【サイレーン 刑事×彼女×完全悪女】登場人物とストーリーを解説

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『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』は、2015年秋にフジテレビ系の火曜22時枠で放送された、シリアルキラーに彼女を狙われた刑事のサスペンスドラマです。モーニングで連載された漫画「サイレーン」(作者:山崎紗也夏)となります。
本記事では、テレビドラマ版のストーリーや人物像を解説していきます。

原作となった、漫画『サイレーン』はこちらです。

原作では絵柄がすっきりしており動きのある絵がきれいで、特に女性がすごくかわいいです。表紙のデザインが凝っていて、タイトルロゴを風景に溶けませているものもあります。

目次

ドラマ「サイレーン 刑事×彼女×完全悪女」とは

あらすじ

警視庁機動捜査隊員の里見偲(松坂桃李)は、恋人である先輩刑事・猪熊夕貴(木村文乃)とバディを組み、日々の初動捜査の任務にあたっている。

警察官同士の交際は禁止ではないものの同じ部署内での交際はNG。発覚すれば即異動となる暗黙のルールがあり、里見と猪熊は周囲に交際を隠している。

仕事も私生活も順調な二人であったが、ある事件現場で出会った謎の美女・橘カラ(菜々緒)によって二人の日常が壊されていく。

放送時期

2015年10月20日~12月15日

2015年秋ドラマとして、関西テレビ制作・フジテレビ系の火曜22時枠全9話で放送されました。

初回のみ90分作品で、あとは45分作品となります。

俳優・松坂桃李のゴールデン・プライム帯(午後7時から午後11時までの時間帯)における、民放連続ドラマ初主演作品とされています。

スタッフ

プロデューサー:三宅喜重、河西秀幸、平部隆明
原作:山崎紗也夏(『サイレーン』(講談社モーニングKC刊))
脚本:佐藤嗣麻子
音楽:住友紀人

受賞関係

橘カラ役を演じた菜々緒さんが複数の賞を受賞しています。

・第87回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 助演女優賞

参考:同年(第84~86回)の他の助演女優賞:高畑充希(問題のあるレストラン)、黒木華(天皇の料理番)、満島ひかり(ど根性ガエル)

・第2回コンフィデンスアワード・ドラマ賞 助演女優賞

など

タイトルの意味 サイレーンとは何か

タイトルの「サイレーン」とは、サイレン(警報)の語源となったギリシャ神話の怪物「セイレーン」に由来すると考えられます。

セイレーンとは、上半身は美しい女の姿を、下半身は鳥や魚の姿をしており、美しい歌声で船乗りを誘惑し、遭難させる海の怪物です。

本作は、その美貌と頭の良さで性別を問わず狙った相手を魅了する女・橘カラを描いた「人怖(ヒトコワ)」系であり、彼女に魅入られると破滅してしまうことを予感させるタイトルとなっています。

本作は警察のサイレンとも掛けているのかもしれません

「サイレーン 刑事×彼女×完全悪女」の魅力

パワー誇示型のシリアルキラーを描いた作品

刑事が主役のドラマといえば、通常は刑事の活躍が描かれるもの。

しかし、本作の中心はシリアルキラー・橘カラの恐ろしさです。

シリアルキラーって

心理的な欲求を満たすために連続殺人を行う犯人のことだよね

そうだね

こうした人物は実在していて

普通の人と変わらない生活を送っているっていうよね…

サスペンスドラマで「快楽殺人者」という言葉を聞くことがありますが、これはシリアルキラーの一つ。

「快楽主義型」とよばれるタイプです。

本作の橘カラの場合は、「パワー誇示型」のシリアルキラーであり、相手を支配することにこだわりのあるタイプです。

また、彼女自身は、相手を殺害することで得られる「あるもの」が高揚感の理由であると考えています。

橘カラは何人殺したのか

最終話で判明することですが、橘カラに殺害された人物は、ドラマ版では合計8名となります。

主人公たちに出会ったときは、すでに3名を手にかけた状態です。

ドラマ最終章では、過去の分も含めたすべての罪が明らかとなり、それが今の「完全悪女・橘カラ」を作り上げてきたことがしっかり理解できる内容となっています。

数えたら、ちゃんと8人だったよ

過去に◯人っていう数字のインパクトだけにせず、一人ひとりの事件がちゃんと橘カラの物語の一部になっているんだね

悪役に注目したほうが楽しめる

本作がメインで描くのは、橘カラの恐ろしさです。

完全犯罪を実現する知識とそれを遂行できる身体能力の両方を完璧に身につけた橘カラは、もはや警察の手に負える存在ではありません

主人公の刑事・里見に刑事としての活躍を期待すると、途中の視聴がかなりきつくなります。

橘カラの挙動に集中し「次は何を仕掛けてくるのか」、「彼女の最終目的は何なのか」という、悪女を観測する楽しみ方がおすすめです。

悪役サイドで観るってむずかしくない?

