テレビドラマ「相棒」に登場する、特命係の3代目相棒・甲斐享についてまとめます。
甲斐享の氏名・生年月日・血液型
氏名
甲斐享(かい・とおる)/演 成宮寛貴
生年月日
昭和58年(1983年)7月7日
血液型
AB型
階級
巡査部長
経歴
特命係に配属される直前までの経歴です。
2005年3月 | 早慶大学政治経済学部経済学科卒 |
2005年4月 | 警視庁入庁 |
2005年10月 | 中根警察署地域課地域三係配属 |
2012年9月 | 中根警察署刑事課一課係配属 |
生年月日に対して大学卒業が1年早いような…?
交番時代の実績
交番時代の実績も本編で確認できたので、書き起こしてみました。
文字が見切れているところもあったのですが、たぶん合っていると思います。
・平町交番勤務時代の実績:自転車泥棒検挙572件、空き巣検挙108件、指名手配犯検挙2件
・平成24年、中根警察署刑事課長・松沢和一郎推挙による同警察署長・二階堂晃の推薦を受け、刑事選抜試験を受験
優秀な実績がありながら、刑事課に引き上げられるまでに7年もかかっている理由は、「交番巡査・甲斐享」(season11第6話)で刑事課に迷惑をかけているからかもしれません。
特命係としての活動時期
・season11・season12・season13(2012年10月10日~2015年3月18日)
・相棒-劇場版Ⅲ-巨大密室!特命係 絶海の孤島へ(2014年10月)
甲斐享の性格・特技
初期は能力・経験不足が目立つ
杉下右京と出会い、特命係に異動してきた初期の頃は、能力・経験ともに不足が目立ちます。
特にseason11の初期は、杉下右京を軽んじて(あるいは杉下右京に腹を立てて)単独行動をとりたがるのですが、すべて裏目に出ており、その中には、新たな殺人事件を誘発するといった取り返しのつかないミスもあります。
具体的なエピソードは下記のとおりです。
カイト君の主な失敗エピソード |
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人質立てこもり事件が発生している香港の総領事館内に杉下右京と侵入後、機械室でバールを2本発見し、入手する。途中でその1本を杉下右京に差し出すが、総領事館に入る前に銃声が聴こえていたことから、「僕は結構。拳銃が相手では素手とあまり変わらないと思いますよ」と丁重に断られる。ハッとした顔でバールを見つめた後、2本ともその場に置いていく。(S11-1) |
遺失物法に定められた拾得者(落とし物を拾った人)の権利関係をよく理解しておらず単独で誤った対処をしてしまう。杉下右京に「これ、警察学校で習ったはずですが」と指摘されている。(S11-2) |
犯人を推理し、それを杉下右京に伝えるも「安易」と否定される。そのことに立腹し、独力で事件解決を試みるが、単独行動の先においても再び真相を見誤り、別の犯人を追ってしまう。たまたま合流した杉下右京に、自身の新たな推理を伝えるも「君は肝心なことを勘違いしている」と言われてしまう。(S11-2) |
人が転落した現場と思われるマンションの一室に単独で駆けつけたところ、中から物音がしたため、室内を検索する。しかし、パソコンに打ち込まれた遺書を発見し自死であると判断する。その後、現場に到着した杉下右京により、甲斐享が確認しなかった洗面所内に人が潜んでおり隙を見て逃げられた可能性を指摘される。自分の不甲斐なさに、壁に頭を打ち付けて「ごめんなさい」とつぶやく。(S11-3) |
捜査対象が2人いることを理由に、杉下右京に別行動を提案し、またしても単独で捜査をはじめる。その後、路上で関係者と会った際に杉下右京からの電話を受け、捜査状況を電話口で復唱してしまう。その内容を、立ち去ったふりをした関係者に盗み聞きされてしまい、それがきっかけで新たな殺人事件が発生する。(S11-3) |
過去に甲斐享が取り扱ったストーカー被害の相談者が殺害された際、遺族となった夫に過剰に肩入れし、またも事件の真相を見誤る。杉下右京は初対面の時から真犯人に目をつけていたが、甲斐享に話せばそれが真犯人に伝わると予想し、あえてそれを甲斐享に隠して警察の狙いが伝わらないように動いていた。そのことを甲斐享は責めるが、逆に杉下右京から「我々は殺人事件の捜査をしていたんですよ!?」と声を荒げて叱られ、落胆する。(S11-6) |
正義感が強く、権力者に屈しない
