【相棒season16】第6話「ジョーカー」のあらすじと見どころを解説

テレビドラマ「相棒season16」の第6話を解説します。

第6話「ジョーカー」の概要

放送日

2017年11月22日

主な出演者

山田純大 藤田宗久 松尾諭 宮本裕子

相棒レギュラー・準レギュラー

大河内監察官(ラムネ)・衣笠副総監・内村刑事部長・中園参事官(てるお)

脚本

浜田秀哉

監督

兼﨑涼介

第6話「ジョーカー」のあらすじ

元捜査二課の刑事、早見直人(山田純大)が、自身の懲戒免職が不当であるとして、警視庁を相手に損害賠償を求める訴訟を起こしました。

その背後には、半年前に起こった、早見の妻・幹子(宮本裕子)の転落死事件があります。

警察は幹子の死を自殺と断定して捜査を打ち切りましたが、早見は他殺の可能性を主張し、知人に嘘の目撃証言をさせるという悪手に出たことによって懲戒免職処分を受けてしまったのです。

警視庁の代表として法廷に立つ大河内監察官(神保悟志)は、警視庁の処分の正当性を証言する立場でありながら、一つだけ気になる出来事がありました。

それは、早見の主張の裏付けのために、幹子の死の真相を探ろうとした矢先、警務部長から「さっさと片付けろ」と圧力がかかったことでした。

今回、自ら進んで矢面に立つことにした大河内監察官。

そしてなぜか甲斐峯秋からこの事件の捜査を命じられた右京さんと冠城君。

彼らは3人で、幹子の死の真相を調べることにします。

早見によれば、早見は幹子が何者かから脅迫を受けていたと言います。

ところが、生前の幹子本人は、早見が問い詰めてもごまかし続け、挙句の果てには離婚を切り出し、本当のことを早見に語ろうとはしません。転落死はその矢先のことでした。

捜査が進むにつれ、幹子がデータサイエンティストとして関わっていたプロジェクトに関する、ある企業の脱税疑惑が浮上します。

さらには、幹子が脅迫を受けたとされる日の10日後、その企業の顧問税理士であり国税OBである根岸隆雄(辻つとむ)がビルの階段から転落していることが判明しました。

2つの事件が無関係ではないと考えた右京さんと冠城君。

事件の背後にある、大きな力に近づいていきます。

第6話「ジョーカー」の見どころ

大河内監察官との協力回

大河内監察官とは、警視庁の首席監察官であり、階級は警視正です。

フルネームは大河内春樹(おおこうち・はるき)。

警察内部の不祥事を調査する「警察の警察」であり、大河内監察官の場合は、警視庁警務部に所属する警察官となります。

相棒では、内村刑事部長・中園参事官くらいの頻度で登場する人物であり、階級は中園参事官と同じです。

都道府県警察の首席監察官ってどのくらい偉いの?

調べたところ、いくつかの県警で首席監察官と警務部参事官を兼務しているケースが見られます。

したがって、イメージとしては本部の参事官クラスの人材が拝命するポジションとなります。参事官とは、一般的には都道府県警察本部の各部のナンバー2です。

ただし、首席監察官は天下の警務部の重役です。

推測ですが他部門の参事官より出世頭のポジションになるのではないでしょうか。(つまり、組織では暗黙的にてるお<ラムネなのではないかと思います)

表立って特命係に協力することはできない立場ですが、ちょっとだけ見逃してくれたり老婆心として忠告に来てくれたりすることがあり、右京さんのことを人格と能力の両面で信頼している様子がうかがえます。

監察官としての公正な職務を矜持としており、そのため、組織のいわゆる政治的判断には葛藤もあるようで、ストレスを感じてラムネをぼりぼり噛むこともあります。

今回は、めずらしく大河内監察官と特命係がタッグを組んで事件を解決する協力回になります。

連城弁護士が再登場

season15第16話「ギフト」で初登場した連城建彦弁護士(松尾諭)が再登場します。

今回は早見の代理人に立候補しており、その理由を右京さんが尋ねると、「こんな面白い裁判、誰にも渡したくありませんからね」と、普通の人なら眉をひそめるような発言をします。

今回、事件解決に右京さんが動いたことを知って、「さすがだなあ」と一言。

この右京さんの働きが連城弁護士の目にとまり、season17「ブラックパールの女」に繋がります。

「ジョーカー」呼ばわりで右京さんがムッとしている?

