【相棒season14】第12話「陣川という名の犬」のあらすじと見どころを解説

テレビドラマ「相棒season14」の第12話を解説します。

第12話「陣川という名の犬」の概要

放送日

2016年1月20日

主な出演者

原田龍二 黒川智花 野間口徹 草野イ二

相棒レギュラー・準レギュラー

陣川・大河内監察官(ラムネ)・角田課長・幸子・伊丹・芹沢・米沢・中園参事官(てるお)

脚本

真野勝成

監督

橋本 一

第12話「陣川という名の犬」のあらすじ

特命係第三の男こと陣川公平(原田龍二)が捜査車両に乗せられ、サイレンとともに明け方の港から消えていきます。

陣川警部補に何が起こったのか、右京さんに尋ねる大河内監察官。

事の始まりは、2週間前にさかのぼります。

都内のマンションで、帰宅直後の若い女性が顔面を殴られ殺害されました。

現場を確認した伊丹刑事は、「ヤツが復活した…」と険しい表情に。

亡くなった被害者は、顔を刃物で切られており、その手口が、5年前の未解決事件とまったく同じだったのです。

切り裂き犯の犯行再開については、特命係でも話題になります。

しかし、角田課長は、首を突っ込まないほうが良いと右京さんに助言します。新たな被害者が出てしまったことにより、捜査一課がかなり神経質になっているからです。

その時、となりの組織犯罪対策課に陣川公平の姿が。

陣川君はなぜかコーヒーを配りながらこちらへ向かってきます。

いつもであれば、新しい相棒には先輩風を吹かす陣川君

ところが、冠城君が、陣川君が持って来たコーヒーの匂いからコーヒー豆の種類を言い当てたことにより、突然「冠城先輩、僕に力を与えてください」と、右京さんも想像しなかった態度をみせます。

陣川君は今、コーヒーショップを経営する矢島さゆみ(黒川智花)に恋をしており、コーヒーについて勉強中だったのです。冠城君は陣川君と共にさゆみのコーヒーショップに向かい、2人の出会いを聞き出します。

彼女の口ぶりから、やはり陣川君の一方的な片想いのようです。

とは言え、陣川君が誰かに恋をするのはいつものこと。

今回の恋の相手は事件の被疑者ではないので心配はないだろうと、右京さんも楽観的に考えていました。

しかし、今回の恋の終わりは、誰も予想しなかった残酷なものでした。

第12話「陣川という名の犬」の見どころ

陣川公平とは

特命係第三の男・陣川公平の再登場回です。

以下、陣川公平のプロフィールになります。

刑事を目指す経理

捜査一課の刑事になることを目指している、捜査一課の経理です。

指名手配犯をすべて暗記している

全国の指名手配犯の情報をすべて暗記している努力家です。

自宅の壁一面に手配書を貼り付けており、まるで賞金稼ぎのアジトのようになっています。

ちょっと抜けている

スマートな外見とは裏腹に、熱血漢でちょっと抜けています。

刑事になりたい気持ちが強すぎて、休みの日に勝手に指名手配犯に似た人に職務質問をするなど無茶をするため、変わり者として扱われています。(本人は自覚なし)

上下関係に厳しい

陣川君はseason3第6話において、一時的ですが、特命係に正式に配属されています。

このことから、神戸君やカイト君に対しては自分が特命係の先輩であることを強調します。

ちなみに陣川君の階級は警部補であり、歴代の相棒の中では神戸君と同じです。(もっとも神戸君の本来の階級は、警視なのですが)

これは陣川君の感覚が普通だと思います。(特命係の周りがゆるいだけ)

恋をしやすく、脈があると思い込みやすい

陣川君は登場するたびに新しい恋をし、事件解決とともに恋に破れることを繰り返しています。

恋する相手が犯人だったり、事件解決によって相手が遠くに旅立ったりするなど、理由はさまざまです。

陣川回なのにシリアスな展開に

陣川君が登場する回、通称「陣川回」は、重いテーマを扱うことも多い相棒において、視聴者に笑いを届けてくれる回です。

今回の「陣川という犬」も、タイトルからして「陣川君がまた変なことしてる回」を想像させますが、中身はまったく違うものになっています。(変なこともしてるけど…)