正義感が強く、時には自分を顧みず権力に立ち向かうところもあり、その姿は右京さんに通じるところがあります。
また、次第にベテラン刑事のような落ち着いた風格になり、seasonを重ねるごとに雰囲気が変わっていきます。
粗暴な面がある
気に入らない相手と対峙した時、突然、粗暴な一面を見せることがあります。
カイト君の主な粗暴エピソード |
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信頼していた先輩に「親の七光り」と揶揄されて、その顔面に頭突きを入れる。杉下右京に羽交い絞めにされ、一旦おとなしくなるも、それが解かれると再び襲い掛かる。杉下右京に「君は信用できませんね!」と怒鳴られている。(S11-1) |
天下り制度について開き直った警察のキャリアOBの胸倉を掴む。杉下右京に制止され、その先は踏みとどまる。(S11-4) |
交番時代、同僚を囮にしてストーカーをおびき出す。ストーカーと格闘の末に馬乗りになられ刃物を突き付けられてしまうが、甲斐享が拳銃を向けたことで形勢逆転する。しかし犯人が無抵抗になってからも拳銃を降ろすことはなく、撃鉄を起こしたところで同僚に止められる。(S11-6) |
正義感に駆られて暴力を振るうというような単純なものではなく、甲斐峯秋へのコンプレックスのようなものが垣間見えます。
性格は基本的に素直
性格は、父親が絡まなければ素直です。
自分の間違いや相手の優れたところはきちんと認めます。
絶対音感がある
小さい頃からピアノを習っていたことにより、絶対音感を身に着けています。
料理が得意
悦子のマンションで、きれいに盛り付けたおしゃれな料理をよく作っています。
親族・縁故者関係
父 甲斐峯秋(かい・みねあき)/演 石坂浩二
母 氏名不詳
兄 甲斐秋徳(かい・あきのり)/演 新納慎也
笛吹悦子(うすい・えつこ)/演 真飛聖
笛吹結平(うすい・きっぺい)/演 森優理斗
甲斐享の父・甲斐峯秋
・甲斐峯秋(かい・みねあき)/演 石坂浩二
・登場回 season11~
・呼び方 お前・享
甲斐享の父であり、警察庁次長。親子仲は険悪であり、享には「さっさと警察をやめろ」と高圧的な態度を取り、享から嫌われている。
その一方で、甲斐峯秋は享の活躍を気にするような様子を見せ、甲斐享もまた父を侮辱した相手を殴ったりする(S12-1)など、お互いに意地を張っているところも見受けられる。
甲斐享の話では、昔から峯秋に対して反発しており、高校生の時にやんちゃをして大いに怒らせたことがあるという。(S12-最終話)
その時の話であると考えられるが、この時、甲斐峯秋は享の顔をバチーンと平手打ちしている。(S13-最終話)
その後、甲斐享が東京大学に行けなかったことで、いよいよ享に対して冷たくなったようである。
season13の最終話では、享の社会的ダメージを軽減するために独自に動いている。
具体的には、杉下右京からいったん享を引き離し、監察主導の捜査に切り替えた。
留置場では甲斐享を平手打ちするも、甲斐享が杉下右京と最後に会話ができるよう便宜を図る。
season17では「出来の悪い子ほどかわいい」と本音を漏らしている。
また、笛吹悦子と笛吹結平については家族として受け入れており、笛吹結平をとても可愛がっている。
season22の事件により、笛吹結平に甲斐享のことを話すことを決意している。
甲斐享の母
海外に住んでいると説明されている(S11-9)。
甲斐享の兄・甲斐秋徳
・甲斐秋徳(かい・あきのり)/演 新納慎也
・登場回 season22第10話
・呼び方 「享」
甲斐享の兄であり、甲斐峯秋の長男。
東京大学法学部出身で、現在は財務省の官僚である。本人は自身の勤め先を「日本有数のブラックカンパニー」と称している。
season11では海外に住んでいると説明されており、season22第10話で登場する。
甲斐享によれば、兄・秋徳は父親の思い通りの道を進んでおり「親父は兄貴がお気に入り」とのこと。父親に従順な兄・秋徳の生き方を見下すように父親に逆らっていたという。(S1最終話)
甲斐峯秋からも「立派な息子」と言われており、親子仲は甲斐享と異なり昔から良好だったことがわかる。
甲斐峯秋と共に、笛吹悦子とその息子である笛吹結平には親族として接しており、笛吹結平からは「パパっち」と呼ばれている。
甲斐峯秋との付き合いが続いている杉下右京とも交流しており、笛吹結平の誕生日を一緒に過ごしたこともあった。