それがこのドラマの面白いところでさ⋯

本作では第1話から、橘カラの悪事や彼女の心の声(モノローグ)が視聴者に共有されるという珍しいドラマとなります。

予想外の行動を観た橘カラの「(何だあれは?)」とかも共有されるからね

シュールでちょっと笑えるんだよね

こんな感じで、第6話までは主人公よりも橘カラの言動に注目したほうが、このドラマは断然面白くなります。

むしろ、第6話まで主人公は橘カラ負けっぱなしです。主人公の刑事としての活躍を期待して観ると、ドラマ中盤できつくなると思います。

本番は第7話から!怒涛の伏線回収が始まる

ドラマ版サイレーンは全9話で構成されています。

このうち、主人公と橘カラとの戦いの本番は第7話からです。

第7話から最終話にかけて、駆け上がるようにすべての種明かしと伏線回収が行われ、すべてに決着がつきます。

それまで橘カラという人物をしっかり観てきたことで楽しめる、

爽快感のある面白い3話だったよね

伏線を丁寧に丁寧に張って、一気に回収!って感じだね

タイパ重視の昨今ではもうできない制作方法かもしれないよ

これ、リアタイは本当に大変だったと思う

観るなら、イッキに観たほうが絶対おすすめ!

『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』を全話観るなら

ドラマ版と原作との違い

タイトルの違い

原作のタイトルは『サイレーン』。これに対して、ドラマ版のタイトルは『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』です。

「刑事×…悪女」の部分はドラマオリジナルとなります。

「サイレーン」のみのタイトルでは、ジャンルがわかりづらいために追加したのではないでしょうか。

追加部分の意味は、以下のとおりです。

・刑事…主人公・里見偲

・彼女…主人公の恋人・猪熊夕貴(これもまた刑事)

・完全悪女…シリアルキラー・橘カラ

「完全」とは、「完璧」「隙がない」というニュアンスでつけたものと思います。

ドラマオリジナルキャラクターがいる

ドラマ版ではオリジナルキャラクターとして、里見と猪熊をライバル視する若手刑事・速水翔(北山宏光)が登場します。

また、猪熊夕貴(木村文乃)の設定にも細かい違いがあります。

猪熊や速水については「登場人物」の項目で解説します。

橘カラが猪熊を狙う理由が追加されている

基本的なストーリーは、原作と同じです。

ただし、シリアルキラーである橘カラが主人公の彼女・猪熊夕貴を狙う理由について、原作では1つですが、ドラマ版では2つあります。この追加された「ある理由」によって、原作とドラマ版では最終話のストーリーに違いがあります。

ラストの展開が違う

猪熊を狙う理由の追加によって、ドラマ版では原作のラストシーンがカットされ、オリジナルストーリーが追加されています。

第9話(最終話)はほぼドラマ版でのオリジナル展開です。

サイレーンの主な登場人物

ここからは、サイレーンの主な登場人物を紹介します。

当サイト独自の視点も交えて紹介していくよ!

里見偲(さとみ・しのぶ)/松坂桃李

警視庁機動捜査隊員。恋人であり機捜のバディでもある先輩刑事・猪熊と交際しており、「どちらかが捜査一課に異動したら結婚する」と約束している。

身体能力◎、推理力◯、危機管理能力△

元機動隊員であり身体能力や格闘技術が高く、推理力にも優れている。自室は壁一面が本棚となり、推理小説や犯罪心理学などの本が一部重なりながら大量に並べられている。高野乃花(足立梨花)の自殺に、橘カラや月本圭が関わっていることにいち早く気づく(第1話)。
一方で、危機管理能力はあまり高くない。酒に飲まれて飲食店の廊下やトイレで眠り込んだり、勤務中の車内で恋人と会話中、自身が運転している車両の後部ドア下に橘カラがGPSを取り付けたことに気づかなかった(第1話・第2話)。

鼻が良い

時折、嗅覚の鋭さを見せる。
橘カラの変装を嗅覚でみやぶり、橘カラのターゲットとなりながらも辛うじて生存する貴重な生き証人・田沢麻弥(三上紗弥)を、彼女から守るファインプレーもあった(第4話)。

仲間と恋人からの信頼を失う

ストーリーが進むにつれて、里見の橘カラに対する単独捜査がだんだんと大胆になってくる。中盤(第4~6話)では、里見の行動は橘カラに逆手に取られ、捜査の成果が得られないまま、恋人や仲間たちの信頼を破壊されていく。

あんなに仲良しだった先輩後輩も影でほめてくれた上司も、みんな敵になるなんて…

最初は「仕事もプライベートも充実してるなーこいつ」って感じだったけど、それが一切なくなるからね…

橘カラとの戦いが本格化する第4から6話での里見は、残念ながら負け続きです。第6話までは橘カラの「人怖ストーリー」として楽しむことがおすすめです。

猪熊夕貴(いのくま・ゆき)/木村文乃

里見と同じ警視庁機動捜査隊員。捜査一課への異動を目指しており、上司からの評判も悪くない。

性格は、自信満々で楽観的。恋人である里見との関係は大事にしつつ、自らの出世にも貪欲という、よくも悪くも自分に素直な性格である。

ある事件現場で顔を合わせた橘カラとスポーツジムで再会したことを機に、徐々に彼女に心を許していく。ついには橘カラの工作により、恋人である里見よりも橘カラの話を信じるようになってしまう。

