【2025年夏ドラマ】『大追跡~警視庁SSBC強行犯係~』が面白い!

2025年夏のおすすめ刑事ドラマ 

テレビ朝日水曜21時枠に10年ぶりの新作登場!

2025年夏。

テレビ朝日の水曜21時枠に、新作ドラマ「大追跡~警視庁SSBC強行犯係」が登場しました。

「相棒」「特捜9(警視庁捜査一課9係の続編)」「刑事7人」など、数々の名作を生んできたテレビ朝日水曜21時枠で、実に10年ぶりの新作となるそうです。

このドラマ枠といえば、なんといってもシリーズ化が特徴の一つ。

歴代のドラマの多くが、魅力的な主人公や仲間たちの活躍を軸に、本格サスペンスから政治ネタ・時事ネタまで扱う振り幅のあるストーリーで、長期にわたってシリーズ化されています。

井ノ原快彦さん主演の「特捜9」がファイナルを迎えたこのタイミングですから、新たな長期シリーズの幕開けとなるのか、わくわくしています!

SSBCって何?

SSBCは、捜査分析支援センター(Sousa Shien Bunseki Center)の略称です。

平成21年(2009年)に警視庁刑事部に設置された実在する部署であり、防犯カメラの解析や電子機器の解析、犯人のプロファイリングで事件捜査を支援する点も、ドラマの設定と同じになります。

組織図では刑事部の傘下でありながら、捜査◯課や鑑識課の各課とは別系統で独立した組織。科学捜査研究所(科捜研)のようなイメージです。

刑事部だけでなく生活安全部や交通部、各地の警察署など、組織全体の捜査部門からの要請を受けて、その支援を行います。

「大追跡~警視庁SSBC強行犯係~」で、主人公・井垣修二(大森南朋)たちが所属する「SSBC強行犯係」は、刑事部捜査一課の専属支援を行う別班という設定になっています。

大追跡~警視庁SSBC強行犯係~の基本情報

あらすじ

「SSBC強行犯係」の警部補・井垣修二(大森南朋)は、3年前に取り調べで被疑者を殴ってしまい、捜査一課からSSBCに異動する。現在は、防犯カメラやドライブレコーダーの映像回収やその分析などを行う「機動分析」を担当しているが、捜査一課の支援をするにとどまる「裏方」の日々に満足していない。

ある日、内閣官房長官・久世俊介(佐藤浩市)が、応援演説の最中に男に狙撃され負傷する。幸いにも命に別状はなく、SSBC強行犯係の夜を徹した捜査により、犯人逮捕に至る。

事件の後、SSBC強行犯係に、名波凛太郎(相葉雅紀)が赴任してきた。

名波は、元外資系証券会社のファンドマネージャーの職を辞し、中途採用試験を受けて警察庁に入庁したキャリアだった。後に久世の甥であることも判明する。

そのような人物がなぜSSBC強行犯係に入ったのかと、SSBCを見下す捜査一課長の八重樫雅夫(遠藤憲一)や、捜査一課主任であり、井垣の元妻でもある青柳遥(松下奈緒)は不思議に思う。

井垣とペアを組むことになった名波は、井垣の過去を聞き、井垣のことを「武闘派」「バリバリの刑事」と称賛する。

名波のペースに乗せられた井垣は、SSBCの規程に反することと知りながら、防犯カメラ映像で発見した犯人の自宅に向かう。そして名波に言われるまま、捜査一課へ報告せず、2人だけで犯人と接触することに。しかし、犯人は名波を殴って逃走を図る。やむを得ず井垣は、犯人を公務執行妨害で逮捕してしまう。

その後も名波は、SSBCのメンバーに捜査をするよう、言葉巧みに働きかける。どうやら名波には、SSBC強行犯係に入った目的があるようだ。

放送開始日

2025年7月9日(水)午後9時

キャッチコピー

逃げ切れると思うなよ

キャスト

主演SSBC機動分析:井垣修二(大森南朋
SSBC機動分析:名波凛太郎(相葉雅紀
捜査一課主任・青柳遥(松下奈緒
SSBC係長・葛原茂(光石研)、情報分析・木沢理(伊藤淳史
情報支援・二科瑠美(丸山礼)、技術支援・光本さやか(足立梨花
機動分析・小山田勝也(髙木雄也)、城慎之介(野村康太
捜査一課課長・八重樫雅夫(遠藤憲一
刑事・佐倉大(本田大輔)、刑事・中津川一樹(宮地真史
内閣官房長官久世俊介(佐藤浩市
機動捜査隊源晋太郎(矢柴俊博)、沢村伸吾(ワタナベケイスケ
報道東京中央テレビ・清水琴音(水嶋凜