今回のタイトル「ジョーカー」とは、右京さん(あるいは特命係)のことです。

右京さんを「ジョーカー」と呼称したのは大河内監察官でありす。

特命係に対し、「ジョーカーはこういう時に使うに限りますからね」と、特命係と共同で真相を解明することを決めます。

トランプの「ジョーカー」の役割の一つは、「手元にないカードの代用」です。

大河内監察官のこの言葉は、話の流れからして「代用」の意味でしょう。

捜査を進めようとしたところで、どうせ上層部からの圧力がかかってしまう今回の事件。普通の警察官なら何もしないところ、特命係はそのルールの例外なので「ジョーカー(代用カード)として使う」という解釈をすると自然です。

「使う」と言われたせいか、右京さんは少しムッとしている様子です。

よく見ないとわかりませんが、眉間に力が入り、ほんの少しだけ顔がムッとなっています。

その後、大河内監察官が幹子の仕事関係を調べようと提案すると右京さんが「そちらはお一人で。ジョーカーならジョーカーらしい動き方がありますから」と丁寧にお断りしていることからも「ジョーカー」という表現に引っ掛かっているようです。

ラストで「ジョーカー」の意味が変わる仕掛けも

ジョーカーのもう一つの意味は、もちろん「最強のカード」です。

事件解決後、連城弁護士と大河内監察官が言葉を交わすシーンで、大河内監察官が再び右京さんを「ジョーカー」と表現するのですが、この時の短いやりとりでは、不思議と「最強のカード」の意味に聞こえます。

特に理由のない冠城スキルが大河内を襲う

冠城君は嗅覚が優れており、過去にはコーヒーや香水の香りを嗅ぎ分けて事件解決に貢献しています。

しかし、今回は特に事件には関係のないタイミングでこのスキルが発動。

しかも、なぜかそのすべてが大河内監察官に向けられます

まず、冠城君は大河内監察官がピルケースを開けた時の匂いから、それがお菓子のラムネであることを看破します。

そしてラストシーンでは、今回の大河内監察官の行動から、勘で過去の出来事を言い当ててしまい、大河内監察官を怒らせます。

大河内監察官が自ら捜査にあたったのは早見さんの気持ちに共感したからではないか、誰か大切な人を失った過去があるのではないかと本人に尋ねてしまいます。

特にラストシーンの、嗅覚を超えた第六感的な何かについては右京さんも「動物的直感と言うべきか…」とやや困惑しています。

大河内監察官の過去は、season2第18話「ピルイーター」の事件になります。

角田課長、監察対象だった

大河内監察官がいることに気が付かず、コーヒーを入れながら「鬼監察官」と軽口を叩いてしまう角田課長。

それを聞いた大河内監察官から、頻繁に特命係に出入りしていることを問い詰められ、捜査情報の漏洩をしていないかを問い詰められ、か細い声で「無罪です…」と答えてしまいます。

角田「無罪です…」(大嘘)

甲斐峯秋、復活の一手にならず

事件解決後、甲斐峯秋がなぜ特命係にこの事件を調べるよう命じたのかが明らかになります。

その理由とは、衣笠副総監がこの事件に一枚嚙んでいることを察知したからです。

今回は残念ながら尻尾をつかむことはできませんでしたが、ここから甲斐峯秋がどのように地位を回復していくのかも、今後の見どころに加わります。

注意:今回、甲斐峯秋は登場しません