里見からは、普段は「イノサン」と呼ばれているが、二人きりの時は「夕貴(ゆき)」と呼ばれている。

原作と異なる設定

原作の猪熊夕貴のデザインはショートヘアにローヒールの革靴であるが、ドラマ版はロングヘアにピンヒールというスタイルである。
また、ドラマ版の猪熊夕貴には、現役警察官の父・猪熊文一(大杉漣)と元警察官の母・猪熊三樹(藤吉久美子)の「養女」という設定が追加されている。温かい両親に恵まれ、特に父からは、正義感の強い性格を褒められながら育ってきたことも明かされる。このことが今の猪熊夕貴を作り上げたと考えられる。

橘カラ(たちばな・から)/菜々緒

キャバクラで働く美女。外見は派手であるが、話してみると良識のある、素直で優しい女性であり、性別を問わず人を惹きつける力がある。しかしその本性は、目的のために躊躇なく人を殺害する恐ろしいシリアルキラーである。

初めて会った猪熊夕貴を狙い始める

橘カラが働く店のマネージャー・孤坂瞳(青山めぐ)が職場で遺体となり発見された際、臨場した猪熊夕貴を見た橘カラは、目を見張る。

猪熊に近づくための徹底した身辺調査を行い、猪熊の通うスポーツジムで偶然を装い再会する橘カラ。更衣室での盗撮事件の参考人(被害者)として聴取を受ける際、自身が殺害した白鳥麗子(真中乃亜)の事件について猪熊にマッチポンプ推理を披露してみせ、彼女の信頼を獲得する(第1話)。

猪熊の「正義感」を欲するように

マッチポンプ推理の件を経て、すっかり親しくなった橘カラと猪熊夕貴。

橘カラはスポーツジムの一件から、猪熊の中にある「正義感」に興味を持ち始める。自ら通り魔の人質となり、猪熊の対応を観察することに。そして、猪熊が犯人に浴びせた「償え」の言葉を聞いて、いよいよその正義感を「殺して手に入れたい」と思うようになる(第2話)。

えっ殺して手に入れたいってどういうこと?

橘カラには、「殺害した相手が持つもの(性格や外見など、自分が欲したもの)を取り込むことができる」という、歪んだ思想があるんだ

パワー誇示型として、相手を支配して取り込むんだね

橘カラのこの思想は終盤で明らかになるけど、実は序盤でも仄めかされているよ(第1~3話)

猪熊夕貴を狙ったもう一つの理由とは

橘カラの犯行状況や頭の中のモノローグが、視聴者にも共有される作品となっており、橘カラが猪熊を次のターゲットにしていることや、彼女の正義感を欲していることは、視聴者にも明かされている。

しかし、第1話の初対面の時から、橘カラが猪熊夕貴を狙い始めた理由、つまりドラマ版で追加された理由については、終盤まで明かされない。

完全犯罪を行う悪女

橘カラは、警察に捕まらないため、完全犯罪の知識を身につけている。たとえば、自殺に見せかける現場偽装や、自分以外を犯人に仕立て上げるための工作、尾行の撒き方、ピッキングなどはお手のものだ。

さらには身体能力も非常に高く、成人男性の体を腕の力で抱え上げる怪力も持っている。

対人格闘センスも天才的です。

第1話では、シリアルキラーであるタクシー運転手(板尾創路)に、鉄棒のような資材に縄をかけ首をつった状態にさせられますが、それを懸垂の動きで脱し、その流れで相手の首を両脚で挟んで締め落とします。
第2話では、刃物を持った通り魔(岡田義徳)を、キャバクラのミニドレスとハイヒールの姿で圧倒します。

に、人間の努力ってすごいんだね…

ちなみにドラマ版では、橘カラと同じボクシングジムに、彼女と同じくらいの戦闘力を持つ女性がもう一人いるよ!

世界征服でも始める気なの?そのジムは…

月本圭(つきもと・けい)/要潤

腕の良い美容整形外科医であり、月本クリニックの院長。
話し方や動作は穏やかで余裕があり、初対面の里見に冗談を混じえて気さくに話すなど、人当たりのよい人物である。

しかし、裏の顔は少女を食い物にする卑劣な犯罪者。会員制クラブ「フルムーン」を経営しており、年少者を含む女性をデリバリーしていることが、関係者の会話からうかがえる。また、気に入った少女は月本自身の許されない「趣味」にも利用されていた。

橘カラと親しいようだが、彼女との関係を里見に隠そうとする。

第3話で、クリニック奥の隠し部屋に意識を失った少女・田沢麻弥を残し、行方不明となる。

原作とは異なる結末を迎える人物の一人だね

安藤実(あんどう・みのる)/船越英一郎

桜中央署の刑事課長。パワハラ系・人情系・長い物に巻かれる系の、昭和刑事の全要素を持つ男。

一度決めた捜査方針は簡単に曲げず、里見の推理は安藤に一蹴されることも多い。

その一方で、捜査一課の幹部らしき人物の前で猪熊や里見をひそかに褒めてやるなど、情に厚いところもある。
生活安全課が捜査中のクラブ「フルムーン」を警視庁の上層部らしき人物が利用している事実を知ると、捜査を即中止させ、事件のもみ消しに走った(第3話)。