脚本

Episode脚本家
第1話「殺意は映る」福田靖

音楽

沢田完

主題歌

DREAMS COME TRUE「BEACON」

第1話「殺意は映る」の見どころ

あらすじ

ゲーム制作で年商200億円を達成した、ベンチャー企業「プレイヴァージ」の社長・桐生聡史(窪塚俊介)が何者かに刺殺される。さらに、副社長・玉井涼介(中村俊介)も何者かに刺されて負傷してしまう。

井垣と名波は、防犯カメラ映像から、桐生を殺害した犯人にたどりつく。しかし、その人物はいわゆる闇バイト。指示した犯人のことは知らなかった。

捜査一課は、桐生とともにプレイヴァージを創業した、ゲームプログラマーの川瀬浩一(浜野謙太)に目をつける。青柳は、一年前に川瀬が会社の金を横領し、そのことが桐生にバレて追い出されたという情報を掴んでいた。

「捜査支援」から「捜査をする側」へ

本作の最大の特徴は、捜査支援を行う部署が捜査を進めるという、下剋上のような爽快感あるストーリーです。

ただし、こうしたストーリーは、主人公たちが組織系統を守らず情報を握り込んでいるだけに見えてしまう可能性があります。

本作は、名波が登場し、SSBCと捜査一課の力関係が逆転していく様子をコミカルに見せてくれているため、違和感なく受け入れることができました。

熱血刑事に変わっていく井垣

第1話では、名波をきっかけに、徐々に熱血刑事に戻っていく井垣の姿が丁寧に描かれました。

真犯人に近づくにつれて、口調も目つきも変わっていきます。

今作の捜査一課はポンコツ系か

捜査一課や捜査一課長を主役にしたレジェンドドラマも制作しているテレビ朝日ですが、どうやら今作の捜査一課はポンコツポジションのようです……(癒やし系の可能性も)

第一話では、物的証拠はなく自供もしていない人物を誤認逮捕しています。

一体どうやって逮捕したんだ…

課長のポンコツ記者会見、めちゃ笑った…

安定感のあるヒロイン刑事

松下奈緒さんが演じる青柳遥は、切れのある所作や口調で、優秀な刑事であることがすぐに分かるキャラクターになっています。

冒頭では、犯人逮捕の際の体術シーンもあります。

迫力のある声で怒鳴ったり、SSBCを見下したりするシーンもありますが、自分が間違ったときにしっかり頭を下げられる常識人であるようなので、不快感を抱かず安心して見ていられます。

よくよく観察すると、ところどころ真面目な顔で結構おもしろいことを言っています。

例:「ゲーってしない」など

井垣とは元夫婦であり、井垣が関わると特にいじわるになるのかもしれません。

今後はデレる回がくるはずです

俺は詳しいんだ

主人公が権力でソフトに脅してくる

刑事ドラマの主人公といえば、捜査で犯人を追う熱血刑事ですよね。

今作でその役割を引き受けるのは井垣(大森南朋)ですが、もう一人の主人公・名波(相葉雅紀)は、何やら考えがある様子。物腰は柔らかいものの、明らかに何かの目的があって、SSBCに捜査をさせようと動いています。

そして、目的のためには、手段を選ばないタイプのようです。

自分が警察庁のキャリア官僚であり、叔父は元警察庁長官・現職の内閣官房長官という立場をフル活用し、捜査一課長・八重樫(遠藤憲一)をやり込めてしまいます。

名波が入るまでSSBCを見下していた捜査一課ですが、名波が思い詰めた顔で「始末書を書きます…」と言い八重樫をあわてさせるシーンや、ラストで八重樫をソフトに脅すシーンは爽快でした!