悲しい事件の捜査が始まる

連続切り裂き犯の次の犠牲者となったのは、さゆみさんでした。

そしてその第一発見者となったのは、彼女と外で会う約束をしていた陣川君です。

さゆみさんが時間になっても来ないため、閉店後のコーヒーショップをのぞいたところ、彼女の痛ましい姿を発見してしまいます。

その後、陣川君は姿を消してしまい、連絡が取れなくなってしまいます。

右京さんに隙を与えない伊丹刑事

新たな被害者・矢島さゆみが発見されたことにより、捜査一課にはもう余裕がありません。

いつもなら特命係の割り込み捜査に渋々と対応してくれる伊丹さんも「警部殿、これは我々のヤマですから」と、入る隙をまったく与えません。

右京さんの魔法の言葉「では一つだけ」も、右京さんを制して強制的にキャンセルします。

それ、キャンセルできるんだ…

連続切り裂き犯、ついに捕まる

捜査一課による執念の捜査が実を結び、連続切り裂き犯である司法書士・北一幸(きた・かずゆき:演 野間口徹)が逮捕されます。

北は、5年前のすべての犯行と犯行再開後のすべての犯行を自供しており、物証もそろっている状況です。

北が犯人であることは間違いないようですが、伊丹さんはどうも腑に落ちない様子です。

右京さんもまた、犯行現場のある状況に違和感を覚えます。

しかし、中園参事官は一刻も早く事件解決を公表したいため、伊丹さんの進言を無視してしまいます。

冠城君が謎の力に目覚める

鑑識の部屋でさゆみさんのコーヒーを飲んでいた冠城君が、突然、コーヒーの香りと一緒に、その場の画像が記憶に残る体になったことを告白します。

これにより、さゆみさんのコーヒーショップに行った時の、ほんの些細なトラブルを思い出します。

米沢さんは(冠城君が言うと)「胡散臭いですな…」としながらも、五感の中で嗅覚だけが、脳内の記憶をつかさどる海馬に直接信号を送ることが可能とフォローします。

冠城君の嗅覚の設定は次のseasonにも引き継がれ、また出番があります

そして記憶がよみがえった男がもう一人…

その頃、陣川君もまた、水筒に入れたさゆみさんのコーヒーを飲み、さゆみさんを思い出していました。

すると陣川君もある出来事を思い出し、さらにそこから重大な事実に気が付きます。

もしかして、陣川君ならさゆみさんの被害を未然に防げた可能性が…?

右京さんの陣川君に対する想いがわかる

殺したやつを殺すことが、何で問題なんですか

復讐に囚われた陣川君を、右京さんが全力で引き戻そうとします。

闇落ちは絶対にゆるさん」と言わんばかりの右京さんの様子から、右京さんにとって陣川君もまたかけがえのない相棒の1人であることがわかるシーンです。

ラストには、右京さんと冠城君の粋な計らいにより、陣川君が自分を取り戻していきます。

作中のBGMは「Unforgettable(忘れられない人)」

作中に流れるジャズ曲は、ナット・キング・コールの「Unforgettable(忘れられない人)」です。

雰囲気がストーリーにマッチしています。

陣川君 ロンドンへ

この回では語られていませんが、陣川君はこの後、ロンドン市警(スコットランドヤード)で研修を受けることになります。

犯人逮捕の公表を早まった警視庁の信頼回復のため、陣川君には警視総監賞が授与されます。これにより陣川君に処分を与えるわけにはいかなくなったため、推測ですが、こうした措置でほとぼりを冷まそうとしたのではないでしょうか。

次の陣川回は、season16第11話「ダメージグッズ」です。

また、season15第16話「ギフト」では、陣川君は登場しませんが、北一幸(きた・かずゆき)が再登場するとともに、陣川君のスコットランドヤードでの様子が本人からの手紙で明かされます。