速水翔(はやみ・しょう)/北山宏光

ドラマ版のオリジナルキャラクター。

捜査一課への異動を希望しており、里見や猪熊をライバル視している。里見に手柄を立てさせないため、彼の行動を盗聴器で把握し、「フルムーン」の捜査中止に暗躍した。汚い手ではあるが、バレずにスマートにやれるあたり素の能力は高く、そんなことをしなくても順当に評価されそうな人物である。

なお、初登場時から猪熊に嫌味な態度をとるが、初登場シーンに限って言えば、酒臭をさせながら現場に遅れて臨場した猪熊が悪いため、どっちもどっちである。

ドラマオリジナルキャラは、原作改変として厳しい目にさらされがちだと思うんだけど、速水の追加をどう思う?

個人的な感想なんだけどさ…

主人公と彼女の「オレたち恋人同士です。裏でいちゃついてます!職場にはバレなきゃOKです」っていう設定に、ちょっとついていきづらかったんだよね

原作はまだいいけど実写になると生々しいというか…

だから、速水みたいなわかりやすい主人公たちのアンチが追加されてちょっとありがたかったんだよね…

全然気にならなかったけど、そういう感想もあるのかあ…

千歳弘子(ちとせ・ひろこ)/山口紗弥加

生活安全課員。里見や猪熊の姉御的な存在。
後輩想いであり、里見の捜査に手を貸したり、猪熊が里見との関係について口をすべらせたときもフォローしたりしている。
主人公たちが悪女に翻弄される中、一貫して自然体で明るいため、安心して見れる人物である。

だからこそ、里見くんが千歳さんからの信頼を失ったときは絶望感があったわ…

渡公平(わたり・こうへい)/光石研

里見の部屋のベランダが見えるマンションに住んでいるという理由で橘カラに狙われ、彼女を自宅に住まわせることになる。

最初はただ浮かれる渡だが、すぐに彼女を本気で愛し始め、プロポーズを考えるようになる。

最初はマンションだけだったが、最終的には、橘カラへの熱狂的な愛と渡が所有する埼玉県の別荘を彼女の計画に利用され、人生を大きく狂わされた。

職業はデザイナー。九州地方の出身らしく、電話で訛っている(第1話)。

ドラマ版サイレーンのストーリー解説

ここでは1話から6話までのあらすじを、当サイト独自の視点で補足しながらまとめるよ!

そして第7話からはネタバレなしで、本編をイッキに観ることがおすすめです

第1話 完全悪女が僕の彼女を獲物にした

初回のみ90分となっています。また、この回のみサブタイトルが里見視点のようになっています。

キャバクラで働く橘カラ(菜々緒)は、店のマネージャー・孤坂瞳(青山めぐ)が遺体で発見された件で店に臨場した刑事・猪熊夕貴(木村文乃)の姿を凝視する。しかし猪熊は、橘カラを初めて見る様子だった。


橘カラは猪熊夕貴を徹底的に調べ始める。里見と猪熊が乗車する捜査車両にGPSを取り付け、猪熊がバディの里見偲(松坂桃李)のアパートで同棲していることを突き止める。向かいのマンションに住む渡(光石研)に交通事故を装い近づき、部屋に転がり込む形で里見宅の監視を始めた。


その頃、桜中央署管内で若い女性の遺体が発見される。遺体の口内には白い靴下が片方だけ詰め込まれており、警察は猟奇的な殺人事件として捜査を始めた。一方、犯人であるタクシー運転手の伊沢(板尾創路)は、今日も何食わぬ顔で獲物を探す。伊沢はすでに何名もの女性客を殺害してきた恐ろしいシリアルキラーであった。しかし、警察が事件として認知できたのは今回の一件のみ。他は行方不明者として処理されていた。

そんな伊沢のタクシーに、偶然にも橘カラが乗り込む。人気のない高架下で伊沢に殺されそうになる橘カラだが、高い身体能力で伊沢を返り討ちにした。死の間際の伊沢から「お前も俺と同じ」と言われる橘カラ。それを聞いた橘カラは「(私はお前とは)違う、お前は許されていない」と返し、伊沢にとどめを刺す。橘カラが伊沢と同様、恐ろしいシリアルキラーであることが確定した瞬間だった。

伊沢を殺害した後も、引き続き、猪熊夕貴への接近工作を続ける橘カラ。猪熊の通うスポーツジムで偶然を装い再会し、一緒にスカッシュで汗を流し、距離を縮めていく。そして更衣室の盗撮犯を猪熊が捕まえる姿を見て、猪熊の「正義感」に興味を持ち始めるのだった。
共にスポーツを楽しんだとはいえ、まだまだ距離を感じさせる猪熊。猪熊のさらなる信頼を得るため、橘カラは次の殺人に着手する。自身が通う美容整形外科「月本クリニック」で出会った依存体質の高野乃花(足立梨花)の恋の悩みを聞き、彼女の想い人の妻・白鳥麗子(真中乃亜)を殺害してその顔を切り刻んだ。そして、世間でこの猟奇的な事件が話題となっていたところ、橘カラは猪熊に「この事件の犯人は女」というマッチポンプ推理を披露する。
警察は犯人は男だと決め打ちしていたが、里見と猪熊は女性の線を洗い始め、高野乃花の存在にたどり着く。
しかし、高野乃花はすでに自殺し、自身の罪を告白するスマホの遺書が残されていた。これらは橘カラによる偽装工作であったが、里見を除く全員が偽装を疑うことなく、高野乃花は被疑者死亡で送検されることとなった。
猪熊の推理が事件解決につながったことにより、猪熊は思わぬ称賛の声を浴び、橘カラへの信頼を強めていく。何もかもが橘カラの思い通りに静かに運んでいた。