人に合わせて、効くやり方を選んでいましたね

・井垣→熱血刑事として持ち上げる

・八重樫→将来を匂わせ権力で抑える

課長「はう…」

部下に対しては強気な捜査一課長・八重樫(遠藤憲一)ですが、キャリアである名波に気を遣いすぎて、違反を見逃したり、SSBCが捜査を行ったりすることを認めてしまいます。

おかしいことを言っているのは名波なのに、「3年後は私のほうが上司になる」などと言われ、つい「はう…」と返してしまいます。

マンガでよくある「はう…」ってこれだったのか!と気づきました。

まさかの怪しいやつが真犯人

昨今の刑事ドラマには「怪しくないやつを犯人にしなければならない」みたいな風潮があると思います。

しかし、今回の話は直球でした。「この人は怪しすぎるから犯人じゃないな」という、視聴者の裏の裏をかいた結末で、逆に新しいと感じました。

ストーリーがわかりやすい分、設定やキャラに目を向けられて視聴しやすかったよ

なんか気になる「佐倉大」

本作では、青柳遥(松下奈緒)の部下役として、現代風の清潔感のある刑事さんと、「昭和生まれが想像する刑事といえばコレ」なワイルドな刑事さんが登場します。

このワイルド系刑事の名は、佐倉大(本田大輔)です。

本作は青柳遥が長身でスタイル抜群、顔立ちも華やかなので、つい見てしまうのですが、佐倉刑事も負けず劣らず、青柳の背後からでも、結構な存在感を放っています。

調べたところ、なんと本田博太郎さん(ドラマ「捜査一課長」シリーズの刑事部長役など)のご子息だそうです!

洋服いじりはダメ、ぜったい

とても面白かった第1話ですが、八重樫課長のネクタイをいじるところだけは共感できませんでした。

そこまで悪いものなのかよくわからず不安になりました。色の組み合わせが悪いってことですか…?

「大追跡~警視庁SSBC強行犯係~」今後の見どころ

名波の目的

名波は明らかに、SSBCが捜査をするように仕向けています。

井垣に「悪いやつを捕まえるために転職したんですよ、僕は」と話していることからも、暴きたい犯罪がある様子。

捜査一課ではなくSSBCに捜査を行わせることと、名波の目的がどう関わるのかが今後の見どころです。

久世が狙撃された事件

内閣官房長官・久世を狙撃したのが、「ハシモトレイジ(40)」であることが第1話で明かされましたが、動機などは不明のままです。

この事件は現実のものを彷彿とさせるため、ややセンシティブなところがありますが、久世をどういう役まわりとするかによって、このドラマの目指すところが見えてくるかもしれません。

個人的には相棒のように、しっかり悪役で井垣と名波で成敗だとうれしい!

井垣と名波の関係

名波は、SSBCによる捜査を進めたがっています。

もしかすると目的は、SSBCによる捜査を中心とする改革を行うことかもしれません。

井垣と名波にはこのまま良いバディでいて欲しいですが、昭和気質で生粋の強行犯系刑事である井垣とは、いつか対立する展開があるかもしれません。

謎の多い演出

ストーリーはとてもわかりやすい本作ですが、意図のわからない演出がいくつかあります。何かの伏線かもしれないので、気になったものを挙げてみます。

アイテムのズームアップ

場面の切り替えで、アイテムのズームアップを挟む演出があります。

ストーリーの展開に関連する物もあれば、なかには「殴られた拍子に地面に落ちた名波のメガネ」など、関連がよくわからない物も。

井垣に関する謎シーン

第1話は、犯人のもとへ向かう車内で、「キーン」のような音とともに井垣が何かに気づくようなシーンがありますが、その後、とくに説明はありませんでした。

何だったのか、よくわからないシーンです。

大追跡~警視庁SSBC強行犯係~を見よう!

2025年夏ドラマ「大追跡~警視庁SSBC強行犯係~」を解説しました。

主題歌やBGM、刑事たちの雰囲気から、40代から50代前半くらいで(他局ですが)「踊る大捜査線」などをテレビで見ていた年代をターゲットにしている気がしました。皆さんはいかがでしたか。

長期シリーズ化の放送枠ですから、いろんな世代に向けた仕掛けのあるドラマになっているのだろうと思います!自分に刺さった部分が、そういうところだったというだけかもしれません…

見よう!