警察ドラマはお茶の間に流れるものですから、リアルさを追求しながらもより多くの人が楽しめるように、ショックを与え過ぎない配慮や、犯行を複雑にしすぎない配慮が求められます。
しかし、その配慮をしすぎた結果なのか、現実には困難と思われる犯行シーンが定着しています。
テレビドラマは何も考えず楽しく観ることが一番なのですが、こういう定番ネタを知っておくことによって、新しい趣向を凝らした警察ドラマに出会ったときの感動が倍になることでしょう。
この記事では、ドラマでは定着しているけれど、よく考えると変な犯行シーンを紹介します。
思い出したら追加していきます！
プロの殺し屋のような一般人たち
警察ドラマでは、包丁やナイフが犯行に使われることがあります。
凶器が刃物である場合、お茶の間に恐怖を与え過ぎる過剰な演出はできません。
例えば、相手を何度も何度も…というような描写はふさわしくないのでしょう。
おそらくその影響ではないかと思うのですが、お茶の間の警察ドラマに登場する犯人たちは、おおむね一撃で犯行を遂げることが定番になっています。
家庭用の刃物で心臓を一突きにする主婦や、小さなナイフで首を切りつけて一撃で仕留めるサラリーマンなど、まるでプロの殺し屋のような一般人が登場します。
女が突き飛ばすと男は死ぬ
警察ドラマでは、女性が男性ともみ合いになった際、女性が男性を振り払うと、男性が後ろ向きに転倒してそのまま亡くなることがあります。
女性が男性を転倒させることが不可能とは思いませんが、自分より重量のある相手を転倒させるには、実際にはかなりの技術が必要です。
ところが、ドラマの回想シーンの多くは、棒立ち状態の女性が相手に向けて腕を突き出したところ、男性が勢いよく後方に倒れて、後頭部を角に打ち付けて亡くなってしまいます。
俳優さんの演技で自然に見えていますが、よく考えるとそれまで逃げ腰だった女性が、突然、相撲の「突き倒し」のような技を繰り出して男性を張り飛ばすという、どすこいなシーンになっています。
女性は倒れた男性を見てビックリしていますが、視聴者もその突然の火事場力に驚いています。
階段での事故が多すぎる
刑事ドラマの世界では、階段で相手ともみ合いになり転落する事故が後を絶ちません。
この階段での事故には、不思議な共通点がいくつもあります。
なぜか階段で密談をしたくなる
階段から転落する事故が発生する直前、多くの犯人たちは、過去の犯罪をネタに相手に金銭を要求してみたり、同じ秘密を共有している者同士の一方が秘密を抱えきれなくなり自首しようと相手に言い出したりと、人に聞かれてはならない話をなぜか階段で始めてしまいます。
通常、お互いに落ち着ける場所でしっかりと進めていくべきでしょう。
そのため、本来は人が来ないところを選ばなくてはならないはずなのですが、なぜか刑事ドラマでは、明らかに共有スペースであるにもかかわらず、マンションの外階段や職場の階段が密談の場所に選ばれてしまいます。
相手の肩や腕を触りはじめる
皆さんは、他人に何かをお願いする時、相手の肩に触れたり腕をつかんだりしたことはありますか。
恋人や夫婦、小さい頃からつきあいのある友人などであれば理解できますが、それ以外で、自分から他人の体に触れようとすることはあまりないと思います。
ところがこれが刑事ドラマの階段になると、そのハードルが下がるのか、相手の腕や肩に躊躇なく触りはじめます。
そしてそれを振り払われると、突然怒りのスイッチが入り、凶暴化してつかみかかって転落事故へと発展します。
勢いがとまらない
ビルやマンションの外階段は、各階の半分くらいの位置で踊り場をはさみ折り返す構造になっているため、足を滑らせたとしても、通常は次の踊り場で止まります。
しかし、刑事ドラマの外階段で利用者がもめるとピタゴラスイッチが始まり、踊り場にぶつかっても止まることはなく、次の階段に転がりながら向かいます。
手すりに当たると体が宙を舞う
「踊り場で止まらないのはさすがに不自然だ」というクレームでもあったのか、最近の主流は、手すりにぶつかると体が宙を舞うというものです。
ビルやマンションの外階段の手すりは、通常は成人の腰あたりの高さがあり、万が一の事故を防止してくれています。
しかし、刑事ドラマの世界の手すりは、もみ合いが始まると空気を読んで低くなるのか、バランスを崩した被害者の体がアクロバティックに宙を舞い、手すりを越えて落下します。
外階段の場合、外側の手すりを越えて屋外に転落するケースと、内側の手すりを越えて下の階段に転落するケースがありますが、いずれも手すりにぶつかると体が宙を舞う現象が起こります。
まとめ
警察ドラマの世界では定着しているものの、よく考えると変な犯行シーンをご紹介しました。
これらのパターンは令和になった今も使われていますので、ドラマを視聴する際は注意してみてください。
たとえば刃物の事件や階段の事件で、ここにない新しいパターンに出会った時は、きっと感動が倍になると思いますよ！
