官に就いています。
特命係に大きな借りをつくった大河内監察官は、表立って協力はできないものの、これ以降は警視庁内の情報を教えてくれたり、特命係に危機が迫ると知らせてくれたりします。
大河内監察官が食べているのはラムネ
真相解明後、大河内監察官は特命係に、いつも食べている錠剤がラムネ菓子であることを明かします。
大河内監察官は秘密にするよう言いますが、その日の夜に、それぞれがたまきと美和子にしゃべっています。