しかし里見だけは、自殺と判断された孤坂瞳の死と高野乃花の死に共通点を見出し、両方の捜査過程に橘カラの存在があったことに疑念を抱いていた

第2話 刑事vs美しき女殺人鬼…暴け黒幕の影

高野乃花の送検手続きのため、里見は彼女のカルテを借りに月本クリニックを訪ねる。そこで院長の月本圭(要潤)と対面した里見は、月本が橘カラとカラオケ店で一緒にいた人物であることを思い出す。その日から里見は単独で月本を見張り、ついに月本と橘カラが一緒にクリニックに入っていく姿の確認に至った。月本と橘カラがつながれば、橘カラの影を感じる2つの自殺も月本が何か知っているかもしれない。里見の疑いの目は月本に向き始めた。
その頃、橘カラが働くキャバクラ「JEWEL」の付近で、刃物を持った通り魔(岡田義徳)が無差別に通行人を攻撃する事件が発生する。「猪熊の正義」をもっと見たい橘カラは、里見たちの捜査車両のGPSがこちらに向かっているのを確認すると、自ら犯人に接触し、猪熊が到着するまでミニドレスとハイヒールで通り魔の攻撃を軽くあしらう。やがて猪熊たちが近くなると、橘カラはホームセンターに逃げ込み、店内でわざと人質に取られて猪熊を観察した。

しかし、現場に現れた猪熊は犯人の説得に失敗。逆上した犯人は、橘カラに刃物を突き立てようとする。橘カラが犯人の腕をその怪力で掴み止めたことにより、応援に駆けつけた警察官一同で犯人を確保した。
犯人を説得する間、猪熊を観察していた橘カラ。猪熊が身代わりになろうとした時は心の声で「こんなものか?」とつぶやくほど不満そうであったのだが、犯人を確保した後に猪熊が犯人に向けて放った「償え!」という言葉が琴線に触れたようで、最終的には満足げな表情を浮かべている。

第3話 衝撃の新展開…美しき殺人鬼 次の犠牲者

月本を調べる里見は、月本が出入りする会員制クラブ「フルムーン」の客を装い、ホステスから話を聞きだす。里見の接客に現れたホステスのアイ(佐野ひなこ)とレナ(入山杏奈)は里見を気に入り、協力的に質問に答える。彼女たちの情報によると、月本は客ではなく店のオーナーであり、ホステスは月本の美容外科で施術を受け、その料金をフルムーンの給与から天引きされるシステムであること、フルムーンでは年少者の売春も周旋していることなど、月本が犯罪性の高い人物であることが判明した。

この情報により、生活安全課で正式にフルムーンの捜査が始まる。

しかし里見の活躍を阻止したい速水(北山宏光)の暗躍により、月本の捜査はすべて頓挫した。速水はフルムーンの利用客に警察上層部がいることを突き止め、それを刑事課長・安藤(船越英一郎)に報告し、隠蔽に走らせたのだ。

一方、橘カラは、猪熊が持っている正義を「悪に対する怒りの感情」であると分析する。それは橘カラが持ち合わせないものだった。猪熊と同じことをすれば、その感情が手に入ると考えた橘カラは、月本に「正義の制裁」を加えることを計画する。実は月本のこれまでの犯罪行為については、橘カラもよく知るところだった。それもそのはずで、なんと橘カラは月本のビジネスパートナーであった。整形に憧れを抱く少女を巧みに誘い出し月本に紹介することで、無料で月本の施術を受けてきたのだ。

警察捜査の手から辛くも逃れた月本だが、仲間だと思っていた存在が警察より遥かに恐ろしいものに変わるとは予想もしていなかった。

時間外の月本クリニックに現れた橘カラは、月本に「罪を償え」と、猪熊夕貴と同じセリフを言い始める。意味がわからず月本は怒りを見せるが、橘カラは月本を拘束し、馬乗りになって何かを注射した。そのまま、月本は意識を失う。

ところがその場面を、月本の新しい患者である少女・田沢麻弥(三上紗弥)が目撃していた。逃げる田沢を追う橘カラは、彼女にも謎の注射を打って解決を図る。そして自身の痕跡を消すため、自身のカルテを持って月本クリニックを立ち去った。月本を制裁しても何の感情も得られなかった橘カラは「予定どおり猪熊を殺す(殺して手に入れる)」ことを自分に誓う。

翌朝、出勤したスタッフの通報を受けて、里見と猪熊は月本クリニックに臨場する。現場に月本の姿はなく、田沢だけが残されていた。田沢は昏睡状態にあるものの一命をとりとめており、橘カラが初めて殺人にしくじったケースとなる。