笛吹結平の担任が殺害された事件では、杉下右京から、まるで自身と笛吹悦子がグルになって嘘を言っていると言わんばかりの追及に顔をしかめ「享はよくこの人と3年も一緒に…」とこぼしている。
右京さんにとっては公平に事情聴取をしているだけで、通常運転です
とは言え、甲斐秋徳が官僚という立場を使って気に入らない相手に圧力をかけようとしていたことがわかると、杉下右京も「脅迫には脅迫で対抗しようと…」と非難するような発言をしており、お互いに波長が合わないところもあるようです。
なお、特命係が真犯人を捕まえたことや、その後にわが身を顧みず笛吹悦子の命を救っていることから、杉下右京との関係は修復されていると考えられる。
笛吹悦子(うすい・えつこ)
・笛吹悦子(うすい・えつこ)/演 真飛聖
・登場回 season11~season13、season22第10話
・呼び方 「享」
・使用車 白色の日産ノート(S11-11)
日本国際航空(NIA)のCA。合コンで甲斐享と知り合ったことを機に交際を開始した、年上の彼女。
甲斐享の良き理解者であり、仕事の話を聞いて励ましたり、時にはアドバイスをしたりしている。
甲斐峯秋も悦子のことを「聡明で美人」であると、初対面から気に入っている。
しかし、結平の妊娠とともに急性骨髄性白血病を患っていることが判明し、入院して治療を始める。
マンションに住んでおり、甲斐享には合鍵を渡している。
仕事柄、海外で滞在する時間が長いなのせいか、season11の初期に土足スタイルらしい期間がある。(その後、土足ではなくなっている)
なお、オークションに参加した甲斐享が、ある品を競り落とすために悦子のマンションを売ると言い出したことから、賃貸や社宅などではなく悦子の持ち家であることが判明している。(S11-2)
甲斐享の異変に、杉下右京よりも早く気づいた人物である。(S13-最終話)
享が杉下右京から逃げられないことを察知して甲斐峯秋に助けを乞い、甲斐享の社会的なダメージを軽減させている。
season22で、悦子は無事に結平を出産し、CAの仕事を続けながら育てていることがわかる。
現在は、東京都大田区のマンションで二人で暮らしている。(土足ではない様子)
白血病については、福島の父の骨髄の提供により寛解している。福島の父はその後他界している。
甲斐享との関係であるが、享が拒んでいるため入籍はしていない。
入籍をしなくても笛吹結平を認知して親子関係を結ぶことは可能であるが、拒んでいる理由から考えて、こちらも行っていないと考えられる。
しかし、甲斐峯秋・甲斐秋徳は家族と認めており、二人に見守られながら結平を育てている。
杉下右京との関係については、良好である。
杉下右京からは、笛吹結平の誕生日に毎年シャーロックホームズの小説を一冊プレゼントされているが、それをほほえましく見ている。
甲斐享を失うきっかけとなった人物ではあるが、甲斐峯秋の信頼する部下であること、甲斐享が尊敬していたこと、そして杉下右京の立場からどうしようもなかったことを理解しているのだと考えられる。
season22第10話において、ある女の恨みを買ってしまい、巧妙な罠に嵌められて絶体絶命のピンチに陥る。
悦子にはまったく落ち度がない(強いてあげるなら甲斐享が原因である)が、その女からは「存在自体が罪」とされ、残酷な手口で人生を奪われそうになる。
その絶対絶命のピンチを、特命係(+美和子)・捜一・甲斐峯秋・社美彌子という甲斐享に縁のあるオールスターが、自らの身も危うくなるハイリスクな手段により救っている。
職場・友人関係
根津誠一(ねづ・せいいち)
・根津誠一(ねづ・せいいち)/演 山田純大
・登場回 season11「聖域」
・呼び方「カイト」
警視庁から外務省に出向し、香港総領事館警備対策室に勤務する警備対策官。
甲斐享の警察官の先輩である。
警察庁次長の息子としてではなく一人の後輩として甲斐享に接しており、甲斐享もまた、念願の刑事課に異動できたことを香港までわざわざ報告に行くほど親しい間柄であった。
しかし、総領事館夫人のある望みを叶えるために起こした悲劇によって、甲斐享と敵対してしまう。
ちなみに杉下右京が「カイト君」と呼び始めるきっかけになった人物になります。
大石真弓(おおいし・まゆみ)
・大石真弓(おおいし・まゆみ)/演 松本若菜
・登場回 season11「アリス」、season12「ボマー」
・呼び方「甲斐くん」
