【相棒season2】第13話「神隠し」がもう一度観たくなる!あらすじと見どころを解説

テレビドラマ「相棒season2」のあらすじです。

第13話「神隠し」の概要

放送日

2004年1月21日

主な出演者

細川俊之
松尾貴史
水上竜士
及森玲子
久保結季

相棒レギュラー

美和子・たまき・伊丹・三浦・角田課長・米沢・内村刑事部長・中園参事官(てるお)

脚本

輿水泰弘

音楽・音楽監督

池頼広・義野裕明

第13話「神隠し」のあらすじ

小学生の瑠奈ちゃん(久保結季)が、下校途中に姿を消しました。

警察では誘拐事件として捜査を開始しますが、一夜明けても犯人からの連絡はありません。
さらに奇妙なことに、瑠奈ちゃんが行方不明になった時の所持品が、街のあちこちから発見されます。
神社の稲荷像の頭の上に手袋、理髪店の看板に帽子、運送会社の倉庫の取っ手にマフラー、パチンコ屋の店先の花にサスペンダー、そして掲示板のポスターに靴下…。
何かの暗号ではないかと考えた右京さんは、亀山君を連れて各地を回り、状況を再現しながら事件の推理をはじめます。
そのような中、亀山君が瑠奈ちゃんのクラスメートに気に入られたことがきっかけで、瑠奈ちゃんの友達であるホームレスの一郎君こと吉田一郎(松尾貴史)の存在にたどり着きます。
さっそく一郎君の住まいを訪ねる右京さんと亀山君。

一郎君は、飄々とした様子で、瑠菜ちゃんと友人であることは認めますが、行方は知らないと話します。

一郎君の話から、瑠菜ちゃんは近所の教会の神父・長谷川均(細川俊之)とも親交があることが判明。

2人は神父に会うため教会に向かいます。

しかしそこには捜査一課の姿が。
神父・長谷川には少女に対するいたずらの前科があるため、容疑者としてマークされていたのでした。

第13話「神隠し」の見どころ

一郎君こと吉田一郎が初登場

一郎君は、町内に住まうホームレスの男性です。

かなり独特なキャラクターであり、以下の特徴があります。

・ホームレス(自作の小屋で生活中)

・瑠奈ちゃんの親友である

・古本屋から割安な本を購入し、別の古本屋に販売する方法で生計を立てている様子(業者の販売価格の付け方の違いを利用したビジネス)

・汗のにおいが嫌なので、2、3日に一度(夏は毎日)の頻度で、教会のシャワーを借りている

・朝シャン派である

・基本的には飄々としているが、相手の言動に差別意識を感じ取ると傷つくようである

・人をよく見ており、神父さんについては、昔かなり苦労した人ではないかと鋭い考察をする

吉田一郎の登場回は、こちらでまとめています。

推理小説「ブラウン神父」シリーズがヒントに

瑠奈ちゃんの手袋などが発見された付近においては聞き込み捜査が行われましたが、有力な目撃情報はありません。

それを聞いたたまきさんは、右京さんが持っていた推理小説の一節を思い出し、「犯人は郵便配達員ではないか」と推理します。

その小説では、犯行現場を見ていた者が「怪しい人物は誰も来なかった」と証言したことについて、実は犯人が、誰からも怪しまれない郵便配達員だったことから誰も証言しなかった、というトリックが使われています。

この話は、ブラウンという神父が探偵役となるシリーズの、『ブラウン神父の童心』(ギルバート・ケイス・チェスタトン)に収められている「見えない男(The Invisible Man)」の話であると思われます。

この話がヒントになり、ついに右京さんは、誰が何のために瑠奈ちゃんの所持品を点々と置いたのか、事件の真相にたどり着きます。

右京さんの16年前の告解

長谷川神父とのやり取りで、右京さんが16年前に「告解」(こっかい)をした経験があることがわかります。

「告解」とは、自分の罪を聖職者に告白して神のゆるしを得る、キリスト教の信仰儀礼のことです。

16年前、右京さんは人質籠城事件の作戦参謀として小野田公顕により招集されましたが、最終的には、人質と突入した隊員の尊い命が失われてしまいます。

この作戦失敗の原因を押し付けられる形で、右京さんは特命係に左遷されることになりました。

この人質籠城事件は、season1の最終話で真相が明かされており、右京さんの中では一応の決着はついているところです。しかし、事件当時は激しい自責の念に駆られて苦しんでいたことがわかる、少しつらくなるエピソードです。