一方、里見が非番に月本の件をこっそり調べていたことに、猪熊は若干の不信感を抱いていた。

第4話 急展開!刑事反撃…完全悪女と熾烈な攻防

ここから第6話まで、里見くんはいいところなしでしんどい回が続くよ…

田沢麻弥の意識は戻らない。

警察は、失踪した月本による犯行と考えて捜査を進めていた。

現場の押収物に橘カラのカルテがないことに違和感を覚えた里見は、捜査方針に異を唱える。しかし、猪熊の前で橘カラの名前が出せないままあやふやな説明に終始してしまい、またしても安藤課長を怒らせてしまう。

そんな時、田沢麻弥が昏睡状態で入院していることが新聞記事となった。再び狙われるかもしれないと考えた里見は病院へ向かう。しかしその車には橘カラがGPSを取り付けているため、逆に病院を特定する手助けをしてしまった。念入りに変装して病院にやって来た橘カラ。ところが変装した橘カラとすれ違った里見は、彼女の香りで変装をみやぶり声をかける。これにより、橘カラは田沢に手を出せなくなった。

里見は病院に橘カラが現れたことで、一連の事件に橘カラが関わっていることを確信する。証拠がなければ安藤課長は動かないため、単独で橘カラを調べる始める里見。しかし、何度尾行しても橘カラに気づかれてしまう。

ある日、橘カラは猪熊に「里見にストーカーされている」と相談し、尾行中の里見の写真を見せる。猪熊を殺害したい橘カラにとって里見は邪魔であるため、二人の分断をねらったのだ。猪熊は、里見が恋人である自身を心配して橘カラの身辺調査をしていると解釈するが、一方で、最近の里見のおかしな様子から、橘カラに恋愛感情があるのではないかと疑念も抱いてしまう。

そんな時、里見は高層ホテルのエレベーターに入った橘カラを尾行し、逆にエレベーター内で待ち伏せされてしまう。しかも、橘カラはあらかじめ猪熊がこのホテルに来るよう仕向けていた。タイミングをはかりながら、エレベーターで里見の感情を煽る橘カラ。ついに里見がキレて壁ドンしたところで、ちょうどエレベーターが開く。エレベーターの外には、猪熊が立っていた。里見が猪熊を見て呆然としている間、橘カラは唇をぬぐう仕草をする。猪熊には、それがまるで里見が橘カラに迫ってキスをしたように見えた。

この件で、里見は何の成果も得られぬまま、恋人の信頼を一つ失った。

第5話 悪女の棲家…遂に暴く正体

橘カラに一人では太刀打ちできないと悟った里見は、田沢麻弥の見舞いに来たアイとレナを頼る。

その結果、アイは橘カラの住所を、レナは橘カラが働くJEWELに入店し、橘カラの元恋人の情報をそれぞれ入手した。橘カラの元恋人は、8年前、偶然にも里見が交番時代に扱った殺人事件の被害者だった。この事件は今も未解決である。里見は何のために橘カラが自分と猪熊の仲を邪魔するのかがわからなかったが、この情報により「事件を解決できなかった警察や、現場に駆けつけた里見個人に橘カラが恨みを抱いている」という可能性も視野に入れることとなり、迷走を始める。

一方で、里見はレナと連携し、橘カラの勤務時間を狙って橘カラの自宅にアイとともに侵入していた。痛み止めの薬や、犯罪捜査に関する書籍などが見つかったが、犯罪を裏付けるようなものは見つからない。しかし、後に部屋の些細な変化に気づいた橘カラは、里見が侵入したと勘付く。猪熊殺害を達成するため、橘カラはいよいよ里見を野放しにできないと感じ始めていた。

このころ、猪熊は捜査一課への異動を打診されていた。喜ばしいことだが、かつて里見と交わした「どちらかが捜査一課に行ったら結婚する」という約束が引っ掛かって決心できない。今の里見とは、結婚どころか交際を続けてよいかも迷っているためだ。

しかし、千歳との柔道訓練を経て、猪熊は里見と本心で向き合えていない自分に気づかされる。猪熊は、里見が気にしていた8年前の未解決事件の資料に目を通し、持ち前の正義感の赴くまま独自に捜査を始めた。これにより猪熊もまた、この事件の被害者と橘カラが交際していた事実にたどりつく。

猪熊は意気揚々と里見のアパート訪れ、この情報を伝える。自身と信頼を築いた橘カラが関係者なら、彼女と協力することで新たな事件解決の糸口が見つかるのではないかと考えたからだ。おそらく里見も喜んでくれると思ったに違いない。

しかし、里見の返事は歯切れが悪い。里見にとっての橘カラは、月本クリニックの事件に関わる危険人物だ。そのため、橘カラに話を聞こうとする猪熊を止めてしまう。

この里見の態度により、二人は言い争いとなり、猪熊は里見の家から出ていった。

この一連の会話を、橘カラはすべて聞いていた。里見に侵入された意趣返しに、橘カラもまた里見の家に侵入し、盗聴器を仕掛けていたのだ。橘カラにとっては二人を徹底的に分断する、またとないチャンスが訪れていた。