警視庁の女性警察官。甲斐享の同期で、柔道三段である。
甲斐享は「そそっかしい」と言うが、能力は高く人に優しい。
また、甲斐享がいるためか特命係にも協力的である。
season11では特命係が護衛中の女性になりすまして犯人の襲撃を代わりに受けたり、season12では杉下右京の指名によって、甲斐享が巻き込まれた事件を解決するために協力をする。
美人で有能であり、しかも性格まで良いため、印象に残っている視聴者は多いと考えられる。
裏で同僚から「顔採用の期」って言われてそう
亀山君の期と違って警察学校内にいい匂いがしてそう(亀山期:亀山、伊丹、益子)
大石真弓について、こちらの記事でもまとめています。
梶祐一郎(かじ・ゆういちろう)
・梶祐一郎(かじ・ゆういちろう)/演 鈴木裕樹
・登場回 season13「ダーク・ナイト」
・呼び方「享」
甲斐享の特命係最後の事件で登場した、甲斐享の高校時代からの親友になります。
甲斐享によれば、高校時代の梶祐一郎は「筋金入りのやんちゃ坊主」。
ボクシングをしており、敵対する学校の生徒を片っ端からぶちのめしていたそうです。(甲斐享は「後ろでワーワー言う程度でほどほど」にしていたそうです)
現在は、自動車整備士として「梶オート整備工場」を営んでいます。
梶祐一郎には、浜中忠弥という男に、妹を殺害された悲惨な過去があります。
しかも、犯行当時の浜中は薬物による心神喪失の状態であったとされ、罰を受けないまま釈放されるという無念極まりない結果となりました。
当時の梶祐一郎はひどく取り乱し、警察官である甲斐享にも当たり散らします。
そして、復讐のために浜中を待ち構えますが、直前で甲斐享に制止されます。
その一月後、浜中が何者かに襲われて重症を負う事件が発生しますが、梶祐一郎には完璧なアリバイがあったことから疑いが晴れています。
一体どこの誰がやったんだ…
甲斐享のQ&A
甲斐享はなぜ特命係になったのか?
A:杉下右京が、警察庁次長・甲斐峯秋に、甲斐享を特命係に異動させるよう要望したからです。
season11第1話「聖域」において、右京さんとカイト君が事件を解決した後、甲斐次長に呼び出された右京さんが「できればご子息を、甲斐享君を寄越していただけるとありがたいのですが」とお願いします。
甲斐次長がこれに承諾した理由は、特命係で右京さんの下に就けば、かつての部下(=亀山君より前の6人の部下)のように、カイト君が早く警察を辞めてくれるかもしれないと考えてのことです。
なぜ杉下右京は甲斐享を希望したのか?
A:明確にはしませんが、人間性に惹かれたことは間違いないようです。
カイト君を希望した理由について、最初は甲斐次長に尋ねられても明確には答えません。
しかし、season11第6話「交番巡査・甲斐享」において、甲斐次長が右京さんに「どうして皆、あんな男(カイト君)を(人材として)欲しがるんだろうね」と尋ねたところ、右京さんは「人としての基本ができているからでしょうか」と答えます。
おそらく初めての事件で、カイト君が事故で妻を亡くした男性の気持ちを推し量り、事故を隠蔽しようとする巨大な権力に真っ向から対立する姿勢をみせたからではないでしょうか。
甲斐享は何代目の相棒?
A:3代目の相棒になります。
ただし、特命係に配属された警察官としては、亀山薫(初代相棒)の前に辞めた6名と、亀山薫と神戸尊(2代目相棒)との間に陣川公平がいますので、3人目ではありません。
甲斐享はいつから「カイト君」と呼ばれている?
甲斐享のあだ名である「カイト君」は、カイト君が特命係に配属される前からのものです。
中根警察署の刑事係長や旧知の間柄である先輩警察官の根津さんなどから、「カイト」と呼ばれていることがわかります。
右京さんがカイト君と呼ぶようになったのは、右京さんとカイト君と初めて出会うseason11第1話「聖域」です。
香港の総領事館内において根津さんとカイト君のやり取りを聞いた後、おもむろに「凧(たこ)という意味のカイトですか?」と尋ねています。この時、カイト君は「”かいとおる”を縮めて”カイト”です」と説明しています。
その後、根津さんに煽られて暴れ出したカイト君を制止する際に、初めて右京さんが「カイト君」と呼んでいます。
それ以降は、基本的に「カイト君」と呼んでいますが、目上の人の前では「甲斐君」と呼んでいる場面も見られます。
女性警察官は「甲斐君」と呼ぶケースが多いようです。(S11-6、S11-11)