第6話 ついに悪女が計画実行…刑事破滅の危機

橘カラは同居する渡公平に、「里見という警察官が自分のストーカーをしている」と里見の写真を見せて相談する。橘カラに惚れ込んでいる渡は、疑うことなく里見がストーカーであると信じてしまう。渡はコンビニで偶然見かけた里見の後をつけ、里見・レナ・アイの作戦会議の現場を写真に撮り、橘カラに見せた。レナの姿を確認したことで、橘カラの中で、里見とレナとのつながりが疑いから確信に変わる。レナを利用すれば里見を動かせる――橘カラは、里見と猪熊を分断するための最終作戦を考え始めた。

一方、里見は、安藤課長と速水から、猪熊が捜査一課への異動が内定していることを聞かされる。猪熊を行きつけの居酒屋に誘い、祝いの言葉をかけて結婚の話を進めようとする里見。しかし、猪熊の反応は悪い。そして里見にレナからの着信が入ったことがきっかけで、里見と猪熊は再び喧嘩になる。

さらにレナは、里見にホテル名と部屋番号を指定し、いますぐ来て欲しいという緊急性を匂わせるメッセージも送ってきた。猪熊と別れ、店を出たその足でタクシーを拾い、ホテルに向かう里見。店の外に隠れていた猪熊は、里見を尾行する。しかし、レナからの連絡はすべて、レナのスマートフォンを盗んだ橘カラによるものだった。

ホテルの部屋で里見を待ち伏せしていた橘カラは、部屋に現れた里見の前で自ら顔に傷を作って服の胸元を破り、大声で助けを呼ぶ。

里見が混乱しているところに、橘カラが匿名の通報で呼んでいた速水たちと、里見を尾行してきた猪熊が到着する。そこにはベッドの上で橘カラに馬乗りになった里見の姿があった。

謹慎を言い渡され、仲間と恋人の信頼を完全に失った里見。しかし、このまま諦めるわけにはいかない。

状況は絶望的だったが、ついに里見は橘カラの古い常連客の舞川(石井正則)から橘カラの出身校と思われる高校の情報を得る。このたった一件の情報が、戦況を変えていく。

そのころ、非番の猪熊は、橘カラが親族から譲り受けたと話す埼玉県の別荘に招待されていた。橘カラが保管する、8年前の事件に関する資料を見せてもらう約束をしていたのだ。言うまでもないが、すべて橘カラの嘘である。別荘も渡公平のものだ。約束どおり誰にも言わずにやってきたと話し、別荘に足を踏み入れる猪熊。その頭部をめがけて、橘カラはゴルフクラブを勢いよく振り抜いた。

第7話以降で明かされる謎

負けっぱなしの主人公でしたが、第7話からは大きくストーリーが進みます。

第7話から第9話は、ここまでの謎が一気に種明かしされ、クライマックスまで駆け上がっていくよ!

ここまでも十分怖かった橘カラが、ここからさらなる狂気を見せてくれるよ!

第8話まではおおむね原作どおりで、第9話はドラマオリジナル展開になるんだよね?

そうだよ!

この3話は、絶対にネタバレなしで観ることをおすすめします。

『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』を全話観るなら

第7話からは怒涛の展開です。

参考までに、まだ明かされていない謎と、それが何話で明らかになるかを以下にまとめます。

第7話 悪女が恋人に牙をむく…驚愕禁断の過去

【明かされる謎】

・橘カラが行った5件の殺人

・橘カラが人を殺害する目的

・橘カラがシリアルキラーとなったきっかけ(最初の殺人)

第8話 ついに死闘決着!悪女の終焉…恋人を救え

【明かされる謎】

・橘カラの正体

第9話(最終話) 遂に決着…刑事vs完全悪女 震撼の真相

ドラマオリジナルの展開です。ここまで丁寧に張られた伏線の、最後の一本が回収されます。

【明かされる謎】

・橘カラが猪熊夕貴を狙った本当の理由

橘カラが猪熊を狙う主目的は「正義感を手に入れる」ことでしたが、それはスポーツジムでの一件の後からとなります。

橘カラが猪熊を狙い始めたのは、猪熊の人となりを知る前からでした。

初めてキャバクラで猪熊夕貴を見かけたその時、一瞬驚いたような顔をした橘カラ。

その謎が明かされます。

ドラマ版サイレーンのちょっと気になるところ

最後に、ドラマで語られなかったちょっと気になるところをまとめました。

あまり重視されなかった機動捜査隊の設定

警視庁の機動捜査隊員は本庁刑事部の傘下の部隊であり、都内の担当エリアをもち当直体制で巡回しながら、刑事事件が発生したときの初動対応にあたります。
しかし、里見と猪熊は、ふだんから桜中央署刑事課長・安藤(船越英一郎)の指揮下で管内の事件捜査をしたり、同署の生活安全課の捜査支援を行ったりしています。

機動捜査隊員の分駐所が管轄エリアにある警察署内に設けられるケースはあるのですが、里見や猪熊の場合、機捜というよりは所轄の刑事と考えて視聴したほうがしっくりきます。

原作は架空の「武蔵県警」を舞台にしていますが、ドラマ版は「警視庁」に変更されています。警視庁の機動捜査隊をモデルにした他作品を観たことのある方は、二人の仕事内容を不思議に思われたかもしれません。

安藤課長の謎

所轄の安藤課長は、課員の速水を捜査一課に推薦することはあっても、本庁の里見や猪熊を捜査一課に推薦する立場にはありません。

にもかかわらず、猪熊を捜査一課の幹部らしき人物に猪熊をアピールしたり、捜査一課への異動の内示を猪熊に告げたりします。

もしかすると単なる設定ミスかもしれませんが、船越英一郎さんが演じる安藤課長の振る舞いを見る限り、個人的な厚意で(特に猪熊父には世話になってきたような描写もあるため)、里見たちを部下同然の扱いをしている可能性も否定できません

安藤課長は、その性格や心情に関する個別のエピソードが特にない人物ですが、それにもかかわらず、話し方や振る舞いで人情系刑事の雰囲気がなぜかビシビシ伝わってきます。この配役にしたのも、こうした設定をうまくなじませるためだったのではないでしょうか…?

「お前…いいじゃねえか!捜一に行けよ!俺が口利いてやっからよ!」って飲みの席で言ってそうだもんね

むしろ、自分の直属の部下しか面倒みないような狭量キャラには見えない…!

裏設定は機動隊上がりの刑事かも!

猪熊父とは先輩後輩で、階級は安藤課長が上になったパターンで…

機動隊の上下関係ってずっと続くらしいからね

当サイトのアドバイザーの元警察官も、「安藤課長は実在する」と言っていました!

コンプラ意識が低すぎる

サイレーンは10年以上前のドラマですが、それでも警察官のコンプラ意識が低い気がします。

まず、橘カラの単独捜査の中で、里見が橘カラの自宅アパートのドアの鍵をピッキング用具で解錠し侵入しているシーンがあります。この時の里見は、一般人のアイ(佐野ひなこ)を帯同しています(笑)。

里見くんのアイちゃんとレナちゃん(入山杏奈)への信頼はマジで何なの

二人とも普通に優秀なんだよな…特にアイちゃん

ピッキング中の里見は、アイに「警察官なら講習を受けるからできる」という説明をしていますが、実際はどうでしょうか。

ピッキングは用具の所持がそもそも違法であり、それは警察官であっても同じです。

持ち歩いてる時点でアウトなんだ…

e-Gov法令検索:特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律(第3条など)

でも警察のピッキングはドラマならあるあるだよね?

公安警察の作品ではよくあるよね

里見くんも、普段の捜査ではやらないだろうけど、このシーンは、橘カラがまだ犯罪にどう関わっているかわからないから、正式な捜査命令も下りないし令状も取れないっていう状況なんだよね

橘カラが規格外だから手段を選んでられないってことか

あと、特開法の成立は2003年だから、ピッキング用具の所持はセーフかもしれんね

…!

冒頭のカラオケでLOVEマシーン(1999年)を歌っているシーンが伏線だったとは…!

廊下で泥酔する里見、二日酔いで出勤する猪熊、そして安藤課長の雰囲気といい、懐かしいコンプラの空気を感じたのはそういうことなのか…(?)

飲酒はさまざまな事故のきっかけになりやすいため、警察幹部は飲酒の場での部下の挙動には敏感です。里見のように自分の適正酒量を超えて店で寝込むような若手は、すぐ評判が広まるそうです。

「恋人と同じ部署だと異動させられる」のは本当か

当サイトのアドバイザーである元警察官に聞いたところ、「こうしたルールがあるという噂はあったし、実際にそうだと思う」とのこと。

明文化されたルールではないため、断定はできないそうですが、次の人事異動で大体バラバラにされるそうです。

夫婦であっても基本的に別の所属である人が多かったそうですし、警察学校で交際を始めた場合も、教官にバレている場合は卒業後の配置先がバラバラになっていたとのことです。

ルールが公に存在するものではないため、理由は想像になるとのことですが、業務に私情を挟んだり、私的なトラブルで問題を起こしたりするリスクをなるべく抑えるためではないかとのこと。

また、関係が良好であればいいというものではなく、警察の場合は泊まり勤務もあるため、業務中の不適切行為の温床になることも考えられるからではないか、とのことでした。

里見くんたちも、恋人だからこそ橘カラの策略にハマった面もあるもんね

たとえば、里見くんと猪熊さんが車内での会話に夢中になっていて、橘カラが車に近づいてGPSをつけたことに気づかないシーンがあるし、猪熊さんが恋人でなければ、里見くんは中盤でもっと冷静に動けたかもしれないし…

GPS!あったね!(第1話)

あれは、捜査車両に乗っているのに周囲にまったく気を配ってない感じだったね…

そして、中盤に里見くんが空回りしてたのも、猪熊が恋人だからっていう私情が絶対あったもんね…

優秀な里見くんが、橘カラにやられっぱなしの状態にも説明がつくね

こうして振り返ってみると、本当によく出来てるストーリーだね

ドラマ版サイレーンをお得に見るなら

本記事では、2015年秋ドラマ「サイレーン 刑事×彼女×完全悪女」について、作品のストーリーや、原作との違い、登場人物などを解説しました。

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